ウィリアム・サリバのアーセナルでの将来は? 前編
2週間前、オリンピック・マルセイユはローンで在籍しているウィリアム・サリバのプレイ集動画を公開した。同じ日に、監督のサンパオリは、フランスの将来の偉大な選手となるサリバがチームにいてなんとラッキーなのだろう、とコメントした。
在籍歴だけで言えば、サリバは今季でアーセナル3シーズン目だが、いまだに公式戦の出場はない。2年前はサンテティエンヌへ、去年は昨季後半をニースでローンで過ごし、今季はマルセイユでローンに出ており、既に7試合に先発出場している。
ミケル・アルテタがサリバに全く出場機会を与えなかったため、ファンは監督が彼のことを評価していないか、あるいはプレイとは関係ない部分で問題を抱えているのだろうと推察した。
この印象はニース時代のサリバ自身のインタビュー、そして今季アーセナルが非常に早くローン放出を決めたことで強まった。
しかし、最近Football Londonの記者のクリスがQ&Aで『来夏アーセナルにサリバを戻し、そこで契約延長をオファーするか決定する、というのがプランだ』と語っていた。
もしこれが本当であるのであれば、アーセナルは何らかのプランをサリバに用意しているのだろうか。もしそうなのであれば、そのプランとはいったいどのようなものなのだろうか。
なぜサリバはアーセナルでプレイしないのか
多くのファンは、サリバに既にプレミアリーグで先発できるだけの能力があると信じているようだ。ロブ・ホールディングやパブロ・マリがメンバーに入れるのであれば、という思いもあるだろう。
だが、複数のジャーナリストが報じた所によると、アーセナル首脳陣はサリバの空中戦、そしてボールを扱うスキルに懸念を抱いているらしい。練習でサリバは心配になるほど空中戦が弱かったという噂もある。
加えて、スタッツで見ると、サリバはタックルのタイミングを選ぶタイプのDFだ。奪いに行けると判断した場合の奪取は多いのだが、自身の弱みが露呈する可能性がありそうな場を避ける、慎重なタイプのだと言えるかもしれない。
むしろ彼が好むのはインターセプトと、その体躯を活かして相手をゴールから離れた方へと追いやるプレイだ。
しかし、これはもしかするとデュエルにおいてサリバが問題を抱えている可能性があるというのを意味しているかもしれない。
キャルバート=ルインやウッド、アントニオといったFW達であれば、やすやすとサリバを攻略してしまうかもしれない。
バーンリー戦では、そこまで1対1に強いとは言えないベン・ホワイトですらも14度デュエルを強いられ(そして8度勝利した)、アルテタがプレミアリーグのフィジカルの激しさにサリバが対応できるか疑念を抱いているという可能性は高い。
なぜサリバは完全移籍での放出となっていないのか?
当然ながら、アルテタとアーセナルがサリバのポテンシャルを見て取っているのは明白だ。サリバは上に述べた問題点以外のすべてで、モダンなCBとなる要件を満たしている。
試合を読む力、安定したパス能力、リーダーシップ、体格。
もしもクラブがサリバのことをエメリ時代の遺産で、今のクラブには必要ないと考えていたとしたら、何度もローンに出すことを繰り返すだろうか?
そして、この夏はクラブ側はサリバをプレミアリーグにローンに出したがっていたと報じていたが、フランスにはサリバを獲得したいと望むクラブが多くあるはずで、なぜ売却してしまわないのだろう?
サリバの売却に踏み切れば、ある程度の移籍金をクラブにもたらしていたはずで、契約が切れるまでサリバをローンに出し続けよう、というのは方針として全く筋が通らない。
3年もサリバがローンに出されるのには何か理由があるはずだ。では、その目的とはいったい何なのだろうか?
(後編に続きます)
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