アーセナルの敗戦の傾向とその原因に関して

語ってみたTim Stillman,海外記事

アーセナルの試合の敗れ方には一定の傾向がある。

もちろん、良い負け方なるものが存在しているわけではないし、試合に負けるときには何かしらの理由がある。

アーセナルは今季リーグで12敗を喫しているが、そのうちの5つで3失点以上しており、かつブレントフォード戦とエヴァートン戦の敗北は、点差はともかく、壊滅的なありさまだった。

加えて、マンチェスター・シティ戦のホームでの敗戦はサプライズというわけではなかったが、内容的には勝利で来ていてもおかしくない展開だったが、重要な場面でレッドカードをもらい、それが崩壊につながってしまった。

一方で、四月のブライトンとサウサンプトン相手の敗戦は特にドラマチックな要素はなく、単純にアーセナルのパフォーマンスがよくなく、どちらに転んでもおかしくなかった試合が相手に転んだ、という試合だった。

もちろん、それはアーセナルの勝利のうちのいくつかにも言える。どちらに転んでもおかしくなかった試合でギリギリアーセナルが勝利を収め試合もいくつかあった。

そして、これこそが、今季のアーセナルに退場者が多く、一度流れを崩してしまうと一気にチームが崩壊してしまう大きな原因の一つではないだろうか。

アーセナルには安定した得点源となれるストライカーがおらず、全ての試合できわどい勝負を強いられているのだ。

今季アーセナルが3点以上の差をつけて勝利した試合はリーズ、ノリッジ、サウサンプトン相手の3試合しかない。しかも、これらは全て12月の試合だ。

今季を通してアーセナルは神経を使う試合を強いられており、選手たちの精神面も消耗しているに違いない。直近の試合で分かった通り、それが綻びへと繋がってしまう。

確かにポール・ティアニーの判定は少々厳しかったかもしれないが、我々は皆ソンフンミンがダークアートの使い手で、判定を味方につけることが出来るタイプの選手だと知っていたはずだ。セドリックとホールディングはそれにまんまとやられてしまった。

今季のアーセナルはレッドカードが多く、アーセナルと同じ数(4)のレッドカードをもらっているのは残留争いに参戦しているエヴァートンだけだ。

シティ戦でのグラニト・ジャカの退場は試合の大勢には影響を与えなかったかもしれないが、次のシティ戦でのガブリエルのレッドカードと、トッテナム戦でのホールディングの退場はどちらも失点直後に起こったものだった。

この二つの退場はタイプが似ており、どちらも自身の持ち場を離れながら相手のFWに対処に行ったところが冷静さを欠いて荒い当たり方になってしまい、重要な勝ち点を失うことに繋がった。

マルティネッリのウルブズ戦での退場は非常に厳しい判定だったとは思うが、完全に不要なものではあった。

アーセナルの退場の多さは若さの表れだという人もいるかもしれないが、マルティネッリを除けば、今季4度の退場にはそこまで若手が関わっているわけではない。

オールドトラフォードやグディソンパークでの試合など、アーセナルは試合のコントロールを喪失してしまうことが多く、クリスタルパレス戦もそうだった。

アーセナルのプランが失敗するとき、それは派手に失敗してしまうことが多い。

これは、どちらかというと経験不足の問題というよりも、単純にチームのクオリティの問題なのではないかと思う。

セドリック・ソアレスはもうすぐ31歳になるが、安定感のなさという意味では若手のヌノ・タヴァレスとあまり変わりがない。

トッテナム戦で26歳のホールディングはまるでデビューしたてのCBのようなプレイを見せた。

加えて、今季のアーセナルは一度敗戦すると、それが何試合か続く傾向にある。チームは既に2度の3連敗を喫している。

だが、シーズンの最後にもこれを繰り返してしまえばアーセナルの最終順位は5位になるだろう。

アーセナルは逆境により素早く対処する術を学ばなくてはならない。サカやスミスロウが我を失うことはほとんどないし、これが若手が多いことと関係があるようには思えない。

もちろん、過去に逆境を乗り越えた経験がある選手は、今のアーセナルが置かれたようなプレッシャーのかかる状況を乗り越える上でそれが役に立つだろうが。

恐らく、アーセナルが時折試合のコントロールを失ってしまうのは、単純にチームのクオリティ、選手層が足りず、その状況で何とか苦境を乗り越えようとするがゆえに、どこかで足りない部分が出てしまうのだろう。

このような状況下ではアルテタも非常に難しい決断を下さなければならなくなるし、そういった場面で全て正解するのは非常に難しいという点も関係があるはずだ。

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Posted by gern3137