スタッツで見るエミール・スミス=ロウ

分析海外記事

エミール・スミス=ロウは現在のアーセナルで最も興味深い将来性のある選手の一人だ。

私が思うに、彼はファーストチームで出番が与えられるのに最も近いユース選手だが、同時にそのためには出場機会が必要でもある。

この数年間で、彼はアカデミーには収まらないレベルに到達したものの、2年で2000分程度しか試合に出られていない(そのうちの1550分が昨季のものだ)

昨季のハダスフィールドへのローンは、スタイル的に完全にマッチしていたとは言えなかったものの、それでも大きな一歩で英二部の20歳にはタフなリーグで1000分以上プレイすることが出来た。

最も期待が持てたのは、各試合でスミス=ロウは良い数字を残し続け、場違いには全く見えなかったという点だ。

スミス=ロウの総合スタッツ

ハダスフィールドでは主に攻撃的MFとしてプレイしていたが、下の彼のボールタッチのヒートマップを見ればわかる通り、比較的自色々なところに動けるフリーロールが与えられていた。

スミス=ロウのボールタッチのヒートマップ

また、それはロウがピッチ上のどの場所でキーパスを出したかの図からも見て取れる。どこかに集中しているわけではなく、ファイナルサードの右から左まで、満遍なく散らばっている。

彼はボックス内で36度ボールタッチを記録しており、これは約一試合当たり3度となっていて、そのうちの13がさらに深い位置なので、これはチームのクリエイターもこなす選手としてはなかなかのものだ。

スミス=ロウがキーパスを出した位置

さらに彼はボックス外からのミドルシュートをアシストしたのに加え、ボックス内にも良いパスを何本も送り込んでいる。もし彼がよりクオリティの高い選手を備えたチームでプレイしていれば、これらの図はもっと良いものになったはずだ。

スミス=ロウのキーパスからシュートが放たれた位置

スミス=ロウのシュートに関して言えば、シュートの位置を見る限り、やはりロウは得点を重ねるタイプのMFというよりもよりクリエイティブなプレイを好む選手のようだ。得点の可能性が高い場所に飛び込んでのシュートというのは多くない。

その例外が実際に点に繋がった日本のシュートでより中央のゴール近くでシュートを打てている。

スミス=ロウのシュート位置
オープンプレイからのスミス=ロウのシュート位置

彼のシュートをxG(得点期待値)ごとに分類してみても、特に彼が決定力に欠けているというデータは見えてこない。しいて言えばxG的には中長距離からのシュートをもっと決めていてもおかしくないといえなくはないが、サンプル数が少なすぎるため、誤差の範囲内のようにも感じる。

彼のパスに目を移してみると、どちらかというと昨季のスタッツだけ見ると、スミス=ロウは保守的/安全志向のパサーのようだ。

これは必ずしも悪いことではない。単純に成功可能性が低いパスを試みないだけで、ブルーノ・フェルナンデスのように一発逆転のホームランパスを狙うようなタイプではないというだけかもしれない。

一方で彼は、私が算出したパス成功率期待値の77.8%を上回る83.4%の成功率を記録している。

総合的に、スミス=ロウの38%のパスは前へのもので(これはファイナルサードが主戦場の選手としては悪くない)、バックパスが38%そして横パスが24%だ。短中距離のパスを好む傾向があり、平均パス距離は13.5m、ロングパスは27%のみだ。

また、彼は74本ファイナルサードへのパスを企図し、そのうちの57本を成功させている。一試合当たり4.4本という本数で77%の成功率というのは良い数字だ。そして、ボックス内へのパスは40本中22本が成功で、これも90分当たり1.7本、55%の成功率というのは悪くない。

90分当たり4.2本の前へのパスと6.9回の(運ぶ)ドリブルによるボール前進も記録している。

そして、彼は45度(90分当たり3.4度)のドリブル突破にトライし、成功率は55%だ。ボールロストは43回で、私が独自に算出したボールロスト期待値は46なので、ボールを失わない能力は平均的ということが言えるだろう。

まとめると、スミス=ロウはパスにおいては慎重派である一方で、ドリブルによるボール前進に関しては多少冒険するタイプという事だ。

ただし、スタッツを見る限りでは、どちらかというとスミス=ロウはボールを運ぶドリブルよりもパスに長けているという傾向が見て取れるので、彼の中での優先順位を変更するべきかもしれない。

いずれにせよ、パスドリブル共にスタッツ的には良い数字を残しているが、これはチャンピオンシップでの数字であり、もう1レベル上がった時に更に優れた数字を期待するというのは難しいかもしれない。

しかし同時に、スミス=ロウはこれだけの結果をリーグ19位でアタッキングサードでボール保持する時間が多くないハダスフィールドで残していたのだ。

シーズン途中での移籍でハダスフィールドでの出場機会はそこまで多くないながらも彼はチームの攻撃に多くの貢献をした。

今季のアーセナルでカップ戦での出番は恐らくあるだろう。これらの試合でまず彼を試し、そしてプレミアリーグでの交代出場で様子を見るのが賢い策かもしれない。

そこで期待の出来るパフォーマンスを見せられれば、ファーストチームに留め、もしそれが出来ないようであれば、よりアーセナルにスタイル的に近いプレミア下位、あるいは二部の上位チームにローン、というのが最も現実的かもしれない。

source(当該サイトの許可を得て翻訳しています):

スポンサーリンク

関連記事(広告含む)

Posted by gern3137