監督選びの難しさ 後編
(この記事は昨日の前編の続きとなっています。)
アーセナルはもしかすると、まず暫定監督を任命しなくてはならないかもしれない。恐らくそうなればフレディ・ユングベリが本命だろうが、これは大きなギャンブルとなるだろう。若手で言えば他にアルテタもいるが、彼もまた、ユングベリほどではないものの、大きな賭けとなるだろう。
あるいは、アーセナルはそこまでパッとしないがそれなりに実績のある監督で満足しなければならないかもしれない。例えば、ベニテスを中国から引き戻したり、ニコ・コヴァチがフランクフルト時代の活躍を取り戻してくれることに賭けたり、などといった人選だ。
若手(もしフレディあるいはアルテタがアーセナルで監督をするつもりがある、という前提ではあるが)にせよベテランにせよ、ジョシュ・クロエンケ、サンジェイ、エドゥにとっては大きな試練となるだろう。私が思うに、だからこそ彼らはエメリにチームを立て直す時間を与えているのだと思っている。
サポーターからは多くのプレッシャーにさらされる(間違いなく私もその一部だ)だろうし、彼らの目はアーセナルフロントに注がれている。
もちろん、ギャンブルに出ること自体は悪いことではなく、例えば、フレディ・ユングベリをアーセナル監督に任命したら彼が次のグアルディオラだった、なんてこともあり得るかもしれない。
実際に、これがグアルディオラがバルセロナで頭角を現した経緯なのだ。もしアーセナルフロントが賭けに出て、それが成功すれば我々は皆彼らを大いに称えるだろう。
だが同じように、次の監督が大失敗に終われば、夏の間に評判を高めたエドゥとサンジェイ体制の評価は地に落ちるだろう。
もちろん、彼らが向き合わなくてはならない課題は非常に難しいものだということを忘れてはいけない。これは、我々ではなく、非常に高給を得ているクラブ運営陣の仕事なのだ。特に、我々ファンは監督や選手が実際に獲得可能かどうかについて、楽観的すぎる傾向にある。
ブレンダン・ロジャーズを例にとってみよう。彼は実際のところ、リバプールの三年間で、一度しかトップ4入りを果たしていない。だが、それから彼が監督として成長した、という見方は出来るだろう。
しかし、彼が今のレスターとアーセナルを比べ、レスターの監督にとどまる方が好ましいと判断したとしても当然だろう。特に既にシーズンはもう1/3終わってしまっているのだから。
アッレグリは今手が空いているが、アーセナルのスカッドは攻撃陣と守備陣のバランスがとれておらず、前線のタレントを使いこなす監督として適任なのかという疑問は残る。
最近のヨーロッパのトップクラブではレジェンドを監督として迎えるというルートが人気だが、アンリのモナコは散々だったし、ヴィエラもアーセナルに相応しいような成績はおさめられていない。そして、彼はニースで落ち着いており、アーセナルで今季末までのトライアルのような条件で監督を引き受けようとはしないだろう。
もしアーセナルがギャンブルに出るのであれば、彼らはそれを全力で遂行しなくてはならない。もう移籍予算はあまり残っていないはずだし、若手の育成が必要不可欠だ。モウリーニョの性格を棚に上げたとしても、彼が今のアーセナルに適任だとは思えない。
つまり、これらすべてが何を示すかというと、今のアーセナルは非常にデリケートに対処する必要のある問題を抱えているということだ。
全ての面で完璧な候補というのは恐らく存在せず、若手と共に賭けに出るか、あるいはまた安全策に出て、今回はエメリよりもうまくやってくれることを祈るか選択しなくてはならない。
今アーセナルは綱渡りの最中であり、世界中がそれを見守っている。
(Source: https://arseblog.com/2019/11/mr-right/ )
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