二人のキャプテン
2人のかつてのアーセナルのキャプテンが監督としてチームを率いて激突することになった夜だったが、恐らくパトリック・ヴィエラの方が悔しく感じているだろう。だが内容に関しては、彼はそれなりに満足しているに違いない。
一方で、ミケル・アルテタのチームは良いスタートを活かすことが出来なかった。
最終的に同点に追い付きこそしたものの、アーセナルにはファンを不安にさせる要素が多く見られた。
アルテタはアタッカーを多く起用することを選び、ウーデゴール、スミスロウ、サカ、ペペ、オーバメヤンを同時に先発させた。
このスタメンは一見良さそうに見えるが、うまく機能させることが本当に可能なのかは自信が持てない。
バーンリー戦でも苦戦していたし、昨夜が成功だったとは言えない。
試合序盤は良く、ポゼッションも支配し、得点も上げてここからアーセナルは積み上げていくべきだった。ペペと冨安の良い連携から、相手GKがセーブしたところをシャープなオーバメヤンがリバウンドをタイトなアングルから決めて見せたのだ。
これ以上ない試合展開で、ここから我々は落ち着いてプレイできるかと思ったが、その後まもなくしてパレスはアーセナルの攻撃が大して脅威ではないと気づくことになる。
我々は引いて構え、相手にボール保持を許し、相手のミスから、あるいは相手がペナルティエリアに侵入したギリギリのところでしかボールを奪うつもりがないかのようだった。
アーセナルにはよりプロアクティブに高い位置でボールを奪うプランが全くなかった。オーバメヤンはトライしていたものの、アーセナルは全くプレスが出来ず、中盤や相手陣でのタックルも全くなかった。
アーセナルは相手にプレッシャーをかけることをせず、ただ待っているばかりだった。
もちろん、低く構えてカウンターを狙うというのは一つの戦略ではあるが、アーセナルは低く構えて待って待って待って待つだけだった。
アーセナルが変わるには67分かかり、ラカゼットの登場まで待たねばならなかった。ラカゼットとオーバメヤンは何度か良い連携を見せたが、そのころには既に同点に追いつかれていたし、そこからすぐに逆転を許した。
一失点目はパーティのロスト(これ以外にも何度かボールロストはあった)からで、ベンテケをガブリエルは止められなかった。
2失点目は相手陣でボールを失ったところから始まったが、この時点でまだ大ピンチというわkではなかった。ベン・ホワイトはエドゥアールを相手に下がりすぎ、近い位置からのシュートを打つ余裕を許してしまった。
失点シーンだけを見るとラムズデールに問題があったようにも見えるが、この場面でのアーセナルの守備はひどいもので、GKには同情の余地がある。
アーセナルが1点目を決めてからパレスに2点目を決められるまでの60分間は、アルテタ体制になって以降最も創造性を欠いた時間だといってもいいくらいだった。
ホームのパレス戦、このような試合ではアルテタがアーセナルの攻撃を機能させることができ、一歩ずつ前に進んでいるという証拠が見られるのではないかと期待していたが、全くその逆だった。
結果的にアーセナルは2点目を決めたものの、これはチームの戦術が機能し、チャンスを多く作り出した結果というよりも、神頼み的なロングボールから生まれたものだった。
もしかするとヴィエラは、試合をリードした時点で追加でDFを投入するというベンゲルを彷彿とさせるような策に出たことを悔いているかもしれない。これによって少し流れはアーセナルに傾いた。
ティアニーが惜しくもバーをたたくシーンもあった。
当然ながら勝ち点1でも0よりはましだし、アディショナルタイムの得点はいつだってよいものだ。
だがこの試合ががっかりするものだったのは間違いなかった。ウーデゴールとパーティの2人はこのシステムを機能させるうえでカギとなるはずだったが、全く本来のパフォーマンスを見せられず、ティアニーもかつての姿嘘のようだ。
今日の結果をもってして監督としてのヴィエラとアルテタの二人を比較するのは短絡的過ぎるとは思うが、パレスは自信をもってボールを持てているように見えたし、アーセナルは全てがかみ合ってない限りそういった自身は感じられない。
そうではない日がアーセナルは多すぎるし、そしてそうでない日のパフォーマンスは平凡だ。
アルテタは監督就任から2年がそろそろ立とうとしており、彼が本当により頻繁に、一貫して歯車がかみ合う日をもたらせるのか、疑念が高まるのも当然だろう。
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ディスカッション
コメント一覧
活動に敬意を表します。
ピッチ内で起きたテロ行為に言及しない事に疑問。まして仕返ししないのはおかしい、とも取れる文言を忍ばせ、ごみの様な行為がなかったことにしようとしている。サカはプレイ不能になった。
お得意のスピンコントロール。こうした思考法がテロを呼ぶ。民主的に選ばれた議員がわずかな期間に2人殺された。それぞれ違う理由だという事が、今後も起きると予感させる。民主主義の危機である。