アーセナルの抱える深刻なチャンス創出力不足に関して 後編
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エジルには、かつての相手守備陣を切り裂くようなパスはもういまや期待できないかもしれないが、 多少衰えたとはいっても、未だに危険なエリアに入り込み、そこでボールロストすることなくボールを受ける能力は備えている。
もしこれが今のチームにあれば、ボールを前に進めるのはだいぶ楽になるはずだ。
エジルの給与を考えると『多少ボールを前に進めるのが楽になる』程度のリターンでは割に合わないのは確かだが、今のメンバーでアーセナルが出来ることはそれくらいだろう。
ジョー・ウィロックはこのようなエリアに入り込むことこそうまいものの、技術レベル的に深く引いた相手を崩すほどのプレイが出来ない。どちらかというと彼はスペースを与えてもらえる相手に輝くタイプ選手だ。
You want to see the big big problem with Arsenal summed up in one picture? It’s this pic.twitter.com/IMI5CX94rg
— JB™️ (@gunnerpunner) July 12, 2020
スパーズ戦ではペペが中央に入るような形も多かった。確かにペペは他の選手たちよりも相手への脅威となりうる選手だが、未だに状況判断力と技術面で改善の余地がある。
タッチミスからボールを失うことも多く、そういった点では彼は少しアンドレイ・アルシャビンを思い起こさせるものがある。アルテタが彼に一貫性を求めるのも無理はない。
また、もう一つの問題点がアーセナルの左サイドだ。オーバメヤンの左サイド起用の是非に関してはアーセナルファンが何度も議論を交わしてきたトピックだが、メインテーマはオーバメヤンの得点力をサイドでも生かせるのか、という点であることが多い。
実際のところ、オーバメヤンの得点数は左サイドでも中央でも全く変わりないのだが、より重要な問題は、左サイドに得点屋を起用することで、他の部分でも欠けているチャンス創出力を左サイドでも補えないという点だ。
Arsenal had 62% possession, made 260 more passes than Tottenham, but only 3 more into the final third, and 8 fewer key passes (Spurs =14, Arsenal = 6). #AFC also had an xG of 0.69, with the highest value effort at 0.12, didn't have a big chance & never led the running xG metrics
— Adam P (@ThreeFiveWho) July 13, 2020
4月の公式サイトの分析記事で、エイドリアン・クラークはペペとオーバメヤンが良い関係性を築きつつあるとしてk強いた。だが、今のフォーメーションでは彼らはうまく連携しようにも距離が遠すぎる。
攻撃面でチーム内の優れたアタッカー同士を近くに配置するというのはよくとられる手法だが、ここまでのところ、アーセナルはそれを高い頻度で実現できていない。
これが何を意味するかというと、アーセナル選手たちが別々に個人技で得点をもたらしてくれるのを待つしかないということだ。ブライトン戦のペペのゴールや、スパーズ戦でのラカゼットのゴールはこの部類に入るといっていいだろう。
ここまでのところアーセナルが相手の守備を崩すことに苦戦した試合では、プレスをかけて相手のミスを誘発する、あるいはエリア外からの素晴らしいゴールを期待することが唯一の得点源となってしまっている。
これは確かに素晴らしい種類のゴールだが、毎試合これに頼るというわけにはいかない
恐らく、ミケル・アルテタは試合が膠着している状態での交代策に関してもう少し勇敢になるべきなのだろう。ノースロンドンダービーのペペと坂との交代という策は想像力を欠いていたし、相手守備を攻略するための課題を何も解決しなかった。
守備陣を一人削ってサカを加えた方が、スパーズは頭を悩ませることになったに違いない。同じ役割の選手を交代して投入しても、相手チームは同じ戦術をキープすることが出来る。時折は、彼はギャンブルに出るべきなのかもしれない。
ベンチで彼を待つオプションが限られたものしかないのだとしても。
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