スターダムを駆け上がるスミス=ロウ

分析海外記事

弱冠20歳のスミス=ロウがウエストブロム戦でアーセナルが奏でた素晴らしいアタッキング・オーケストラの中心に彼はいた。

彼はオールラウンドなプレイメイカーとしてウエストブロムの守備陣を壊滅させ、チェルシー戦やブライトン戦のパフォーマンスも同様に素晴らしかった。

昔からロウのプレイを見ているファンであれば、彼が即座にプレミアリーグに適応して見せたことも特に驚きではないだろう。

去年の時点で、ローンに出ていたハダスフィールド時代の監督スティーブ・カウリーが既に『彼は技術面でプレミアリーグレベルに達している』とインタビューで答えていた。

ここのところのスミス=ロウのプレイを見る限りでは、彼がまだプレミアリーグで5試合しか出場がない選手だとはとてもではないが思えない。

また、ユース年代の選手のエキスパートである、イングランドU-17代表の監督をかつて務めたスティーブ・クーパーもスミス=ロウを"クロイドン(訳注:ロンドン南部の地名)のケビン・デブライネ"と呼び高く評価しており、彼は同年代ではジェイドン・サンチョやフォーデン、ハドソン=オドイらと同じレベルにあるタレントだと評価していた。

だが、スミス=ロウのアーセナルでの台頭は、上の3人ほど順調にいったわけではなかった。

ヨーロッパでの実績がマルティネッリが先にファーストチームでの階段を駆け上がり、自身より若いブカヨ・サカが圧倒的な活躍を見せる中、スミス=ロウはこの期間中をアーセナルから離れて過ごすことが多かった。

まず18/19シーズンはライプツィヒで過ごしたが、怪我に見舞われ、3試合しか出場できなかった。しかし、それでも当時の監督のラルフ・ラングニックがロウの完全移籍の獲得を望んでいたというのは興味深い。それほど感銘を受けていたという事だ。

だがもちろん、アーセナルはそれを拒否し、19/20シーズンはクラブに残ったが出場機会を得られず、シーズン後半はまたハダスフィールドへとローンに出ることになったが、既にテリアズ(訳注:ハダスフィールドの愛称)のファンは彼らのチームにビッグタレントがやってきたと気づいていたようだ。

英二部でプレイした短い期間中にロウは2ゴール2アシストを記録し、クラブの降格回避の手助けをした。彼のパフォーマンスレベルは数字以上のものがあった。

ハダスフィールドのファンがスミス=ロウにより多くの出場機会を与えることを要求し、これを受けて監督のカウリーは『実際のところ、彼をベンチに下げる時は私も自分自身にブーイングしているよ』とウィットに富んだコメントを残している。

この通り、あーせるでロウは忍耐強く待つことを強いられた。サカやマルティネッリと同水準のポテンシャルがある可能性がありながら、同じようなチャンスは与えられなかった。

だがアーセナルの32番はその機会をずっと窺っていた。

多くのジャーナリストがミケルアルテタはロウを高く評価していると報じていたし、クラブ内部の人間は遅かれ早かれチャンスは訪れるだろうと確信していた。

したがって、今回のような形でスミス=ロウに出場機会が与えられたのは当然と言えば当然だ。

そして有難いことに、見事に彼はそのチャンスをつかんで見せた。 彼のトップ下としてのファーストチームでの適正は誰の目にも明らかだ。

アーセナルの攻撃にとって非常に重要な選手として、ファーストチームでのキャリアの素晴らしいスタートを切っている。

特に素晴らしかったのがウエストブロム戦で、プレス10、タックル1、ボール前進35、0.2xG、0.8xAに1アシストというとんでもないスタッツを残している。

もちろんスミス=ロウにもまだもう少し洗練させるべき点は残されている。だが、彼がアルテタの将来を変えたかもしれず、称賛されるべきだろう。

今のスミス=ロウのパフォーマンスが彼の今後の活躍を象徴するものだとしたら、アーセナルファンが興奮するのもうなづける。エミール・スミス=ロウ、この名は今後世界に響き渡るだろう。

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Posted by gern3137