アーセナルのスカッドの層の厚さ/薄さに関して 後編

分析Tim Stillman,海外記事

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当然ながら、若手をローテーション要員としてチームに揃えることのデメリットには、実際に出場機会が訪れた際にはスタメンの選手とのクオリティの差だけではなく、経験の差も考慮しないという点はある。

加えて、ヨーロッパのどのクラブも、ベンチ全員に選手を供給できるようなユースアカデミーを備えてはいない。

したがって、ホールディングやパブロ・マリ、エルネニーのような選手たちも必要なのだ。

むしろ今のアーセナルのローテーション要員となっている選手たちに関して問題なのは本来はローテーション要員となる予定ではなかったにもかかわらず、その座に甘んじてしまっている選手が多いという点だろう。

獲得の経緯から見て、ホールディングやエルネニーとは違い、チェンバースやコラシナツ、ペペといった選手たちは本来は先発を任されるために獲得されてきたはずだ。だが、色々な理由からアルテタの要求水準を満たしていないと判断され、ファーストイレブンには食い込めなくなってしまった。

また、控え選手に関してはアルテタが経験不足を露呈する場面もあり。彼は何人かの選手を長くチームに留めすぎ、売り時を逃してしまうこともあった。

メイトランド=ナイルズはもう少し前に放出の決断を下せたはずだし、エンケティアに関してはチームに留めるのか、移籍金のために売却するのか、確固たる結論が出ないままフリー移籍が目前となっている。

そして、チェンバースは昨季はファーストチームの一員に見えたが、今季は急速に序列を落としてしまった。

もちろん冨安の獲得が大きくものをいったのは間違いないが、もしどちらにせよ他に第一候補の右サイドバックを獲得するつもりがあるのであれば、昨夏、チェンバースの右サイドバックとしての評判がまだそれなりに高いうちに売却してしまうべきだった。

もし今季序盤の3試合でチェンバースを完全にメンバーから外す決断を下せるのであれば、そもそも当初から彼のクオリティには絶対的な自信を持っていなかったということだろう。

そして、これに関しては、テクニカルディレクターがもう少し強い発言権を与えられるべきかもしれない。『もしこの選手がチームにとって不可欠だと納得させられないなら彼らは移籍の対象だ』というアプローチは少々極端すぎるかもしれないが、今よりはもう少しこちら側に寄せても良いだろう。

エンケティアの売却に成功していれば、ヴラホヴィッチ(あるいは他のターゲット)獲得の予算はもう少し確保できていたかもしれない。

だが実際には、エンケティアとラカゼットは恐らくフリーでクラブを去る。アルテタとエドゥはいかにしてジョー・ウィロックの売却がウーデゴール獲得の資金をねん出したかからインスピレーションを得るべきだ。

これこそが賢いローテーション要員の入れ替えの仕方というもので、本来彼らは移籍を望んで当然なのだ。選手たちが出場機会がない状態がずっと満足しているという状況はあまり理想的ではない。

もちろん夏の獲得は概ね素晴らしく、これに関してアルテタとエドゥはほめたたえられるべきで、ストライカーとMFという次のチームの主力の獲得をうまくやることが最も重要だが、それだけではなく、その控えとなる選手たちの補強も彼らはスマートに行う必要がある。

現在アーセナルが抱えているローテーション要員の選手たちの多くはじきに契約切れとなり、移籍が近づいている。時折のカップ戦の出場に満足するのではなく、レギュラーの座に挑戦できる可能性がある絶妙なラインの選手を控えとして獲得できるかどうかは非常に繊細なビジネスになるだろう。

今季は欧州コンペティションがないことで、控え選手のクオリティを保つのはより難しくなっているが、来季アーセナルがCL出場権を獲得できれば、状況は変わってくる。

アーセナルがエンケティアやチェンバース、コラシナツ、エルネニー、メイトランド=ナイルズ、そしてマリやペペすらもここに含まれるかもしれないが、彼らの代わりにどのような控え選手を獲得するかは、アーセナルが野望を達成するにおいては最重要ではないかもしれないが、非常に興味深い課題の一つだ。

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Posted by gern3137