ブラジルの雷、ガブリエル・マルティネッリ 後編

選手紹介

(この記事は前編の続きとなっています)

とはいえブラジルでは、彼の評判は特に知られていたわけではなかった。もちろんそれも理解できることだ。ブラジルは大きな国だし、才能あふれるサッカー選手などそこら中に転がっている。

だがマルティネッリはイングランドですでに経験豊富なプロ選手のような振る舞いを見せている。それは、彼がすでにブラジル4部のイトゥアーノのファーストチームで2シーズンのプレイ経験があるからだ。

彼は完ぺきなピッチでユースサッカーをプレイしていたわけではなく、でこぼこのジャガイモ畑で、勝利ボーナスのためにどん欲に戦う大人たちを相手にしてきたのだ。

マルティネッリに関して最も魅力的な点は、彼が全く持って18歳のようには見えないということだろう。彼は粗削りで洗練が必要には見えない。彼は周りの環境に溶け込むのに何の問題も感じさせない、余裕のようなものを備えている。

今の時代には情報はすぐに拡散し、若い選手でも、全く無名の選手が突如としてスターになるというケースは非常にレアだ。

彼の同郷のリニエールやヴィシニウス、ロドリゴはレアルマドリードへ移籍する時点ですでにブラジルの次世代のスターだと称えられていた。ガブリエル・ヘズスは2017年にパルメイラスから移籍する際に、バイエルン、マンチェスターユナイテッド、レアルマドリード、マンチェスターシティの中から移籍先を選ぶことができた。

マルティネッリがブラジルの4部からアーセナルファンがセバージョスやペペ、ティアニーといった選手の獲得に浮かれていた夏にアーセナルに移籍し、そこから今のような活躍を見せるというのがどれほどありえないことなのかがわかるだろう。

アーセナルファンは他の多くのクラブのサポーターよりも、才能のある選手の見抜き方はわかっている。アーセン・ベンゲル体制でスタジアムの新設以降、チームは若手主体にならざるをえなかったからだ。

同時に、アーセナルファンは、才能を持っているということと、そのポテンシャルを引き出すことはまた別であると痛いほどよくわかっている。我々は何人もの選手たちがその才能を引き出せずにクラブを去るところを目にしてきた。

だからこそ、マルティネッリのプロフェッショナルな姿勢とオーラのようなものが余計に際立って感じられるのだ。彼はニコラ・アネルカやセスク・ファブレガスが10代だったころと同じものを感じさせる。

この二人は、初々しい10代の選手には全く見えなかった。即座にチームの一員となっていた。彼らはローテーションをして守ってやる必要はなかったし、まだ若いのだから、という言葉をかけてやる必要もなかった。

彼らは単にアーセナルの一員としてプレイしていたし、マルティネッリも今同じような立ち位置にいるのではないかと思う。

もちろん、アネルカとファブレガスに関して非常に興味深い点は、二人とも完全にはそのポテンシャルを発揮できなかったということだ。彼らのキャリアは素晴らしいものではあったが、10代のころに思わせような、バロンドールの候補に選ばれるほどのものではなかった。

アネルカは兄弟に悪い影響を受けて、最適でないタイミングでレアルへと移籍してしまい、またトラブルメーカーという評判も良くなかった。

振り返って考えれば、アネルカはもう1,2年アーセナルに残るべきだったと考えているに違いない。彼がアンリのようになっていた可能性もあるのだ。

一方でファブレガスは、彼の才能を最大限発揮するためにはチームがそのために構築される必要があった。だが、すでにメッシがいたバルセロナではそのような特権は与えられなかった。

チェルシーでの初期のころは、アデバヨールとの関係性を思い出させるような素晴らしい関係をジエゴ・コスタと築いた。あのチームはセスクの能力を最大限に生かすためのチームだった。

だが、アントニオ・コンテの監督就任とともにそれも終わり、彼は今モナコでキャリア終盤に差し掛かっている。

マルティネッリのキャリアがどのような道筋をたどるのかはわからないが、今のところ、アーセナルファンが彼らの想像力を解き放ち、彼らのお気に入りのブラジル人の華々しい将来を思い描いたとしても、誰も責めはすまい。

(Source: https://arseblog.com/2020/01/o-jovem/ )

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Posted by gern3137