アーセナルの抱える深刻なチャンス創出力不足に関して 前編
アーセナルのMF(攻撃的MFは除く)は一試合当たり平均で0.86本のキーパスしか記録できていない。これは、一人当たりの数字ではなく、全員を合わせた合計値だ。
これはリーグ14位の数字で、またアシスト期待値でいうと、アーセナルのMFは一試合当たり0.06という非常に低い数字しか記録できていない。
これはなんと下にノリッチシティがいるだけのリーグ19位で、つまり、アーセナルのMFがごくまれにチャンスを作り出したときでさえも、ほとんどゴールにはつながっていないということだ。
この問題点はトッテナム戦で非常に明確だった。
アーセナルが相手の守備陣を何とか攻略しようとするのを見ていると、まるで誰かが大岩を丘の上に押し上げようとしている様子を思い起こさせる。
ではなぜ、ガナーズはここまで苦戦しているのだろう。それにはいくつかの理由がある。
まず、その多くは守備に起因している。アルテタもまたエメリと同じく、アーセナルという自転車は安定させるためには補助輪が必要という結論に達した。
ルイス、ムスタフィ、コラシナツ、ホールディング、そして守備的MFのタスクを任されることが多いジャカの全員が守備面で不安を抱えているのだ。
良いチームは自身の守備陣を危険にさらすことを厭わない。シティは時折フェルナンジーニョに頼りきりだし、リバプールではファンダイクが危険な状態で一対一に追い込まれることが多々ある。
だが、彼らは十分に優れた選手であり、これらの状況に対処できる。だがアーセナルにはそれが出来ない。
スパーズ戦でいつもより少し広い守備範囲を任された結果ムスタフィがどうなったかを見ればわかる。
したがって、アルテタは守備陣の選手たち一人ひとりのカバーしなくてはならない範囲を減らすために、攻撃陣の人数を一人減らす必要があった。
当然ながらCBを一人増やすことでMFは二人しか起用できなくなる。
もちろん後ろに人数を増やす分ビルドアップは楽になるが、とはいえコラシナツは40%の確率でボールを失ってしまう。
そして、ジャカは左足に持ち替えることさえできれば素晴らしいパスを出せるが、その時間の余裕は自陣の深い位置でならあるが、相手陣ではそんな余裕は与えられず、バックパスに追い込まれることが多い。彼は右足を使えないし、機敏なターンもできないからだ。
コラシナツとジャカは二人とも純左利きで、相手にとっては守るのが楽なことだろう。
さらに、仮にアーセナルが中盤で時間とスペースがあったとしても、そもそもボールをミドルサードからファイナルサードへと進めるシステムがないことも問題の一つだ。
最近のアーセナルはラムジー、ムヒタリアン、イウォビを失い、更に、エメリ、ユングベリに続いてアルテタもまた、エジルはチームへの貢献よりもトラブルの方が多いと判断し、戦力外となっている。
これらの選手は全員ライン間でのプレイができる選手で、中盤と前線を繋げる選手だった。
現在はラカゼットが下りてきてこの役目をこなすことが多いが、彼はあくまでセンターフォワードなので、相手のCBからすれば、わざわざ彼についてペナルティボックスを離れていく必要はない。
(後編に続きます)
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