アーセナルのキャプテンを巡る問題

分析海外記事

土曜の試合でアーセナルはサウサンプトン相手に勝利を収めたが、残念なことに、先週末一番のビッグニュースでは試合結果ではなかった。

アーセナルのキャプテンであるピエール=エメリク・オーバメヤンが規律違反でメンバーを外れたのだ。これは今年二度目のことで、憂慮すべき事態だ。

前回はノースロンドンダービーだったが、ミケル・アルテタは監督就任以降、彼の期待に沿えない選手を罰することにはためらいがない所を示している。しかも二度目となれば、いくつかの疑念が持ち上がるのも当然だろう。

もともとオーバメヤンのリーダーシップはファンや解説者から疑問を呈されてきた。彼の振る舞い方は、例えばリバプールのジョーダン・ヘンダーソンのような妥協なきキャプテン像からはかけ離れている。

ジャカがキャプテンをはく奪となったのを受けて以降アーセナルでキャプテンを務めているが、オーバメヤンはファンがイメージするような典型的なキャプテンではない。

とはいえ、一度任命したキャプテンからそれを突然はく奪するのは簡単なことではない。典型的なリーダーではないとはいえ、オーバメヤンはチームメイトから慕われているし、キャプテンはく奪はチームに予想もしないネガティブな影響を与える可能性もある。

ファンからすれば『アルテタはオーバメヤンではない誰かをキャプテンに任命せよ!』と主張するのは簡単だが、監督からすれば事情はそこまで単純ではないだろう。

そして、その際に最大の問題となるのは、オーバメヤンからキャプテンの地位をはく奪するのであれば、誰に渡すべきなのかという点だ。

伝統的にキャプテンはベテラン選手が務めることが多いが、今のアーセナルは若い選手が非常に多い。

多くの選手からリーダーと見られているとよく名前が挙がるのがラカゼットで、実際にオーバメヤンがピッチにいない際にはキャプテンマークもつけるが、彼はアーセナルでの残り契約が6か月となっており、契約延長の兆しはない。

アルテタがキャプテンを変更するなら、クラブにもう少し長く残ってくれる人材を選びたいはずだ。

他にベテラン選手と言えばジャカとパーティが居るが、ジャカは既にかつてキャプテンでありながら一度はく奪されているし、一方でパーティはここまでの所若手を引っ張れるクオリティがあるという所を全く見せていない。

これにより、監督の決断はかなり難しくなるだろう。

アーセナルファンに聞けば恐らく一番多く答えとして名前が挙がるのはキーラン・ティアニーで、確かに年齢はまだ若いが、彼はリーダーシップを持っているように見える。

彼が今のチームで最もヘンダーソンのような伝統的なキャプテン像に近い選手でもあるだろうが、他に候補に入ってきそうな

選手としてはガブリエル、ウーデゴール、ラムズデールあたりもいる。

ガブリエルは現在のチームに最も欠かせない選手の一人となっており、英語力もかなり向上している。最終ラインを率いる存在であり、伝統的にCBはキャプテンを任せられやすいポジションでもある。ただし、将来的にはキャプテンの器だとは思うものの、今すぐにというのは少し早いかもしれない。

チーム内ではガブリエルよりは少し静かかもしれないが、ウーデゴールもティアニーと同じく、試合中にチームを引っ張る姿勢を見せているし、ノルウェー代表でのキャプテンを務めているので既にキャプテン経験もある。

懸念としては、彼はまだアーセナル在籍歴が短く、今の所ロッカールームでどのような存在なのかがそこまでわからない点だろうか。

ラムズデールはキャプテンとして悪く無いチョイスのはずだ。まだ8月にクラブに加わったばかりだが、既に大声でチームを引っ張る守備陣のリーダー的存在で、チーム全体のリーダーにもなれるのではないだろうか。

このように、アーセナルには何人かキャプテンが務められそうな選手はいる。しかし、キャプテン変更がチーム内での力関係や構造に対して与える影響がどのようなものになるか、ファンには十分に把握できない。

近いうちにミケル・アルテタがこの件にどう対応するのか明らかになるはずで、彼がクラブにとって最良の選択を下してくれることを願おう。

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Posted by gern3137