アーセナルは二コラ・ペペの使い方を見つけ出さなくてはならない
恐らく先日のFA杯のアーセナルの先発メンバーを見たときに、彼らが勝利をもぎ取れるか少し自信を無くしたアーセナルファンは私以外にもいただろう。
このうちの多くの選手は経験豊富で、アーセナルでも結果を残している選手なので奇妙と言えば奇妙だが、大事なのは個人のクオリティというよりもその組み合わせなのだ。
とはいえ、この試合で輝けなかった選手たちにもうアーセナルでの役割がない、ということではない。今後もヨーロッパリーグとプレミアリーグを戦っていくと考えると、11人だけでやっていく、というわけにはいかない。
今回フォーカスしたいのは、その中でも特に意見が分かれている二コラ・ペペだ。
正直に言おう、私は今もまだペペには可能性が残されている数少ないアーセナルファンの一人だ。彼へのフラストレーションは理解できるが、最近ファンたちが彼をジェルビーニョに例えたり、ウィリアンと同じ扱いをするのは非常にアンフェアだと思う。
二コラ・ペペは2019年の夏に72mポンドでアーセナルに加わり、この移籍金を考えると確かに大失敗だったといえる。
だが、これはすべてが選手のせいだというわけではない。例えば、プレミアリーグでの移籍金ランキングを見てみると上位十何人は軒並み皆成功したとはいいがたい。そもそも高額移籍というのはうまく行く可能性が低いギャンブルなのだ。
自分に合ったチームから移籍して、新しい居場所を見つけるというのは簡単なことではない。
アーセナルは2019年に得点とアシストが出来るサイドのプレイヤーを必要としていて、その条件を満たす選手を獲得したが、どうやらその選手から最高の能力を引き出せるかについてはあまり考えていなかったようだ。
そもそも、ここまでペペはアーセナルでのほとんどの間、機能不全の攻撃陣の中でプレイすることを強いられている。
チャンスを作り出せる選手が不在で、昨季のアーセナルはオーバメヤンの得点力に依存しており、彼が好調でなければ得点は基本的に生まれない、といった状況だった。
もちろん、それはチェルシー戦でスミス=ロウが現れるまで、ということだが。
まだここまでペペとスミス=ロウがともにプレイする機会はあまり多くないが、彼のような選手がチームにいることがペペにとって大きなプラスとなるのは間違いないだろう。
例えば、ペペが輝いた試合である3-1のウエストハム戦、2-0のユナイテッド戦、4-0のニューカッスル戦ではチームにエジルがいた。
また、トーマス・パーティもペペにポジティブな影響をもたらすだろう。同じく彼もここまでケガでそこまで出場できていないが、彼は正確にボールを前に届けることが出来る。
彼以外のアーセナルの選手たちはプレイを遅らせ、タッチが多すぎることがあり、これはアタッカーにとっては好ましいことではない。
ペペがボールを受けるときもゴールに背を向け、タッチライン際に追い込まれて相手に多く囲まれているときがかなりある。このような場所ではペペにボールを渡しても彼はどこにも行けないし、これではペペの良さは引き出せない。
リーズ戦でのペペのレッドカードが非常に落胆するものだったのは、シンプルに愚かでチームに害を与えただけではなく、ついに継続してペペが出場機会を得られそうだったタイミングで訪れたからだ。
今季はウィリアンにスポットライトが当たりがちだが、その陰でペペは全く出場機会を得られていない。チームに出たり入ったりしているようでは、どんな選手にとってもリズムを取り戻すのは難しいものだ。
他のふがいないパフォーマンスを見せている選手が与えられたチャンスの数を考えるに、ペペにもそれと同じだけの公平なチャンスが与えられているとは言えない。
例えば、先日ウエストブロム戦やニューカッスル戦で、勝利が決まった状態でベンチから登場したのはウィリアンだった。
基本的にペペはリズムを作るような場面ではなく、ゴールが必要で、何かを起こしてくれる選手が必要な時にしかベンチからは登場しない。
私がまだペペのことを信じている理由は、彼が絶不調の時ですらも、チャンスを作り出し、アシストをし、得点を挙げているからだ。
FA杯戦ですら、チームが創出した8のチャンスのうち5がペペによるものだった。
そして、ペペは数少ない何もないところから得点を生み出せる選手の一人だ。惜しいオフサイドがなければ、FA杯決勝点を挙げた選手としてファンの記憶に残っていたことだろう。
個人的には、ペペがパーティとスミス=ロウあるいはウーデゴールといった選手たちが揃ったチームで定期的にプレイするところを見てみたいと思う。
サカが好調すぎるため、今季は途中出場が多いかもしれないが、アーセナルはどうすればペペの能力最も引き出せるか、そしてどのような対戦相手に有効かを見つけ出すべきだ。
例えば、ローブロックの相手には難しいかもしれないが、リーズのようなチーム相手に起用するのは筋が通っているかもしれない。
今後数か月間でペペを輝かせることが出来れば、アーセナルのチーム力はさらに上がるだろう。そして、そのあとはその結果次第で夏には決断を下す時期、ということになるかもしれない。もちろんそれはペペだけに限った話ではないが。
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コメント一覧
ぺぺが好調?サカが好調?
すいませんなおしました!
修正確認しました。
いつも楽しく読んでいます。
これからも記事の記載、よろしくお願いします。
とりあえず、今日のU戦。COYG。