続くアーセナルのキャプテンの呪い

分析海外記事

アーセナルのキャプテンだったピエール=エメリク・オーバメヤンがキャプテンをはく奪され、その後数か月で退団となったが、今やアーセナルのキャプテンの呪いとも呼ばれる現象は、当時のアーセナルのキャプテンだったパトリック・ヴィエラが2005年にアーセナルを去った時から始まった。

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その後キャプテンになったのはティエリ・アンリで、確かに彼は多く得点を決めていたが、この頃には彼は非常に自信家で、以前より愛すのが難しいキャラクターになっていた。その後、彼はチャンピオンズリーグでアーセナルを決勝まで導いたもののクラブを去り、今も謎の理由で何故かキャプテンマークはウィリアム・ギャラスに渡されることとなった。

彼は悪いキャプテンの見本のような選手で、イェンス・レーマンも彼がキャプテンになったとは信じられなかったと話していたが、それはファンも同じだった。

ギャラスはキャプテンを1季務めただけでバーミンガム戦での一人座り込み抗議などもあり、キャプテンをはく奪され、フリーでトッテナムへと移籍することになった。

その後、キャプテンはセスク・ファブレガスが務めたが、これは悪く無いチョイスではあった。だが、彼は3年キャプテンを任され、ストライキは起こさなかったものの、彼もまたバルセロナへと去ることとなった。

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その後、キャプテンマークはロビン・ファンペルシーへと受け継がれ、キャプテン就任前は怪我が続いていた彼がこれをきっかけについにシーズンを通してコンディションを維持することに成功したが、その後マンチェスター・ユナイテッドへと移籍してしまう。

恐らくパフォーマンス面で最もキャプテン就任前後の差が激しかったのがその次のキャプテン、トマス・ヴェルマーレンだろう。

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彼はキャプテン就任前は素晴らしい選手だったが、その後調子を落とし、結局60試合しかキャプテンとしての試合出場はなく、彼もまたすぐにバルセロナに移籍することとなった。その後バルセロナでも平均出場時間は1試合当たり55分に留まってしまった。

そして、その後キャプテンを務めたのが現監督ミケル・アルテタで、人格的には素晴らしい人選に思われたが、彼もまた、ほとんどプレイしないキャプテンということになってしまった。

彼はキャプテン就任後怪我に悩まされ、かなり早くの引退となった。アーセナルのキャプテンとしての最後のシーズンは、416分しかプレイすることが出来なかった。

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(訳注: この間にメルテザッカーもいます)

その後、ついにローラン・コシェルニーがアーセナルのキャプテンに就任した際は、ファンも満場一致で相応しいという意見だったし、ついにキャプテンの呪いは終わるかに見えた。

・・・もちろん、そうはならなかったわけだが。彼は3シーズンキャプテンを務めたが、怪我でW杯を逃したりなどもあったのちに、彼はアーセナルから移籍するためにプレシーズンツアーへの帯同拒否という行為に打って出た。

そして、もしウナイ・エメリが"5人のキャプテン"制を導入すればキャプテンの呪いを解消できるかと考えたのだとすれば、その見通しは甘かったことになる。

むしろ、更に状況は悪化したと言ってもいい。そもそも夏の終わりの時点でエメリが任命した5人のキャプテンのうちエジルとジャカの2人しかクラブに残っておらず、そしてジャカに何が起きたかは今更語るまでもないだろう。

もちろん、これらは実際には"呪い"などではなく、むしろクラブ全体の体制を象徴していると言った方が正確だろう。

この14年間で3人のキャプテンがストライキを行い、2人が資格をはく奪されるというのは尋常ではないが、アーセナル加入前の評判を考えると、この流れをオーバメヤンに変えてくれるよう願うのは、少々難しすぎるタスクだったかもしれない。

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一言コメント:

こうして改めて並べてみると、確かにアーセナルのキャプテンは規律を乱したり、ライバルクラブへの移籍を志願する、あるいは怪我などで出場機会が大きく減る、というパターンの割合が非常に多いですね。オーバメヤンはここまでの所、その流れを変えてくれそうだっただけに残念ではあります。

ラカゼットの去就が不透明で、かつジャカは以前にキャプテンはく奪の経緯があることもあって、来季はティアニーやラムズデール、ウーデゴールやベン・ホワイトといった比較的若い選手のキャプテン就任可能性も高そうなので、そろそろ長く安定してアーセナルのキャプテンを務めてくれる選手が現れて欲しいものです。

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Posted by gern3137