アーセナルは冬にプランBのストライカーを獲得すべきか
まず、現状のアーセナルのストライカーの状況をおさらいしてみよう。
アレクサンドル・ラカゼット
起用可能。6月末で契約満了。契約延長がオファーされているという報道もあったが、今の所交渉に進展は見られていないようだ。
プレミアリーグで:
16試合3得点3アシスト(アシストにはPK獲得も含んでいる)
シュート15本
枠内シュート8本
956分出場
全コンペティション:
5ゴール4アシスト
エディー・エンケティア
起用可能。6月末で契約満了。アルテタは公の場で彼をクラブに留めたいとコメントしているが、報道によると、エンケティア側は契約延長オファーを拒絶。
プレミアリーグで:
4試合0得点0アシスト
先発はなし。
シュート1本
51分出場
全コンペティション:
5ゴール
シュート11本(得点は全てリーグ杯でのもの。ただし、リバプール相手の二試合ではシュートなし)
ピエール=エメリク・オーバメヤン
規律違反以降メンバー外となっている。最後の出場は12/6のエヴァートン戦。2023年6月で契約満了。
プレミアリーグで:
14試合4ゴール1アシスト
シュート33本
1040分出場
全コンペティション:
7ゴール
これらから分かることはいくつかあるが、まず第一に基本的なことだが、アーセナルの攻撃陣でシュート数が最も多いのはオーバメヤンだった(プレミアリーグの出場分数はオーバメヤンとラカゼットはほぼ同じだ)。
ただし、オーバメヤンが最後にプレミアリーグで得点を挙げたのは10/22のアストン・ヴィラ戦で、彼がメンバーを外れて以降もアーセナルはセインツ相手に3-0、ウエストハム相手に2-0、ノリッジ相手の5-0、リーズ相手の4-1での勝利、そしてマンチェスター・シティ相手の1-2での敗戦と得点を挙げられている。
この期間中の得点者の内訳は以下の通りだ。
サカ: 4
マルティネッリ: 3
スミスロウ: 3
ラカゼット: 2
ウーデゴール: 1
ティアニー: 1
ガブリエル: 1
ラカゼットのシュート数が際立って少ないのは今季の彼のプレイスタイルの象徴でもあり、これは効果的に機能することも多いが、それでもやはり最前線はどうしても手薄になり、ペナルティエリア内で存在感を放てる選手がいなくなってしまっている。
エディーに関しては、出場機会は限られているものの、今の所途中出場から得点をもたらしてくれるだろうと感じさせてくれる場面は非常に少ない。
また、数字に頼らずとも、アーセナルの最前線が問題を抱えており、ストライカーの補強が必要なのは今季の試合を観ていればわかる。
移籍市場はあと6日で閉まるが、ヴラホヴィッチ獲得のチャレンジは失敗に終わったように見え、ユベントス移籍の話も上がり、これ以上トライしても時間の無駄だろう。
ここで問題となるのがここからアーセナルはどうすべきかだ。他のFWのターゲットがいるのは間違いないが、彼らは冬に獲得可能だろうか?
候補の一人とみられるのがレアル・ソシエダのアレクサンダー・イサクで、彼は70m£超えの契約解除条項があると報じられており、満額を支払えば獲得可能のはずだが、今季の彼の数字は素晴らしいとは言えない。
もちろんポテンシャルも評価したうえで移籍金は支払うべきだが、彼がこの金額を支払うだけの選手なのかは自信が持てない。
もちろん満額を支払わずとも、より安い額で獲得できる交渉の余地はあるかもしれないが、現在ソシエダはCL出場権内まで勝ち点2の所につけており、この売却は今季のチームにとって損失が大きすぎると判断するかもしれない。
ただ、先日アースキャストでジェームズが語った通り、オーバメヤンがチームに復帰する可能性は限りなく低く見え、かつラカゼットとエンケティアも退団が濃厚なのであればこの冬と次の夏にアーセナルは2人以上のストライカーを獲得する必要があるのではないか、というのは興味深い点だ。
ローンに出ているバログンがおり、かつマルティネッリが中央でプレイできる可能性もあるが、特にアーセナルが来季欧州コンペティション出場権を得られるのであれば、どう考えてもそれでは足りない。
したがって、もしアーセナルがこの冬最優先ターゲットのストライカーを獲得できないとしても、代わりに中堅レベルで来季以降は控えを務められるレベルのFWを獲得する余地はあるだろうか?
ファンが夢見るようなスター選手ではないかもしれないが、そのような選手の補強もチームにとってプラスになるだろうし、現状のストライカーにないものをもたらせる選手はいるはずだ。
このような補強を行えば、アーセナルは第一ストライカーを妥協することなく、今季のチームを強化することができる。
アーセナルのストライカー補強はかなり緊急性が高いのは事実だが、それでもクラブは大金を支払って妥協した選手を獲得する賭けに出るべきではない。こういったタイプの補強はほとんどうまくいかないし、監督がチームで起用したくもないが、売却も難しい選手を抱えるのはチームにとって重荷となってしまう。
この冬控えストライカーの獲得、あるいはローンでの短期的な獲得に留めれば、金銭面でのリスクは少なく、夏に本当に望む選手の獲得のリソースを残すことが出来るだろう。
既にアーセナルの第一ターゲットではなさそうなストライカーの名前も上がり始めており、クラブはこのようなタイプの獲得も考慮しているのかもしれない。
このままでもヨーロッパリーグ出場圏内には入れるかもしれないが、今季4位以内に入るためには、冬の前線の補強が必要だろう。
バーンリー戦のような試合でチャンスを決め切れる選手がいるかどうかが、タイトな試合での勝ち点1と3の大きな違いになるかもしれないのだから。
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