リバプール戦で明らかになったアーセナルの6つの弱み 前編
先日のリバプール戦での敗北はこの10年間でアーセナルファンにとってもっと恥ずかしい試合だったといってもいいかもしれない。
もちろん、チェルシー戦の6-0、ユナイテッド戦の8-2、アンフィールドでの5-1といった試合があったのはわかっているが、(ファンがいないとはいえ)ホームで史上最低のxGを記録し、手も足も出ない形で試合に敗れるというのは受け入れられるものではない。
対戦相手が誰であるかは関係なく、確かにリバプールはカウンタープレスが非常にうまかったが、カバクとフィリップスという比較的経験の浅いCBのペア相手に90分でシュートが数本、というのはとんでもないことだ。
この試合のパフォーマンスだけではなく、リバプールはアーセナルのより根深い問題を詳らかにしたわけだが、今回はそれらを見ていこう。
38試合にわたって一貫性を発揮できない
これはこの何年かのアーセナルに関してずっと言えることで、38試合で継続して結果が残せなければ、チャンピオンズリーグ出場権を争ったり、タイトル争いをするようなチームにはなれない。我々は浮き沈みが激しすぎるのだ。
2月以降のアーセナルのプレミアリーグでの試合を観るだけでもそれは明らかで、全く安定性を欠いている。人々はレスター戦やトッテナム戦を見て『ワオ!これこそ俺たちのアーセナルだ!』と思ったはずだが、彼らは昨日の試合のようなパフォーマンスを見て首を傾げるに違いない。
アーセナルのと選手たちがその気を出せば、試合に勝つことが出来る。だからこそアーセナルはこの何年間の間カップ戦では素晴らしい成績を収めている。
だが、一貫性を欠いており、恐らく部分的にはチームのメンタル面の部分で一貫性を欠いているためリーグでは結果を残せず、これがアルテタのいう所の"文化的な"部分なのだろう。
いくつかのポジションで代役がいない
どんなサッカーチームにも欠くことのできない選手というのはいるものだが、同じことはアーセナルにも言える。だが、これらの選手がかけた時のレベルの差があまりに大きすぎる。
①ダビド・ルイスがいなければ、彼と同じようにボールが扱えるDFがいない
②キーラン・ティアニーが怪我をすると、彼と同じようなクオリティを備えた本職が左サイドバックの選手がいない。右利きの選手をこのポジションで起用しなくてはならず、スタイルの変更を強いられる
③パーティあるいはジャカがいないと、その控えのセバージョスとエルネニーはレベルが一段下がってしまう。チェルシーやシティ、ユナイテッドやリバプールといったアーセナルが目指すレベルのチームを見れば、中盤の層の厚さの格差は明らかだ。
④レアケースだが、リバプール戦のように、サカとスミスロウ二人ともが欠場する、という事態になると、その穴を埋められる選手がいない。彼らはまだ19歳と20歳で、この年の選手にここまで頼っているというのは残念なことだ。
若手に頼りすぎている
上の話ともつながるが、上手くいっているサッカークラブには、良いレベルのシニア選手が揃っているものだ。
だが、アーセナルにはそれがない。
アーセナルのシーズンの転換点と見られているチェルシー戦を例にとってみよう。試合を変えたのはスミスロウ、マルティネッリ、サカという若い3人だった。
彼らは恐れ知らずにプレイし、100%を出し切って自分を表現した。
マンチェスター・シティのようなチームでは、フィル・フォーデンを支える安定したチームがあり、勝者のメンタリティを持つ素晴らしいベテランたちがいることで世代交代がスムーズになっている。
だが、現状のアーセナルのベテラン選手たちはそれが出来ておらず、いかに才能があるとはいえ、若手にチームが引っ張ってもらうような状況は健全とは言えない。
(後編に続きます)
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