アーセナル22/23シーズン中間採点 CMF編

2022-12-08選手採点

トーマス・パーティ: 8

獲得当初から、アーセナルはトーマス・パーティをアンカーとして見ている、という話はずっとあり、移籍直後はパーティの適正ポジションは本当にアンカーなのか、というのも話題になったりもしたが、ついにアーセナルの中盤を支える欠かせない選手として本領を発揮している。

昨季から継続して今季も素晴らしいパフォーマンスを見せており、今のチームで最も替えが利かない選手の一人であることは間違いない。

ピッチに立っている際のパフォーマンスは素晴らしいものの、唯一の懸念は英国にやってきて以降怪我がちである点だが、今季アーセナルがプレミアリーグでどこまで上位にいられるかは彼の太ももの調子に懸かっているといっても過言ではないだろう。

今季ここまでのところはそこまで怪我も多くなく、W杯も無事乗り切ってくれたようなので、今後も無事でいてくれることを祈りたい。

グラニト・ジャカ: 9

CBのセクションで、ウィリアム・サリバは今季のMVP候補の一人かもしれない、と書いたが、現在の好調がシーズン終了まで続けば、グラニト・ジャカもMVP争いに絡んでくることは間違いないだろう。

基本的にはアーセナルに移籍して以降は一貫して、左寄りの低い位置でのパス職人、時折ロングスルーパスなども供給(それも最近は減っていたが)、という役割を任され、その仕事を十分にこなしていたが、昨季後半あたりから、少しずつジャカをより高い位置でプレイさせる試みをアルテタは始めており、それが今季実を結んだ形となった。

MFとしては体格が良く空中戦に強く、左足の精度も高い、敏捷性はそこまでだが、トップスピードも悪くなく、守備にもかなり効いている、とふたを開けてみれば超万能型ボックストゥボックスMFに進化を遂げ、今季プレミアリーグで3ゴール3アシストも記録している。ゴール前での足さばきなどを見る限り、素早く細やかな動きも以前より上手になっているようにすら見える。

現時点で明確にジャカの役割をこなせそうな控えがスカッドにはいないが、とにかくケガに強く、スタミナもあるというのもジャカの非常に頼もしい点だ。

サンビ・ロコンガ: 4

昨季に関してはベルギーから移籍してきたばかりのプレミアリーグ1年目、ということを考えればまあこんなもんだろう、といったくらいの出場機会だったが、2年目となった今季もなかなか思うような活躍を見せられておらず、本人としては悔しいシーズン前半になっているに違いない。インタビューで夏には移籍も考慮した、といった旨のコメントもあった。

アトレティコ時代から世界トップレベルのCMFといっても良いトーマス・パーティですら今のアンカーの役割になれるのにはかなり時間がかかったことを考えると、ロコンガがこのポジションで簡単に輝くことができないのは当然といえば当然なのだが、最近彼の適正ポジションなのかが不透明になってきているのが少々不穏ではある。

アンカーを務めるには守備に不安があるが、一番の持ち味はファイナルサードでの貢献というよりもボール前進、ということで、ポジションを高めに設定してしまうと、それはそれで持ち味が生きづらい、という形になっているので、アーセナルでポジションを得るためには、どちらかに振り切って進化する必要があるように思う。

モハメド・エルネニー: 4

別にパフォーマンスが悪いわけではないのだが、けがでかなりの期間離脱しており、今季はプレミアリーグ出場が3試合のみと限られている。出場時のプレイ自体は安定しており、いつも通りの活躍は見せられている。

エルネニーのけがが判明したとたんに夏の移籍市場でアーセナルが急遽方針転換し、MF(具体的にはドウグラス・ルイス)獲得に動いたことからもわかる通り、ある程度重要なスカッドの一員としてカウントされているはずだし、ロコンガに波があることもあって、ケガから復帰した後半戦はより出場機会は増えそうだ。