ヘクター・ベジェリンの社会的/政治的側面に関して 後編
前編はこちら:
(後半は基本的にベジェリンの人間性ではなく、ピッチ上でのプレイの話となっています。)
もちろん、これは2年前にベジェリンが酷いけがをしてしまった影響も大きい。同時に、彼は継続して、絶不調と変革を経験したアーセナルのチームの一員でもあった。
データを見る限り、そこまで彼の成績は悪くなっているとは言えないが、実際に目で見る限り、いくつかフラストレーションがたまる場面も見せるようなってきてしまっている。
ベジェリンのファイナルボールの質は安定しないし、守備面で何度か気を抜いてしまっている場面もあった。時折ボールウォッチャーになってしまい、マーカーを見失ってしまうことがある。
だが同時に、今季かなり良くやっているといえるだろうアーセナルの堅守の主要メンバーでもある。
全コンペティションで彼は3アシストを記録しており、これはそこまで多く聞こえないが、これは実はスミス=ロウとサカ、そしてウィリアンらに次ぐ数字だ。
さて、ではベジェリンはアーセナルのチーム全体の攻撃不全の犠牲者なのだろうか?あるいはその原因の一人なのだろうか?
ベジェリンは不調の前線の選手よりもアーセナルの攻撃を停滞させているのだろうか?
アーセナルの右サイドは今季問題となっており、ウィリアンとペペはどちらも右サイドであまり機能せずお互いにポジションをつかむ大チャンスを譲り合うような状況が続いてた。結果的にアーセナルの攻撃はかなり左偏重になっている。
今季ベジェリンが輝けないでいるのには、いくつか要因があると思う。
まず、右サイドの人員がひっきりなしに変わることがベジェリンにとってやりやすいとは考えづらい。
また、特にペペとコンビを組んだ時にベジェリンは全くもって機能していないが、私が思うにこれはベジェリンの役割が大外のカバーではなく、その一つ内側、右のハーフスペースをカウンターに備えて守ることだからだ。
これは今季のアーセナルの守備の改善の重要な一因で、チームはトランジションとカウンターからの失点が少ない。
だが、攻撃面から見るとこれはベジェリンとペペにとっては大いに問題だ。本来ペペはベジェリンが守備に備えてパトロールする役目を任せているこの右のハーフスペースで輝く選手であり、同時に彼は一対一をより容易にしてくれるような、大外をオーバーラップしてくれるサイドバックを必要としている。
だが、ベジェリンはオーバーラップではなくアンダーラップをするよう要求されているので、ペペとベジェリンの攻撃のエリアが被ってしまうことがしばしばある。
恐らく今季ペペが左でのほうが良いプレイを見せているのは、左サイドにはオーバーラップしてくれるサイドバックがいるからだろう。
ティアニーはオーバーラップし、攻撃をサポートする役割を課せられている。
だがアルテタは、理解できることではあるが、両サイドバックをオーバーラップさせるのはリスクが大きすぎると考えているようだ。
したがって、サイドバックのうちのどちらかはCMFのように中に入る形をとるが、それにより向いているのはティアニーではなくベジェリンだ。
今季ベジェリンは21試合で22のファウルしか犯していないにもかかわらず、8枚ものイエローカードをもらっているが、これは彼のタスクが相手のカウンターアタックを止めることであることが大いに影響しているのだろう。
ベジェリンはアーセナルでの残り契約が2年となっており、PSGへの移籍の噂が定期的に囁かれる。
もちろん、もしかすると次の夏は彼を売却し、アルテタのタスクにより向いているタイプの右サイドバックを獲得する良い機会かもしれない。
ヘクターは既にアーセナルに10年間在籍しており、環境を変えてみるのも彼のキャリアにとっては良いことかもしれない。これはサッカー選手に限らず、誰の仕事にとっても言えることだ。
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ディスカッション
コメント一覧
ベジェリンのうれし恥ずかし初ゴールハニカミセレブレーションを忘れない
ブレイク直前にドビュッシーチェンバース獲得したのだから、ベンゲルも想定しない活躍だったのでしょう
ドビュッシーが文句言っても競争だから仕方がない
ケガの空白に若くしてチャンス掴めたのは、能力はもちろんパーソナリティあってのことなのでは
ヘアサロンいって対峙したグリーリッシュへの気迫とか
どんな主張したか知りませんが、あまり極端でなければ、、
セドリックはアルテタが認めるようにテクニカルな部分でチームでも高いでしょう
小柄をカバーするように両足とも全身を使って蹴るさまは、カソルラを彷彿とさせます
インパクトが非常に巧い
そのぶん運動能力で多少ハンデを感じます
アルテタのチームの肝であるプレス回避、当然テクニックや体力面総合的に判断されるでしょう