【アーセナル新加入】ベン・ホワイトってどんな選手?
ダビド・ルイスが退団し、ウィリアム・サリバのローンが決まったことで、アーセナルは夏の移籍市場でCB獲得の必要が生じた。クンデとタプソバといった選手たちも候補に挙がったようだが、クラブが獲得に成功したのはブライトンのCBベン・ホワイトだった。
ボーンマスの西に位置する港町プールで生まれたホワイトは子供のころに自己免疫疾患に苦しみ、8歳までは入院を繰り返していたそうだ。
その後状況は改善し、いろいろなスポーツをプレイするようになったがサウサンプトンがユースチームに彼を招いたことでサッカー選手としてのキャリアを始めることになった。
8年をセインツユースで過ごしたものの16歳で放出となり、最終的にブライトンユースチームに移籍、そこから彼の台頭は始まることになる。
英4部のニューポート、3部のピーターバラ、2部のリーズと着実にローンでステップアップを繰り返し、リーズではビエルサのもとリーグ優勝を果たした。
この時点で、ホワイトが典型的なタフで強固なイングランド人CBとは全く異なるタイプの選手であることは明らかだった。
斜めのロングパスと自信を持ったボールの持ち上がりでチームのボール前進を主に任され、昨季ブライトンでもチーム最多の出場分数を記録し、イングランド代表のユーロスカッド入りも勝ち取った。
DFとしては少々異例なことだが、ホワイトを興味深い選手にいるのはそのボール保持時のクオリティだ。ブライトンでは主に右CBを任されていたが、過去には右サイドバックやボランチとしての経験もあり、技術が非常に高く、ミドルサードで相手選手を自在にかわして進んでいくのが得意だ。
それだけではなく、ホワイトはダイアゴナルパスと裏へのロングボールも得意だ。これはブライトン時代よりむしろリーズ在籍時に良く見せていたプレイだが、このようなダビド・ルイスをほうふつとさせるプレイができるのはアルテタの目を引いたに違いない。
アーセナルはルイスの代役を探していたはずだが、それだけではなくホワイトは空いているスペースをアタックすることができ、これにより、相手のディープブロックは揺らがされ、かつ他の選手のためのスペースが生まれる。
ホワイトとルイスの最も大きな違いは恐らくその守備スタイルだろう。ルイスはスピードに不安があるため下がって相手に対応することが多かったが、ホワイトはむしろタイトに相手につき、コンタクトに行くタイプのDFだ。
ホワイトにはそれが可能なフィジカルがあり、足を延ばしてボールを奪ったりスライディングにいくこともできるし、相手とのスピード勝負にもついていける。
昨季の彼のタックル数は多かったが、アーセナルでは少々容易にタックルに飛び込んでいきすぎる傾向を改善する必要があるだろう。アーセナルはブライトンよりも高いラインを敷くことが多く、このようなプレイは失点につながる可能性がより高いからだ。
経験を積むにつれて、彼がよりタイミングをうまく測れるようになってくれることを願おう。
もう一点ホワイトに関しての懸念点は空中戦で、昨季の90分当たり空中戦勝利回数1.4という数字はアーセナルのCBの誰よりも低い。
もちろんブライトンは3バックだったので、空中戦への対応はダンクとウェブスターが主に行ってくれていたということは考慮する必要はあるが、アーセナルでは4バックでプレイすることになるはずなので、ホワイトにはより大きな責任がのしかかることになる。
アーセナルのホワイト獲得にはいろいろな見方があるだろう。若くアーセナルのビルドアップを助けられるような有望な若手がクラブにやってきたことを歓迎するファンは多いはずだが、彼の移籍金とアーセナルの夏の予算の使い道に少々戸惑っている者も多いはずだ。
ただし、彼の移籍金に対する懸念は理解できるものの、実際のところ他の例と比べてみれば、若いホームグロウンのタレントに対してこの金額は大体相場通りだ。
マンチェスター・ユナイテッドはワンビサカに50m£を支払い、チェルシーのチウウェル獲得、シティのストーンズ獲得もそれぞれ50m£だった。
ホワイトの移籍金が割高になるのは致し方ないことで、もしクラブの見立てが正しければ、ホワイトは今後6-7年にわたってアーセナルの右CBのポジションを安泰にしてくれるはずだ。技術とスタイル面で彼はその要件を満たしている。
また、ホワイトがイングランドのあらゆるカテゴリーで結果を残してきたことも見逃せない。
彼は若く、南部エリア特有のチャーミングさを備えているためそうは思えないが、イングランドの屈強な選手たちがそろう環境で戦ってきているのだ。ホワイトは単にモダンで技術のある選手ではなく、彼らと張り合えるだけのタフさも兼ね備えている。
クラブ史上歴代3位の移籍金でアーセナルのようなクラブに加わるというのはどうしても注目を集めてしまうのは避けられない。
だが、ホワイト獲得は理にかなっており、アーセナルの若手を中心、チームスタイルに合った選手獲得プランに沿ったものだ。
ベン・ホワイトはアーセナルで落ち着くまでには少し時間がかかるかもしれないし、成長の過程で苦戦する場面もあるかもしれないが、最近のアーセナルの選手補強方の失敗の逆をいくような重要な特徴を多く備えている。
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コメント一覧
メッシは甲状腺疾患で小さかったから、プレーを細分化して高速化させることができた
比べれませんが、小さいアルシャビンにも通じるところはありました
ハリーケインは極端な胴長短足だから、あれだけのバックステップと踏み込みで速いショットが打てた
ロビンはガニ股だから、角度がついてインパクトが上手かった
ジャカは内股気味でトゥキックのような蹴り方なのに完璧にコントロールできた、すなわち予備動作がない、瞬間で局面が変わるフットボールにおいて重宝されます
身体的特徴がプレーに与える影響は大きいと思います
若干特徴的に見える体型のホワイトがどんなプレーを見せるか楽しみですね