エメリはアーセナルの攻撃陣に自由を与え、攻撃を軸にしたチームを構築すべきである
今季のアーセナルはすべての点で昨季よりも後退しており、多くのアーセナルファンは代表ウィーク中の監督交代を期待していた。
しかし、ガナーズの上層部はそのつもりはないと明確に示し、従ってサウサンプトン戦でもエメリが指揮をとることになる。
とはいえ、それでもアーセナルの今季を救うためには、チームに何らかの変化が必要なのは火を見るよりも明らかで、 となると、アーセナルファンに残された希望は、代表ウィーク中にエメリが少し落ち着き、チームをよくする方法を見つけ出したのではないかという点だけだ。
私が思うに、チームは既に短期的な危機管理メソッドの必要がある時期にまで来ていると思う。
エメリはアーセナルに来て以来チームをいじり続けており、彼はアーセナルに『カメレオンチーム』であってほしいと語っている。だが、今のところアーセナルはどちらかというと『怯えた子鹿』チームだ。常に肉食獣の脅威に怯えているように見える。
戦術的な柔軟性を持つというのは確かに素晴らしい長期的な目標だが、そのためには基礎的な約束事がしっかりしていることが必要だ。しかし、今のところエメリのチームは基本のきの字も備わっていない。
選手たちは自信を無くしており、サッカー選手に限った話ではないが、人が自信を無くしているとき、ルーティーンこそが鍵となる。
エメリは少しチームへの要求水準が高すぎ、戦術やイメージを多く選手に教えすぎているのではないだろうか。
例えば、トレイラが現在の役割に満足していないのは明らかだ。であるならば、彼にトップ下ではなく最も快適な場所、守備陣のすぐ前でプレイさせてやるのはどうだろうか。
既にジャカの穴はゲンドゥージが埋めていることだし、その隣にトレイラを配置すれば、ボールを奪いシンプルにゲンドゥージに渡す、という役割をよくこなしてくれることだろう。
ペペを右サイドに置き、ラカゼットとオーバメヤンのどちらかをトップに据えればよい。現時点ではこの選択は難しくなさそうだ。
そして、もしエジルを起用するのであればトップ下に置けばよいし、あるいはツートップがよければレスター戦のようにウイングバックのようなポジションで起用するのではなく、普通のツートップとして起用すべきだ。
現状のスカッドは攻守のバランスをとるのが非常に難しく、その点ではエメリにも同情の余地はある。アーセナルは前線のタレントが多すぎ、チームに彼らを組み込むのが難しいからだ。
しかし、ノリッチやウエストハム戦はアーセナルのこの強みを生かす絶好のチャンスだ。これ以上ぎりぎりでの運試しのような勝負を挑み一点差で勝利を収めようとする(そしてその結果引き分けや敗北に終わる)のをやめるべきだ。
もちろん、攻撃に全てを賭けるようなやり方で長期的にうまくいくとは思えず、エメリあるいは彼の後任はきちんとした守備のバランスを見つけなくてはならないだろう。
しかし、エメリのどんな相手にもコンプレックスを抱いているかのようにプレイするやり方は機能しておらず、守備は全くましになっていない一方で、アーセナルの攻撃を鈍らせている。
であるならば、監督は試合結果をジャカ、ルイス、ソクラティス、コラシナツの守備力に委ねるのをやめて、ペペ、エジル、オーバメヤンの攻撃力を信じるべきだ。
彼らは再びサッカーの仕方を思い出す必要があり、格下の相手に快勝するのはそれにもってこいの舞台だ。彼らにシュートを浴びせ、ポゼッションで自陣にくぎ付けにするのだ。
もちろん、これによりアーセナルの守備は少しオープンになってしまうだろうが、そもそもアーセナルの守備が固いわけではないのだ。
エメリはまた一からチームの自信を取り戻す必要があり、このためには自分たちの強みを生かすのがまず第一歩となるだろう。
エメリはこれまでのアプローチをそろそろあきらめる時期に来ている。監督が新たな戦術をチームに仕込むためには、まずチームが自信をもってプレイできている状態を作り出す必要がある。現状ではアーセナルは本来の彼らを忘れてしまっているのだ。
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