劇的な改善を見せるアーセナルのセットプレイの守備に関する分析

分析海外記事

昨季はアーセナルにとって多くの点でイレギュラーな一年だった。

だが、その中でもいつもと変わらなかったのは、アーセナルがセットプレイの守備が出来なかった、という点だ。より整備されたチームはこの穴を的確につき、コーナーやフリーキックからアーセナル相手に頻繁に得点した。

統計的には、全得点の1/3程度がセットプレーから生まれる。プレミアリーグの過去5シーズンでは、全得点のうちPK、フリーキック、コーナーキック、スローインから生まれた得点は平均で30%程度だ。

だが、昨季のアーセナルの失点のうちのセットプレーからの失点の割合は46%とリーグ最悪だった。比率的にも悪いのだが、実際の失点数も22とこれはワトフォード(24)に次いでリーグ二番目に多い数字だ。

これにはガナーズが7つもPKを献上した(うちの5度はダビド・ルイスによってで、彼は1シーズンに与えたPK数のプレミアリーグ史上最多記録を樹立した)のも大きく影響を与えている。

だが、仮にPKを除いたとしても、それでもまだアーセナルのセットプレイの失点数は多い。非PKのセットプレイからの失点が占める割合も31%と、これはマンチェスター・ユナイテッドに次いでリーグワースト2位だ。

下の図からわかる通り、基本的にアーセナルはセットプレイの守備が苦手で、調子が良い年でも、リーグ平均をぎりぎり上回る程度だ。

だが、ここで2020/21シーズンの割合が異様に低いことに気づき、目をこすることになるだろう。

じつは、去年の夏にアーセナルはこの問題に対処するため、ブレントフォードからセットプレイのスペシャリストであるコーチと評判のアンドリース・ゲオルグソンを招聘した。

これ以降、壁の後ろでナイルズが寝転がされたり、ベジェリンが何故か20cm以上身長差があるブライトンのダン・バーンをコーナーでマークしていたりと奇妙なことが起こり、アーセナルファンの間で議論が巻き起こった。

今回の記事を書くにあたって、2016年にOptaに加わり、それまではイングランドのいくつかのトップクラブで働いていたベン・マクリールに話を聞いたが、彼のコメントは以下の通りだった。

私がサッカークラブで働いていたころはセットプレイの専門家の話なんて聞いたことがなかった。恐らく比較的最近生まれたものなのだろう。もしかすると、彼らの多くはパートタイムやフリーランスかもしれないね。

もちろんクラブはセットプレイをおろそかにしていたわけではないだろうが、リバプールがスローインの専任コーチを雇ったりと、より集中的に対策する必要性を感じているのだろう。

同じくベンによると

監督によると思うが、大体オープンプレイとセットプレイの対策の割合は8:2くらいだろう。

オープンプレイほど様々な要素を考慮しなくていいので、セットプレイの色々な状況をに関するデータを集めるのは素早くできる。

監督がセットプレイをどれほど脅威と感じるか次第なので、この割合に関してはトップレベルと下位リーグでの差などはあまりないと思うよ

とのことだった。

GKコーチというのは昔から居るし、守備を専門とするコーチもいる。結局サッカーの全ての部門においてエキスパートであるのは難しい。

もし失点の30%がセットプレイから生まれ、かつ全体の練習のうちの20%の時間がセットプレイ対策に充てられるのであれば、クラブがこの練習に関するスペシャリストを雇うというのも特に驚きではないのかもしれない。

もちろん、これこそがまさにアーセナルが行ったことで、そしてそのインパクトは如実に表れている。

まだ評価を下すには早い時期だが、現時点でガナーズはプレミアリーグで最もセットプレイからの失点比率が低いチームだ。

もちろん、これが単なる偶然という可能性もなくはないが、より深いレベルでの分析が、実際にアーセナルはセットプレイから相手にチャンスを作られるのを阻止できているという事を明らかにする。

一試合当たりの相手のセットプレイからのシュート数が、アーセナルはマンチェスター・シティに次いでリーグ二番目(1.9本・シティは1.8、3位はリバプールで2.0)に少ないのだ。

また、セットプレイからの被シュート数でいうと、アーセナルは2位のマンチェスター・シティ(8・3位はチェルシーで10)に圧倒的な差をつけ、リーグ最高の成績(4)を誇っている。

ただし、この4本の中にはアーセナルがバーンリー戦でコーナーから失点した分は含まれておらず、これはオーバメヤンのオウンゴールだったからだ。

だが、以下のグラフを見れば、ここまでの所ゲオルグソンの元アーセナルが相手のセットプレイの脅威を抑えることに成功していることは見て取れる。

コーナーをシュートにつなげられる割合の減少が失点の減少につながっており、フリーキックに関してはさらにこの傾向は顕著だ。アーセナルは昨季の半分程度しかフリーキックからシュートを打たれていない。

アルテタアーセナルの多くに関して言えることだが、まだ決定的な結論を出すに早いが、アーセナルは現状セットプレイの守備に関して良い方向に向かっているという事は間違いない。

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Posted by gern3137