arseblog氏によるマンチェスター・ユナイテッド戦振り返り

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オールドトラフォードではフラストレーションの溜まる1日を過ごしたアーセナルだが、まだリーグ首位だ。

この試合でアルテタはティアニーに代えてジンチェンコを復帰させた。試合序盤はユナイテッドのペースだったが、アーセナルが得点で流れを引き戻すかに見えた。しかし、この得点はVARにより取り消されてしまう。

ウーデゴールのコンタクトは非常にソフトなもので、まさにホームチームだけが得られる種類の判定だった。VARの介入基準を上げ、出来るだけ試合を流していこうという今季の流れと相容れるのかはわからない。

個人的には、VARはサッカーにとって害をなしており、スタジアムを訪れるファン、TV観戦するファンの体験を台無しにしているという考えが強まる結果だった。

もちろん、得点とならなかった以上この話をしてもあまり意味はないのだが、サカのマルティネッリへのパスは素晴らしかったし、彼がシュートまで持ち込んだ流れ、そして冷静なフィニッシュも素晴らしかった。

主審のポール・ティアニーは非常に長くモニターを確認しており、もしかすると、彼は最初に自分が下した決断を支持するのではないか、とファンに一瞬希望を抱かせたが、結果的にはそうはならなかった。

試合後、マルティン・ウーデゴールは以下のようにコメントした。

僕はほとんど彼に触っていないよ。皆プレミアリーグのフィジカルさの話をするが、それならなぜあれをVARでわざわざ巻き戻してチェックしてファウルに出来るのかわからないよ。

そして、監督のミケル・アルテタも判定は一貫性を欠いていると嘆いた。

確かに、ブライトン-レスター戦では先制点の場面でティーレマンスが相手をはねとばしたシーンはどう考えてもウーデゴールのエリクセンへのコンタクトよりも明らかなファウルだったが、この得点は取り消しとはならなかった。

同じ週末にこのような判定が続いていては、ファンがレフェリーに対して我慢の限界を迎えるのも頷ける。

とはいえ、得点は認められなかったものの、ここからアーセナルは相手を圧倒し始め、そこから1時間程度は非常に良いプレイを見せた。オールドトラフォードでのパフォーマンスとしては近年で最高レベルだったと地っていいだろう。

ペースを握りながらも最後の最後で得点に繋げられなかったのは残念ではあったが。

逆にアーセナルはアントニーに得点を許し、このゴールに関しては守備陣のポジショニングがあまりよくなかった。ただ、まだ追いつける、勝負になるという感覚はあった。

実際に、チャンスを逃し続け、少し時間はかかった(特にウーデゴールは得点すべきだった)ものの、ウーデゴールのパスからジェズスが相手DFを抑え込み、ボールが流れた所をサカが得点し、スコアは1-1となった。

だが、そこからアーセナルはボール保持時に少し自信と余裕を持ちすぎてしまったのか、ボールを失ったところから、フェルナンデスの素晴らしいパスがラッシュフォードへと繋がりまた失点してしまった。

これに関しては、やはり少しチーム全体の経験不足の影響はあったかもしれない。また、ここから学び、サリバはもう少し慎重に後ろに下がるようなプレイを見せるようになるかもしれない。ベン・ホワイトはもう少しでスーパーブロックとなる所だったが、ボールはゴールに収まってしまった。

試合後アルテタは、3人同時交代がチームをよりオープンにしたとは思わない、とコメントしていたが、これに関しては私としては賛同しかねる。

一気にメンバーを代えたことでチームがそれになれるまでに少しだけ時間がかかってしまい、ユナイテッドはその隙を突いた。サリバは左につり出され、エリクセンはオンサイドの位置から駆け出したが、本来ここはMFがカバーしているべきエリアだった。

またしてもラッシュフォードが決め、またしてもホワイトの戻りは一歩届かなかった。

監督の試合の見方というのは非常に興味深い。

土曜日のマージーサイドダービーを見ていた時には、リバプールがエヴァートンを圧倒していたが、クロップがサイドバックを交代した途端にその勢いは止まってしまったように私には見えた。

もちろんあの状況でアルテタが何かを変えようと動くのは理解できるが、それまでのアーセナルのパフォーマンスは非常に良かったし、3枚の交代というのは少し劇的な変化過ぎるようには思えた。これまでアルテタがどちらかというと交代には慎重な傾向にあったことを考えればなおさらだ。

だがこれによって、ついにファビオ・ビエイラがデビューを果たし、15分程度しかプレイ時間はなかったものの良い印象を残した。彼はスピードもありそうだし、何本かシュートを放ち、マルティネッリへのパスはあと一歩で試合を変える所だった。

アーセナルが常に攻撃的にプレイし、オールトラフォードでも試合をコントロールできたのは収穫といっていいだろうが、一方で、マンチェスターユナイテッドのように、カウンターを狙うチーム相手にどう対処するかは今のチームの今後の課題と言っていいだろう。もうすぐスパーズ戦が控えていることを考えると、アーセナルはかなり早くこの対応策を見出さなくてはならない。

最終的にはアーセナルは16本のシュートを放ったが枠内シュートは3本のみで、ボール保持率の高さを活かせなかった。

試合後、アルテタは以下のようにコメントした。

大きな教訓を学んだね。この場所で勝利するためにはすべてが完璧でなくてはならない。我々が創出したチャンスを考えれば、もっと得点すべきだった。

もう今更どうしようもないことだが、アルテタが今回の夏の移籍市場で『更なる火力』を求めていたのも理解できる。とはいえ、まだまだ現有戦力の選手たちから力を引き出せるはずだし、彼らはもっとやれるはずだ。

結果的には、やはり最初のマルティネッリのゴールが認められていれば、また違った試合展開になっただろうと思わざるを得ない。攻守両面でアーセナルは課題もあったが、全体的にはパフォーマンスはポジティブなものだった。

とはいえ、アーセナルはシーズンのどこかで敗戦を経験するのは当たり前ではあるし、見覚えのある形でオールドトラフォードにてユナイテッド相手に敗れるのは少しトラウマを呼び起こすが、アーセナルに出来ることは素早く教訓を学ぶことだけだ。

この敗戦に同チームがリアクションするかで、今季のアーセナルの実力がどの程度なのか、より正確に見えてくるのではないだろうか。

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Posted by gern3137