アーセナルのU-23チームレポート
ユースレベルでは、試合結果よりもプロセスが大事だとはよく言われることであり、確かにその通りだ。
しかし、勝利を収めることによって選手の自信につながるのも事実で、今ファーストチームにいるエンケティア、ウィロック、ネルソンらは2018年にタイトルを獲得したアーセナルユースチームの一員だった。
現在アーセナルのU-23チームは非常に苦戦しており、4試合で勝ち点1しか獲得できず、リーグ最下位に沈んでいる。
U-23レベルでも、英国中のハイレベルな若手が揃うリーグで選手たちを試す機会を失わないためにも、トップリーグに残留するのは非常に重要だ。
今回はアーセナルのU-23が抱える問題点に焦点を当てて、ユースチームの現状をレポートして以降。
GK
何故かアーセナルはU-23にGKを5人抱えており、これは全く持って不要だ。カール・ハインがファーストチョイスのようだが、アーサー・オコンクォも復帰しており、彼もチャンスを与えられるに値するだろう。とはいえ、頻繁にローテーションをするのはGKにとって良いとは言えないので、ボールドは決断を下す必要がある。
DF
ダニエル・オイェゴケは才能のある選手だが、チェルシー戦では苦戦していた。恐らく、ライアン・アレビオスの方が当面は右サイドバックで先発するにふさわしいだろう。
メドリーやバラード、マクギネスといった選手がローンに出ているため、現在U-23にはクラークとディンゼイを除くとCBがあまりいない。
チェルシー戦を見る限りでは、ディンゼイとクラークが良い連携を築くにはまだ時間がかかりそうだ。U-18にはザック・オーやオグンボ、アレックス・カークらは控えているものの、スティーブ・ボールドのチームにとって不安が残るポジションだ。
本来なら左サイドでジョエル・ロペスに機会が与えられるはずだったが、ここまでのところケガで全く出番がない。練習やチェルシー戦ではベン・コトレルが左WBを務めており、このままこれを継続するのかは興味深い所だ。
MF
ティム・アキノラがサプライズでの獲得となったが、彼はまだ新しい環境に適応しているところで、ここまでのところあまり可能性を感じさせるプレイが出来ているとは言えない。
今のところオラインカもローンに出ず残っているが、フィジカル面こそ向上したものの、プレイ精度はまだ甘い部分もある。
恐らく現アカデミー最大のタレントがミゲル・アゼースとカタリン・シルジャンの2人で、今季U-23に昇格したものの、こここまでのところ散発的には出場していない。
今のU-23のチームのクリエイティビティを向上させるためには、彼らをもっと多く起用する必要があるだろう。
前線
今季既に純粋な右ウイング不足により苦しんでいたことが明らかだったアーセナルのユースチームにとって、この移籍市場でアーセナルがそれに対処するためにアヤックスからジョエル・イデホを獲得したのは大きいはずだ。
まだ適応に時間はかかるだろうが、非常に才能豊かな選手に見える。
その逆サイドでは既にジョージ・ルイスが即座に結果を残し始めており、プレシーズンのトッテナム戦とEFLトロフィーのイプスウィッチ戦で得点を決めた。
だがそれ以降は少し停滞気味なので、アーセナルのトップチームに上がるためにはまだまだ努力を重ねる必要がある。
トップに関してはバロガンの能力に疑いの余地はないが将来が不透明なので少し集中できていないようだ。したがって、アーセナルがスウェーデン人のニコライ・モラーを獲得し、バロンがんの様相相手が出来るのは歓迎すべきだろう。
まとめ
今季からU-23の選手たちが大量にローンに出ており、昨季とは全く異なるチームとなっている。これにより多くの選手が適応に時間が必要で、メインストライカーのバロガンの去就が不透明なのもチームにとってはマイナスだ。
U-23監督のスティーブ・ボールドの手腕に疑問を呈する声も上がっているが、恐らく結果が出ずともすぐに彼が解雇されたりすることはないだろう。
彼はよりダイナミックで一貫性のあるサッカーをチームにプレイさせる必要があり、シルジャンとアゼースはその助けになるはずだ。
もしかすると、新加入のイデホもアーセナルの攻撃をよりバランスの取れるものにするカギとなるかもしれない。
また、ずいぶん昔からアーセナルのユースレベルでの交代は疑問視されており、どうやら状況次第というよりも、事前の計画通りに行われているようで、全く試合に影響を与えらていない。
私個人としては以下のようなスタメンが望ましいと思うが、ボールドがどのようなチームを送り出すかに注目したい。
オコンクォ
アレビオス ディンゼイ クラーク コトレル
オラインカ アゼース
イデホ サラー=エディ ルイス
バロガン
ベンチ
ハイン ロペス シルジャン アキノラ モラー
ディスカッション
コメント一覧
ボールド氏は数少ない、ベンゲルの思考を理解した英国人選手(ポジション争い、正しいふるまい、よそに行きしっかり限界までプレイした)でした。ベンゲルの隣では監督より偉そうに見えることもあり、苦笑しましたが、いなくなった後、まるでベンゲルの様にオーバメヤンと話してた姿が印象的でした。彼にはアーセナル文化において重要な役割があり、頑張っていただきたいと願っています。