アルテタはアーセナルの攻撃を機能させるのになぜ苦戦しているのか 後編

戦術

(この記事は前編の続きとなっています。)

オーバメヤンとラカゼットの同時期用

オーバメヤンとラカゼットを同時起用しても、アーセナルが良いサッカーを展開し、試合に勝利したこともあるのは事実だ。だが、この二人を同時に使うのは、バランスの取れた形とは言えない。

今の時代に、トップレベルのチームでストライカーを二人起用するところは極端に少ない。ルカクとラウタロ・マルティネスのインテルが数少ない例外だが、この二人はスリーバックとWBによってサポートされており、これはエメリがオーバメヤンとラカゼットをサポートするために用いていたやり方でもある。

アルテタはここまでのところより巧妙なやり方を用いている。フォーメーション上は4-2-3-1の左という形でオーバメヤンを起用しているが、より彼の直感的なプレイに合うように調整を施しているのだ。

アーセナルはここのところ18歳のブカヨ・サカを左サイドバックとして起用することを強いられており、アルテタはサカを前に上げてオーバメヤンが左のハーフスペースでラカゼットをサポートするような形を作っている。

サカが上がる際には、ジャカが後ろに下がりカバーに入り、これはジャカのボール配給という強みを生かせる形でもある。この結果、アーセナルは攻撃時に2-3-5、あるいは3-2-5という形になるのだ。それが、以下のバーンリー戦のアーセナルの選手たちの平均ポジションに表れている。

バーンリー戦でのターニングポイントとなったのはサカの負傷だった。ジャカが左サイドバックに入ることになったが、これにより左からのオーバーラップは失われ、結果としてオーバメヤンは通常のウイングのように左サイドでプレイしなくてはならなくなった。

前半にはバーンリーのサイドバックとCBの間を突いた形でオーバメヤンには二度良いチャンスが訪れたが、後半は、試合に決定的な影響を与えるには彼はサイドに張りすぎていた。

アーセナルが左サイドで数的有利を作り出す形を練習していたのは明らかだが、このプランAが試合途中で崩壊した際に、それに対応することが出来なかった。右に攻撃を切り替えることも出来ず、マルティネッリはあまり輝けなかったし、奇妙なことにペペはベンチに座ったままだった。

一月の補強に関してアルテタは『よりオプションを増やして、我々のやることが相手から予想されないようにしたかった。色々なパターンがあった方が、相手にとては対応するのが厄介になる。』とコメントしていた。

アーセナルは2週間のウィンターブレイク中にトレーニングを行い、左サイドに頼りすぎない攻撃を構築できるだろうか。また、最後に付け加えておくと、構造的な問題は別として、ラカゼットがゴール前で得点できていないことがチームに重くのしかかっている。

有能だが、一面的な中盤

アルテタ体制で、トレイラは素晴らしい活躍を見せている。ジャカも同様だし、ゲンドゥージも調子を取り戻しつつあるようだ。

だが、3人が個人レベルでは活躍しているとはいえ、恐らくアルテタは中盤の大切なピースが欠けていると感じているのではないだろうか。

マンチェスターシティと比較をするのは、フェアではないかもしれないが、しかし、今のところアルテタの監督のキャリアは非常に短いため、彼自身の方針というのが読みにくく、ペップの影響と比較されるのは致し方ないだろう、

これに加えて、アルテタがバルセロナのアカデミー卒であることを考えると、将来的にアルテタはアーセナルでよりクラシックな形の4-3-3を起用しようとするのではないだろうか。

今のアルテタのチームは、二人のMFがボールの後ろにのこり、その前の一人-大抵の場合はエジル-が攻撃を支える形をとる。シティのデフォルトフォーメーションである4-3-3では、守備的なMFは一人でその前に二人のMFを起用することが多い。

グアルディオラがやってくる前のイングランドなら、ダビド・シルバとデブライネを同時に起用するのは向こう見ずすぎるといわれただろうが、中盤に関してはパラダイムシフトが起きている。

アルテタにとっての問題は、アーセナルが抱えている8番タイプ(訳注: 守備的ではないボランチ)の選手が少なすぎることだ。一番適しているのはセバージョスだろうが、調子を保てておらず、アルテタの構想には入っていたに養田。

ウィロックはまだ粗削りながら、将来的な可能性はありそうだ。ゲンドゥージも、8番として機能する可能性はあるが、ジャカとトレイラには無理だろう。

つまり、これらを総合すると何が言えるかというと、アーセナルの中盤の選手のバランスは4-2-3-1向きだが、前線は4-3-3向きなのだ。

八月の時点では、アーセナルのラカゼット、オーバメヤン、ペペ(最近の活躍を見るに、この中にマルティネッリを含めても良いかもしれない。)という前線がリバプールの攻撃陣のようになれるのではという興奮が空気に満ちていた。

しかし、この3人のFWを起用するためのバランスを見つけ出すのは難しいということがわかった。そして、アーセナルファンは基本的にスリートップに1人あるいは2人、クリエイティブなタイプが含まれる前線に慣れきっている。

ここ10年でアーセナルの攻撃が機能していた時の前線を振り返ってみると、2010/11のウォルコット・セスク・ナスリ・ファンペルシー、2013/14のウォルコット、エジル、カソルラ、ジルーや、106/17のウォルコット、エジル、イウォビ、サンチェスの頃がある。

もちろんだからと言って、ストライカー偏重気味の前線が機能しないとは限らないが、そのためには、それに特化した中盤が必要かもしれない。恐らく、これが夏のアルテタの補強の課題となることだろう。

(Source: https://www.telegraph.co.uk/football/2020/02/03/mikel-arteta-struggling-get-arsenal-flowing-attacking-force/ )

スポンサーリンク

関連記事(広告含む)

Posted by gern3137