ミケル・アルテタ: ベンゲル×ペップのハイブリッド!?

オリジナル

もちろんアルテタはアルテタ自分なりのやり方で自身の監督としてのスタイルを確立させることを目指しているのだとは思いますが、先日のDAZNの放送でも繰り返し触れられていた通り観る側でもどうしてもなんとなくペップらしさを感じてしまったり、また同時にベンゲル監督を彷彿とさせる点も多くあります。

そして、ファンが見たいと感じているのもペップ&ベンゲルのいいとこどりのような監督像なのでしょう。というわけで、今回は個人的にアルテタのペップらしいと感じる点、ベンゲル監督らしいと感じる点をまとめてみました。

ペップっぽさ

ボール保持、ポジショナルプレーとハイプレス、偽サイドバック

戦術にはあまり詳しくないのですが、やはり攻撃時に2-3-5になり前の5人が5レーンにきれいに分かれる形や、同じレーンで被らないように気を付けている点など、戦術面ではポジショナルプレーをベースに組み立ているようで、やはりペップ・グアルディオラの影響が非常に大きいのかな、というのを感じさせます。

ボールロスとしたら即座に奪い返せ!という方針もペップっぽいですし、ナイルズが中に入る偽サイドバックの形もどうしてもらしいなあ、と感じます。

また、これはベンゲル監督も行っていたのでペップの影響なのか?と言われると100%はわかりませんが、ボール保持を志向するのもそうでしょうか。ベンゲル監督はインビンシブル時代には別にボールポゼッションを重視していた印象はありませんので、むしろペップのバルセロナとほぼ同時期というか直後にアーセナルでもボール保持が増えたような気がするため、どちらかというとグアルディオラが元祖でしょうか。

素晴らしい戦術家・戦術が出現したら研究され、その後継がオリジナルを超えていくのはどの業界でも宿命ではありますが、アルテタがペップから教わったものをベースにどんなサッカーを見せるのか期待したいですね。

ピッチでの立ち居振る舞い

これは同じスペイン人ということと、単純に気質の問題かな、という気もしますが、ピッチ上での姿は圧倒的にペップ寄りのような気がします。ベンチで座り冷静に試合を見つめることが多かったベンゲル監督とは対照的に、少し神経質な様子で歩き回ったり、頭を抱える仕草なんかはよく似ています。

また、服装という点でもスーツに身を固めるのではなく、ラフ目な格好をしていますね。これに関してはアルテタはスーツも似合いそうなので赤ネクタイを締める姿を見てみたいような気がしますが。とはいえ、やはりまだ現役を引退してから日が浅いこともあって、トラックスーツの活動的な格好もよく似合っていると思います。

ベンゲルっぽさ

サッカー哲学

上ではアルテタの戦術がいかにペップの影響を受けているかについて書きましたが、ピッチ上でのミクロなレベルでの戦術ではなく、より大まかな方針、サッカー哲学のようなものに関してはベンゲル監督の影響が非常に大きいような気がします。

具体的には美しいサッカーを目指す姿勢、相手の対策をしつつもそちらに主眼を置きすぎることなく自分たちの行いたいサッカーを重視、主導権を握ろうとすることなどですね。

引退時にアルテタが将来監督になったら目指すサッカーを聞かれ『僕の哲学は明確だ。サッカーは表現力にあふれ、楽しいものではなくてはならない。すべてが相手の対策に基づくようなコンセプトを受け入れることはできないね。我々が試合を支配し、イニシアティブを握らなくてはならない。観に来てくれる観客を楽しませなくてはならないよ。僕の中でこのことに疑いはないし、自分がこれを実現できると思う。』と語っていることからも明らかです。

特に『美しいサッカー』や『観客を楽しませること』への責任のようなものはベンゲル監督が繰り返し口にしていたことですね。グアルディオラが『私は美しいサッカーを求めているわけではない。チームの勝利を求めているだけだ』のようなコメントを出しているのとは対照的です。

選手からの信頼

また、監督就任してから一瞬でエジルやオーバメヤンをはじめとしたスター選手たちの心をつかみ、選手たちにこの監督のために全力でプレイしようと思わせることができたのは流石としか言いようがありません。

彼がいかに自身のチームに必要であるかを訴えて、ジャカの移籍を翻意させたりと、ポジティブな信頼ベースで選手に大きな影響を与えられるのはベンゲル監督と共通していますね。

会見でも繰り返しアーセナルの選手を褒め続け、選手への信頼を感じさせますし、信頼は双方向からのものなのでしょう。もしかすると将来的にはアルテタからの電話一本で選手はアーセナル移籍を決意した、みたいな話が聞けるかもしれません。

また、監督の素質としては直接は関係ないかもしれず、また別に特に影響を受けている、というわけでもないのでしょうが、会見で詩的で面白い言い回しを使ったりするのもベンゲル監督を長年観てきたファンとしてはどうしても重ねずにいられないですね。

今はまだ監督業を始めたばかりということもあり、ペップらしさ、ベンゲルらしさが注目されがちなアルテタですが、願わくば監督としてのキャリアを大成功させ、アルテタ流を確立させ、周囲の高い評価が間違っていなかったということを証明してほしいものです。

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