オーバメヤンは衰えてしまったのか?

考察海外記事

先週末のアンフィールドでの試合は、メンバーは新しいアーセナルだったとはいえ、いくつかのアーセナルがいつも抱えている課題を思い起こさせた。

現在のアーセナルのチームで唯一"新しくない"と言えるエリアが攻撃陣だ。ラカゼット、オーバメヤン、アルテタの3人はアルテタが監督就任時に既にチームに在籍していた選手で、もしアルテタが自由に攻撃陣を構成する選手を選べたのであれば、この3人を選択するかどうかは疑わしい、とずっと感じられてきた。

リバプール戦でも、オーバメヤンとラカゼットはまたしてもチームから孤立させて対応することが容易であると示されてしまった。

アルテタが彼らをペアとして起用していること自体がそもそも、2人のうちどちらもワントップに必要な能力を備えていないと認めているようなものだろう。

基本的にはワントップの場合はオーバメヤンがラカゼットより好まれることが多く、それは彼の方が得点力が高いからだ。ポストプレイ能力よりもストライカーにとっては点を決めることが重要なので仕方がない。

昨季はオーバメヤンにとってアーセナルでのキャリアワーストといっても1年となり、オープンプレイから8点しか決められなかった。いくつか彼のコントロールの及ばない事象の影響も受けたとはいえ、これにより、オーバメヤンはかつてのような得点力を見せられないのではないかという声が上がるのも当然だ。

今季は昨季よりもフィジカル面で良い数字を残しており、奮闘しているようには見えるが、今のアーセナルはまだ得点を挙げるのに非常に苦労しているチームで、得失点差もマイナス4だ。

オーバメヤンがどのような選手かを我々は既によく知っている。ペナルティボックス内で最も輝き、ボックス内での動きの素晴らしさが他の選手との違いだ。

今のアーセナルが十分に、かつ容易にボックスにボールを運べているとは言えないが、今のアーセナルの攻撃の不調は、オーバメヤンが原因なのだろうか?それとも彼はチームの攻撃の不調の犠牲者なのだろうか?

オーバメヤンのパフォーマンスは多くのファンが指摘する通り、衰えてしまったのだろうか?

今季オーバメヤンは11試合878分出場で4得点だ。これは1ゴールあたり219分という数字で、この期間中のxGは4.4だが、そのかなりを2度のPKが占めている。

PKを除いたxGはほぼ900分で2.8しかなく、これは彼が今季センターフォワードとしてプレイすることを考えると良いものだとは言えない。

シーズン得点xG得点/90非PK-xG/90xG/90
2017-189100.850.770.77
2018-192220.10.730.590.67
2019-202215.80.630.570.45
2020-211010.60,390.310.41
2021-2244.40.410.410.45

上の表からまず一目でわかるのは、恐らくストライカーとしては、アルテタよりもエメリの下で、そしてエメリの下よりもベンゲルの下でプレイしたほうが結果は残せるだろう、という点だ。

ストライカーの能力を示す非常に良い指標である90分当たりのxGは2018/19シーズンの終盤から下降しているが、まだまだサンプル数が少ないものの、今季は数字は若干上を向いている。

また、オーバメヤンが基本的にはxGと大きく変わらない程度の得点を挙げるレベルの決定力でキャリアを通してきているというのもわかる。

その唯一の例外が19/20シーズンで、この年xGは15.8だったが、彼はこれを大きく上回る22点を決めた。このシーズンから今季まで継続してそこまでぶれはなく、90分当たりのxGは0.4~0.45程度で一貫している。

理由はわからないが、19/20シーズンにxGを大きく上回る得点数を上げ、ほぼ独力でアーセナルをFA杯優勝へ導き、そして、3年の契約延長を勝ち取ったわけだ。

次に、xGではなく、オーバメヤンのシュートに関してより詳細にシーズンごとに見ていこう(数字は90分当たりのもの)。

シーズンシュート数枠内シュート数枠内シュート率
2017-182.391.3757.1%
2018-192.941.1238.2%
2019-202.591.1544.4%
2020-212.160.7333.9%
2021-222.451.1245.8%

またしても、基本的にはオーバメヤンのシュート数はそこまで変動がないことがわかる。

昨季はシュート数が減少しているものの、シュート数自体は他のチームメイトと比べてそこまで大きな減少幅ではない。ただし、枠内シュート率では、19/20シーズンが大きくxGを上回ったシーズンだったとすれば、20/21シーズンは非常に悪いシーズンだったというのが言えるだろう。

一応事情の説明を加えておくと、昨季オーバメヤンはシーズン前半はプレイメイカーなしでプレイしており、一報シーズン後半はコンディションの問題に苦しんでいた。

なので、今季は少し数字は回復傾向となっている(数字は90分当たりのもの)。

シーズンプレス回数
2017-1811.7
2018-1917.6
2019-2016.5
2020-2113.3
2021-2217.3

プレスに関しては、アーセン・ベンゲル時代のオーバメヤンに課せられた役割は今よりもはるかに少なかった、というのが目立つが、基本的にはこちらの数字もずっとソリッドなまま来ている。

昨季マラリアの後遺症と、スミスロウ不在時の孤立に苦しんだため数字が下がっているのを除けば、ずっと安定している。

今季は再びプレス数は元に戻っており、そこまで彼がフィジカル面で衰えているというわけではないはずだ。

8月末からプレミアリーグで全試合に先発しているが、実際に目で見ても、オーバメヤンは必死に走っているように見えるし、昨季よりもコンディションは良さそうだ。

そして最後に、アーセナル全体のチャンス創出の数字を見てみよう(数字は90分当たりのもの)。

シーズンシュート創出アクションキーパスファイナルサードへのパスボックス内へのパス
2017-1824.711.442.913.3
2018-1920.29.532.711.3
2019-2016.67.529.58.4
2020-2119.08.534.79.0
2021-2221.69.924.58.3

既に述べたが、FWにとってはアーセン・ベンゲル時代の方が結果は残しやすかったに違いない。

エメリに監督が代わり数字は明らかに下がっているし、そしてアルテタ監督就任後さらに劇的に下がり、翌年少し回復した後今季を迎えている。

これらを鑑みるに、オーバメヤンはフィジカル面で特に大きな衰えの兆候を見せているとは言えないし、逆にチーム全体のチャンス創出は減少している。

恐らく、全体の見え方に影響を与えているのは、アルテタ監督就任一年目にオーバメヤンが非常に好調だった点だろう。明らかにチャンス創出数が減っていたにもかかわらず、オーバメヤンはどんなチャンスも得点に変えることが出来た。

だが、それは一過性のものであり、逆に昨季は不調にも苦しんだ。

今季はオーバメヤンのスタッツは全体的に回復傾向にあり、私としては、まだオーバメヤンが大きく衰えてきているとは思えない。

少しだけチャンス創出に関してはチームは改善しているが、これが今後も続くかどうか様子を見なくてはならない。

もしチーム全体のチャンス創出量が良い水準にまで増加し、それでもなおオーバメヤンの得点が増えなければ、それは年齢による衰えが原因だと結論を下すことは出来るかもしれない。

ただ恐らくだが、それよりもむしろ、オーバメヤンがアルテタが将来のアーセナルにおいて本当に求めているタイプのストライカー像に完璧にはフィットしないタイプのように感じられることの方が、より大きな問題点のように感じられる。

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Posted by gern3137