アーセナル スタッツ表彰式 2021/22

スタッツ・戦術

移籍市場も盛り上がり、そろそろ2022/23シーズンに向けてチームがスタートを切る、という時期なので、若干変なタイミングとなってしまいましたが、そういえば昨季の振り返り的なものをやっていなかったので、ここらあたりでスタッツから21/22シーズンの選手の活躍を振り返ってみようと思います。

スタッツは全てFBrefのもの、かつ90分当たりの数字で、極端に出場分数が短い選手は除外してあります。

得点・チャンス創出関連

最多シュート: エンケティア 3.02
最多xG(得点期待値): エンケティア 0.49
最多実得点-xG(≒決定力 どれだけxGを上回って得点を決めたか): スミスロウ 0.2
最多xA(アシスト期待値): ウーデゴール 0.22
最多キーパス(シュートに繋がったパス): ウーデゴール 2.46本
最多シュート創出アクション: ウーデゴール 4.33回
最多ゴール創出アクション(シュート創出アクションのうち実際の得点に繋がったもの): マルティネッリ 0.53

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得点面のスタッツが最も優秀だったのはエンケティア、チャンス創出に関してはウーデゴール、そしてチャンスの量・質を上回って決定力を発揮したのはスミスロウ、と大体想像通りの結果となりました。実際に得点に繋がっているチャンス創出ではウーデゴールをマルティネッリが上回っているというのは少し興味深いですね。

また、トップのみなので上には表れていませんが、ブカヨ・サカが得点・チャンス創出両方で常に2番手あたりにつけており、流石の万能性を見せています。

出場試合数がそこまで多くないため、何かを結論付けるのは難しいですが、今季出場機会を得た期間に限ってみれば、PKなしでエンケティアの90分当たりのxG0.49というのはロナウド、マネ、ヴァーディ、ソン、ケイン、サラーといったプレミアリーグの名だたるFWたちとほぼ同水準ですし、同じく得点を量産するストライカーの一つの指標となる、シュート一本当たりのxG(この値が高ければ高いほど、良いチャンスでのシュートが多いことを意味する)も0.17とリーグ13位の高水準を残しており、昨季後半に限って言えば、プレミアリーグトップクラスのストライカーと同程度の数字を残しました。

この調子を来季以降に持ち越すことが出来れば、アーセナルのエースストライカーの座も夢ではないかもしれません。

パス・ボール前進関連

最大パス成功数&成功率: エルネニー 57.6本・93.5%
パスによるボール前進(フィールドプレイヤー): ガブリエル 295ヤード
ファイナルサードへのパス数: ジャカ 6.18本
ペナルティエリア内へのパス数: ウーデゴール 2.1本
ロングボール成功数(フィールドプレイヤー: ロコンガ 7.22本
ドリブルによるボール前進: ロコンガ 166ヤード
プログレッシブキャリー数: サカ 7.92回
ドリブルによるファイナルサード侵入: スミスロウ 2.54回

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CBでは、一発のパスがあるホワイトがボールを前に進めている印象が強いですが、実は総合距離で見ると、僅差でガブリエルが上回っていました(ホワイトは294ヤードなのでほぼ同じ数字)。

また、そこまで出場機会を得られず、守備に関する不安を露呈したりと昨季はあまり活躍した印象のないサンビ・ロコンガですが、実際は出場した試合ではボール前進関連の数字だけ見ればアーセナルのMFとしては非常に高い水準のスタッツを残しています。

アルテタはロコンガをパーティの後継者、アンカーとして見ているといった話もありましたが、今後の成長に期待したいとともに、来季の選手の起用可能状況によっては、ジャカのように、もう一列前での起用も面白いかもしれません。

ジャカに関して言えば、相変わらずパス数、パスによるボール前進などは高い水準であるものの、これらのスタッツは以前までであればジャカが他を引き離して圧倒してきた分野でもあり、チーム全体として、ボール前進のジャカへの依存度合いが少しずつ減少していることが窺えます。

守備

最多タックル: パーティ 1.82回
最多インターセプト: ホワイト 2.06回
最多クリア: ホールディング 5.32回
最多シュートブロック: ホールディング1.91回
ドリブルストップ率: ティアニー 71.4% (ドリブル突破されたのはシーズン通して4回のみ)
最多空中戦勝利: 冨安健洋 3.05回
最多ボール回収: 冨安健洋 10.5回
最多プレス: エンケティア 19.1回

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そもそも相手にパスを出させない、タックルしなければならないような状況に追い込まれない、というのが重要となる守備においては、実際に起こった事象のみを計測するイベントデータのスタッツで評価するのは少し難しい所ではありますが、やはりシーズン終盤活躍を見せたホールディング、そして冨安健洋の守備力の高さが光ります。

プレスに関しては、エンケティア、ラカゼット、ウーデゴールの3人はほぼ同水準でした。

また、GKに関してはチームメイトの比較が難しいため、リーグの他のGKと比較すると、ラムズデールはセーブ率は72.1%でリーグ8位と中々の水準であった一方で、xGベースで見る得点阻止数は90分当たり-0.13(平均的なGKと比べて、90分当たり0.13点失点が多い計算)とかなり低めの数字でした。スーパーセーブも多い印象だったのでこれはかなり意外ですね。

一方で、90分当たりのペナルティエリア外でのボールカット数は1.03とリーグ5位の高い数字を残しています。

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Posted by gern3137