アーセナルの冬の移籍市場の補強ポイントに関して

移籍Tim Stillman,海外記事

プレミアリーグ再開まで6週間の時間があり、アルテタとエドゥには1月に向けて、じっくりとプランを練る時間があるはずだ。監督とディレクター、オーナーの3人での話し合いがどのような形で進むのかはわからないが、監督とスポーツディレクターがどれだけの業績を残せるかはどのような選手を獲得できるかにある程度懸かっている。

もちろん、オーナーもクラブが良い成績を残すことを望んでいることは間違いないだろう、とはいえ彼らはそれと予算とのバランスを考える必要がある。

ピッチ上の話で言えば、エドゥとアルテタは1月にサイドでプレイできる選手を加えたがっているのはまちがいないだろう。今季ここまでの戦績に関わらず、今のアーセナルにはウイングが本職の絶対的なファーストチームの選手が3人しかおらず(サカ、マルティネッリ、スミスロウ)、そのうちの一人は今季のほとんどを離脱していた。

サカとマルティネッリの二人は今季のプレミアリーグの全試合で先発しており、全コンペティションで見ても21試合のうち20試合でプレイしている。トップレベルのクラブでは、ウイングはフィジカル面で非常に負荷のかかるポジションで、多くのクラブが頻繁にローテーションを行うポジションだ。

恐らく、今季ここまでのサカとマルティネッリはアルテタが想定していたよりも多くの時間をプレイしているに違いない。スミスロウが居てもアーセナルは夏にラフィーナの獲得に動いていたくらいなのだから、クラブはこのポジションの補強を課題と認識しているだろう。

ラフィーニャ獲得に失敗した後もどうやらアーセナルはサイドの選手を狙っていたようだが、トーマス・パーティとモハメド・エルネニーの二人ともが怪我をしてしまったことで、移籍市場最終盤でプランの変更を余儀なくされた。

このため、移籍市場最終日にアストン・ヴィラのドウグラス・ルイス獲得にクラブは動くこととなった。彼はアーセナルのファーストチョイスの補強というよりも、どちらかというと緊急的な補強で、結局獲得には失敗したが、振り返ってみると、やはりむしろアルテタとエドゥはMFよりもウイングを獲得に動くべきだったと考えているかもしれない。

報道を見る限り、リース・ネルソンは怪我をしていなければなつの市場で放出されることが濃厚だったはずで、これも移籍市場に影響を与えたかもしれない。彼を放出してファーストチームの枠を一つあけることが出来なくなったからだ。

結果的に、今季前半のアーセナルでは獲得できなかった第4のウイングの枠を、マルキーニョスとネルソンの二人が交代で担当することとなった。ただし、プレミアリーグに関して言えば、この2人の出場時間は70分にも満たない。

アーセナルがもう一人ウイングを必要としていることは明らかだ。単にマルティネッリとサカとローテーションさせられる選手が必要であるというだけではなく、ベンチから試合を変えられるような選手が必要だ。もちろん、今季ここまでアーセナルにはその必要性がなかったのはラッキーだった。

だが、今季サカあるいはマルティネッリと交代した選手を並べてみると、エンケティア、ビエイラ、ホールディング、スミスロウ、ティアニー、マルキーニョス、ネルソンとなっており、これらは全てアーセナルがリードしている場面で、かつ試合の最終盤に近い時点で行われた交代が多い。

このほぼ全てが、試合をこのまま畳むため、点差を維持するため、あるいはサカやマルティネッリを休ませるための交代で、点が必要な場面で攻撃の形を変えて活性化するような交代ではなかった。

今季ここまでのアーセナルがサカとマルティネッリの二人に少々頼りすぎているのは明らかだ。

スミスロウが怪我から復帰すれば、状況は大分楽になるだろうが、ネルソンの将来は不透明だし、既にヨーロッパリーグのグループステージとカラバオ杯が終わってしまったため、これ以上の出場機会があまり見込めないマルキーニョスは冬にローンに出る可能性もある。

一方で、朗報は今のアーセナルは冬に少し金銭面でリスクを冒せる立場にいるということだろう。今の順位を考えれば来季のCL出場権獲得による収益アップの可能性をある程度見込みながらプランが立てられるはずだ。そして、今季はアーセナルに訪れた千載一遇のプレミアリーグ優勝のチャンスでもある。

マンチェスター・シティ、チェルシー、ニューカッスル(そしてリバプールも新オーナーとなる可能性がある)といった裕福なクラブに囲まれて、このようなチャンスはもう何年か訪れないかもしれない。少し無理してでも資金を費やすのであれば今だろう。

もしかすると、ウイングだけではなく、パーティの控えの獲得もプッシュするかもしれない。このポジションの控えが手薄なのは、今のスカッドの唯一かつ非常に明確な弱点だ。

アーセナルが昨夏移籍市場最終日にドウグラス・ルイス獲得に動いていた、というのがアルテタのサンビ・ロコンガへの評価を示しているように見える。

パーティの怪我もエルネニーの怪我も、数週間から2か月程度のもので、特に長期的なものではなかった(もちろんパーティが慢性的な怪我を抱えがちというのはあるが)。にもかかわらず、ウイングを諦めてMFの獲得にシフトしたということは、今季はサンビ・ロコンガのことはあまり戦力として見込めないという判断だったのではないだろうか。

彼自身の将来のためには、このままアーセナルで控えでくすぶっているよりも、一度どこかにローンに出て、定期的な出場機会を得てリズムを取り戻した方が良いようにも思われる。

彼は現在ヌノ・タヴァレスと同じカテゴリーの選手になってしまいつつある。エルネニーが契約延長したことからもそれは見て取れる。冬に獲得できなかったとしても、次の夏には恐らくアーセナルは中盤の大型補強を行うだろう。

ウイングとMF、彼らの獲得が夏になるのか冬になるのか、この移籍市場はどれだけアクティブなものになるのか、楽しみに見守りたい。

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Posted by gern3137