ブラジルの雷、ガブリエル・マルティネッリ 前編
才能あふれた若手ほどエキサイティングなものはこの世界に多くはない。移籍市場と同じ理由で、彼らはサポーターの間で人気がある。ファンにとってそれはよりよい未来の可能性を夢を見るチャンスなのだ。その夢想の中には怪我や不調、モチベーションの低下、厄介な代理人などは存在しない。
新加入の選手と同じように、サポーターはまだ若手選手の欠点については良く知らず、強みばかりが目に付く。なぜなら、弱みをみつけても年を重ね、成長するにつれてそれらは良くなるだろうと思うからだ。
だがもちろん、現実の世界には 怪我や不調、モチベーションの低下、厄介な代理人などは全て存在しており、成長が順調にいくとは限らない。キャリアの序盤にピークを迎えてしまうような選手もいる。
今のところは、アーセナルファンはマルティネッリが将来オーバメヤンとアレクシスの代役になってくれるかもしれないと夢を膨らませているが、同時にスペインの2大クラブがマルティネッリを獲得しようとした場合にいくら位の移籍金が得られるか、などといった話までが話題に上るのは現代のサッカー界の現実を象徴している。
特にレアル・マドリードはネイマールとガブリエル・ヘズスの獲得を逃して以来、高い評価を得ているブラジル人選手を全員手に入れようとしているようだ。今頃マルティネッリを獲得できなかったことを悔しがり、虎視眈々とロンドンを注視していることだろう。
火曜日に彼はシーズン10ゴール目を決め、今季のアーセナルの数少ないポジティブの一つとなっていたが、この日、世界中がガブリエル・マルティネッリという名前に注目し始めた。
突如としてSNS上にマルティネッリの70m独走弾の動画があふれた。そして、これはいわゆる"アーセナルツイッター界"でだけの話ではなかった。特に衝撃的だったのは、ブラジル版Skyがこのゴールに関してのツイートをしたりと、ブラジルでもマルティネッリのアーセナルでの活躍が話題になり始めたことだ。
彼の父は息子をヨーロッパでの舞台での活躍に備えて訓練していた。バルセロナやユナイテッドからの興味を持たれていたが、マルティネッリと父親は出場機会を得られるかどうかを優先することに決めた。
マルティネッリはまるで、工場で生産されたかのようなエリートサッカー選手だ。Athleticに掲載されたジャック・ラングの記事によれば、彼の父は若いころからプロサッカー選手になるために、多くのことをあきらめるように息子を教育してきたのだそうだ。
この結果、マルティネッリはプロフェッショナルの極みともいえる選手に育ち、このことはチェルシー戦でキャプテンを務めたヘクター・ベジェリンも認識しているようだ。
『彼はいつも練習に早くやってくる。言われたことは何でもやるし、ピッチにすべてを捧げている。ゴールはそのボーナスみたいなものだね。』
多くのブラジル人選手は、トレーニングへの姿勢などをはじめとして、大きく異なるヨーロッパの文化への適応に苦労するが、マルティネッリは既に揺り篭にいる時から彼の父親の高い要求水準を満たしており、適応の必要は全くなかった。
(明日の後編に続きます)
(Source: https://arseblog.com/2020/01/o-jovem/ )
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