【アーセナル新加入】サンビ・ロコンガとは?
ゲンドゥージがマルセイユへと去り、ジャカ、トレイラ、ジャカ、ナイルズの将来が不透明になっており、アーセナルはこの夏中盤を刷新する必要があった。
ビッグネームの獲得の噂も出ているが、まずアーセナルはサンビ・ロコンが獲得を発表した。彼はどのような選手で、何をアーセナルにもたらしてくれるだろうか。
アンデルレヒトはベルギーで最大の成功を収めてきたクラブだが、最近の彼らは苦戦しており、さらにCOVID-19の影響もうけて経営状況が悪化している。
そのため、若手を中心とした改革にかじを切っており、その中心にいたのがロコンガだった。彼は21歳でキャプテンを任され、昨季アンデルレヒトで最も出場分数が多い選手だった。
彼は既に18/19シーズンにデビューしており、トップチームでの経験はあったが、その後ひざのけがで7か月離脱していた。だが彼はチームの中心選手に返り咲いた。
まずロコンガについて目立つ点は、モダンサッカーへの適性が非常に高いということだろう。彼は敏捷性とアスリート力を兼ね備え、技術とボールを前に進める勇敢さも持っている。
もともとはもう少し攻撃的な選手だったが、直近は監督のコンパニのもと、4-3-3で低い位置に降りてプレイを司るような役割を果たした。
伝統的には、中盤の低い位置でプレイするMFというのは、ボール奪取を得意とする選手か、組み立てを得意とする選手の2種類が多いが、ロコンガは間違いなく後者で、ボールを前に進める能力が高い。
ベルギーリーグのほかのMFと比べて、ファイナルサードへのパスの正確性とプログレッシブパス数で上位に入っている。
10月からクリスマスにかけての低調な時期には、トーマス・パーティがけがで離脱しており、ジャカも本領を発揮できずガナーズはビルドアップに苦戦していた。
ロコンガはこの問題を解決する能力を持っている。彼は機会があればボールを前に進めようという姿勢があり、両足で見返りの大きいような野心的なパスを出すことができる。彼のパス選択は賢く、 正確な技術も合わせ、アンデルレヒトのプレイにスピードをもたらしている。
また彼はパスをつなぐのがうまいだけではなく、ボールを持ちあがるのにも積極的で、どんな時も彼はボールを受けようとしている。
身長も高いが敏捷性があり、フェイントでマーカーをはがすこともできる。常にスキャニングを怠らず、ピッチの様子を頭に思い描き自身のプレイに反映させる。
ただし、守備面に関しては改善の余地がある。ロコンガはエネルギッシュでダイナミックなので、プレスにおいてこれは有利に働くし、インターセプトもできる。彼のインターセプト数はアンデルレヒトガポゼッションベースのチームであることを考慮するとかなり多い。
だが、ボールを奪おうという姿勢がタックルやボール落下地点の予測において、ギャンブルのようなプレイにつながることもあるので、これはうまく調節する必要がある。
1対1の場面で物凄いスピードで突っ込んでいったりもするので、これは守備的MFとしてはリスクのあるプレイだ。
また、もう少しボールを持ちすぎる傾向もある。
ヴィンセント・コンパニはロコンガに関して『年齢とクオリティを比べると、彼は間違いなく目立っているね。我々の若手への要求水準は高いが、サンビは責任を持とうという気があるし、だからこそ我々は信頼して彼にキャプテンを任せた』と語っていたが、このようなリーダーシップと能力を備えているからこそ有望視されているのだろう。
彼は既にベルギー代表にも召集経験があり、26人のメンバーにこそ選ばれなかったが、ユーロの予備メンバー入りも果たした。
ベルギーでは多くのポジションをこなしてきたという経緯もあり、アーセナルファンとしては彼がジャカのような選手なのか、それともパーティなのか、あるいはセバージョスの穴を埋める選手なのか、判断がつきかねることだろう。
彼はオールラウンドな能力はアルテタにとって魅力だったに違いないが、恐らく彼の最適なポジションはある程度自由を与える8番型の位置だろう。彼はボールをつなげるし、前に運ぶことができる。
アンデルレヒトではアンカーとしても全く問題なくプレイできていたが、ベルギーとプレミアリーグの差を考えると、イングランドでこの役割をプレイするにはまた違った課題が浮かび上がる可能性はある。
ロコンガは、タヴァレスと似て、独力でチームを激変させてくれるようなタイプの獲得ではない。だが、チーム力を底上げしてくれるだろうし、将来に向けたエキサイティングなタレントだ。
現在のクラブ上層部はアーセナルファンからの信頼を得ているとはいいがたいが、今回の獲得は、背景に非常によく練られたプランニングが感じられる。ロコンガはヨーロッパで最も将来を嘱望される若手MFの一人で、まだ粗削りだが、ノースロンドンで活躍できるポテンシャルは十分にある。
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