データグラフィックで見るエミール・スミスロウ シュート&ドリブル編

分析crabstats,海外記事

エミール・スミスロウは今季のアーセナルにおいて重要な選手となっており、非常に良いプレイを見せているが、スタッツでは、そこまで飛びぬけて優れているようには見えない。

今回はスミスロウのスタッツが示すものをより詳細に分析していきたいと思う。

まず、5大リーグの選手たちのそれぞれのスタッツにおける分布を示す図で見ると、基本的にはスミスロウは真ん中あたりから、スタッツによっては中の上くらいの位置にいるのがわかると思う。

このスタイルのグラフは分析したい選手の位置だけではなく、他の選手の全体像もつかみやすい。

また、最近私が一般的なレーダーグラフの弱点を克服するために採用しているのが、スタッツのカテゴリーごとに、いくつかのグラフを並べるという方法だ。これは、特定の選手が本当に得意とするプレイを掴むうえで有用だ。

では、これらをより細かく分解し、シュート、ドリブル、パス、守備それぞれの観点から見ていこう。

シュート

今季一番目立っているのがスミスロウのシュートのスキルだ。そしてこれは攻撃的MFにとって最も重要な能力の一つでもある。今季彼のシュート関連のスタッツは非常に際立っている。

スミスロウのシュートマップ

今季スミスロウはシュートに適した位置に入り込める機会が増えており、彼のシュートのほとんどは中央のゴールエリアの幅より中から打たれたものだ。

ここまでスミスロウは8得点を挙げており、アーセナルのチーム内得点王であるだけでなく、プレミアリーグでも4位につけている。

これに関して素晴らしいのは彼が
①自分で良いシュートを打つためのスペースを作り出せる
②そしてそこで実際にシュートまでもっていける
③それらのシュートを決めることが出来る
ということだろう。

スミスロウが挙げる得点は重要な場面での得点も多く、今の得点率を長期的に維持するのは難しいかもしれないが、現在のPKを除いて90分当たり0.6点という数字は欧州5大リーグトップレベルだ。

90分当たりの実得点

流石にスミスロウが今後も全シュート中32%、枠内シュートの半分以上を得点に変え続けるというのを期待するのは難しいだろうが、ここまで彼のもたらす得点がアーセナルにを大いに助けてきたことは間違いない。

もし今後スミスロウの得点がxGと同程度に収束していくとしても(シュート数が少なく、サンプルサイズが小さすぎるため、ここからスミスロウの決定力についてを知ることは不可能だが、サッカー界に今のスミスロウほどxGを上回るペースを長期にわたって維持できた選手は存在しない)、攻撃的MFとしては十分なほどの得点数にはなるはずだ。

90分当たりのxG

実得点の時のグラフと比べて、xGで見ると、そこまで際立って上位にいるわけではないが、それでも欧州上位30%には入る水準だ。

また、シュート数に関してもスミスロウは今後に向けて期待が持てる水準をキープしている。

現在のスミスロウは90分当たり平均して1.87本のシュートを放っており、これは昨年の0.81から大きく上昇している。チャンピオンシップにローンに出ていた時期は、90分当たり2.14本を記録していた。

最終的に90分当たり2本程度のシュート数に落ち着き、今のシュート精度もある程度維持できれば得点数も素晴らしいものになるだろう。

もう1,2シーズン見てみないことにはわからないが、ここまでのスミスロウのプレイと成長の軌跡を見るに、これは特に無茶な要求水準ではないはずだ。

ドリブル

今季のスミスロウは、ドリブルとボール前進に関しても、一歩上のレベルへの階段を上ったといって良いだろう。

昨季は90分×16中29度ドリブルにトライして成功は7度、成功率は24%だったが、今季はまだ90分×13.4しかプレイしていないながら、成功ドリブル数は23と昨季を大きく上回っている(企図数は36・成功率は64%)。

一試合当たりのドリブル突破にチャレンジする回数自体が1.5倍に増えており、なんと成功率に至っては3倍になっている。

これと比べればそこまででもないようにも感じられてしまうが、プログレッシブキャリー数も昨季の90分当たり5回から今季は6.5回へと上昇しており、一試合当たりのドリブルによるボール前進距離も20ヤードほど増えている。

(後編に続きます)
source(当該サイトの許可を得て翻訳しています):

スコットさんのツイッター


アーセナルタイムズの方ではアレクサンダー・イサクの紹介記事も配信しておりますのでもしよかったらどうぞ!

ニュースレターへの無料登録はこちら!

関連記事(広告含む)

Posted by gern3137