【アーセナルの課題】攻撃的MFの不足に関して
今のアーセナルは重大な問題を多く抱えている。攻撃の鈍化、カギとなる選手の低調なパフォーマンスなどがその例だが、より俯瞰的な視点で見るとこれらが根差すより大きな問題があることがわかる。
これは、アーセナルの移籍戦略にかかわる問題で、その責任者たちの責任を問うべき問題だ。
振り返ってみるとここ数年間の移籍市場では、多くの獲得もあったが、より注目すべきは退団の方だ。おそらく現在のアーセナルが苦戦している背景には、放出した選手と似たタイプの選手で穴埋めをできなかったことがある。
例としてアーセナルの中盤を見てみよう。
直近の三年間でアーセナルはトレイラ、ゲンドゥージ、セバージョス、パーティをクラブに迎えた。
一方でクラブを去ったのはカソルラ、ウィルシャー、ラムジー、ムヒタリアン、そしてイウォビで、エジルもまたメンバーを外れている。
これを見ればわかる通り、アーセナルは攻撃的MFのほとんど全員を放出したにもかかわらず、どちらかというと守備寄りのMFばかり獲得している。これは控えめに言ってナンセンスだ。
アーセナルがチームに創造性のスパークをもたらせる選手を全員追い出してしまったことを考えると、アルテタのチームが攻撃的で人々を楽しませるようなサッカーを見せられていないのも当然だ。
当時のアーセナルは攻撃的MFの数が多すぎ、ウイングで起用されることすらあった。エジル、ウィルシャー、ラムジー、カソルラは全員サイドでのプレイを経験している。
だが、彼らに本当に望むポジションはどこか、と聞かれれば皆トップ下、ストライカーの後ろだと答えただろう。
したがって、クラブがこのうち数人を削り守備的MFとウイングに置き換えようと考えるのも当然で、当時の私も、これを実現させればアーセナルはタイトル争いに加われると考えたに違いない。
そして、実際にアーセナルはトーマス・パーティ、ペペ、ウィリアンといった選手たちを補強した。しかし、少々不可思議なことに、クラブは攻撃的MFを全員放出し、その代わりを獲得することをしなかった。
結果として、新加入の選手たちは創造性がかけらもないチームに放り込まれることとなり、アーセン・ベンゲルが去ったエミレーツスタジアムでの攻撃サッカーのクオリティも劇的に低下した。
正直に言おう、今なら私はアレックス・イウォビとヘンリク・ムヒタリアンを泣きながら再び迎え入れるだろう。
彼らが必ずしも現状のアーセナルの選手たちより秀でているからというわけではなく、彼らの役割を果たせる選手が今のチームには誰もいないからだ。
彼らがいれば少なくとも今のチームの穴は埋まる。
なぜアーセナルの攻撃がここまでうまく行かないのか?に対する答えは意外とシンプルなものなのかもしれない。なぜなら、技術に秀でた攻撃的MFが一人もいないからだ。
それはなぜ?
なぜなら我々は彼らを全員売ってしまったからだ。おそらくこの問題を解決するには一人では足りず数人新たな選手が必要だろう。
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