ペペがアーセナルにもたらすもの 強みと弱みを徹底分析! 後編
この記事は、昨日の前編の続きとなっています!
パスとボール保持時のプレイ
パスに関して言えば、ペペは逆サイド版のアレクシス・サンチェスといったところだ。これはアーセナルファンにとって良いニュースなのか悪いニュースなのかはサンチェスのプレーメイクの評価次第で意見の分かれるところだ。
敵陣深くやペナルティエリア近くでボールを保持した際には、ペペは常に中央へのスルーパスか、ファーサイドへのクロスを狙っている。
このようなタイプのパスに左サイドの選手が走りこむことでリール時代のアシストの多くは記録された。もしオーバメヤンが又左サイドでプレイすることになれば、このような形からの得点はまた増えるかもしれない。
また、右サイドでペペは下がってボールを受けることもある。昨季のアーセナルのビルドアップの多くは左サイドからが多かった。
これは、イウォビがいる際には機能したが、オーバメヤンが左にいる際には難しかった。ペペはオーバメヤンよりも遥かにビルドアップへの貢献が見込める選手であり、今季はオーバメヤンが定期的に左サイドにいるのであれば、ボール前進を右サイドで進めることの恩恵を受けることが出来るかもしれない。
また、これによりオーバメヤンを高い位置に留めることが出来、右サイドから供給されてくるボールに走りこむことに集中させることが出来るだろう。
恐らく、ペペのビルドアップとチャンス創出力の最も大きな弱点は、彼が逆足を苦手にしているように見える点だろう。アストン・ヴィラ戦では何度か外側から相手の左サイドバックを抜いたシーンが何度かあったが、右足であまり良いクロスを上げることが出来なかった。
もちろん、これはサイドの選手としては致命的な弱点からは程遠いが、これにより、彼がオーバメヤンとラカゼットに供給できるボールはある程度限られることになる。
オフザボールのプレイと守備
オーバメヤンにも迫らんとするほどのスピードを持ち、かつオールラウンドな能力に恵まれているペペはカウンターで大きな脅威となる。
既に述べたようなシュート、アシストの不安定さが今季ずっと続くような事態にならない限り(個人的には長くは続かないと思っているが)、ペペは今季カウンターから多くのゴールを決めることだろう。
これは、引いて守る時間が多かったリバプール戦で最も顕著に表れていた。ペペはアーセナルの選手たちの中では断トツで脅威となっており、ボックスからボックスへ走り続け、ヘンダーソンからボールを奪ってドリブルでロバートソンをかわし、残念なシュートを見せる、といったプレイを見せていた。
彼がアーセナルの主要な攻撃の武器であり、同時にプレッシャーを回避するうえで役立つ良いポストプレイも見せていた。
逆に、未だに見られていないのが、ペペのオフザボールでの知的な走り込みだ。これは必ずしもペペにはこれが出来ないということを意味しないが、アーセナルの最初の数試合ではほとんど見られていない。
また、ペペの守備力を測るのは非常に難しい。何故なら、エメリはタフな対戦相手の試合で彼にあまり守備の義務を与えないからだ。アウェイでのリバプールとワトフォード戦では彼はツートップの一角だったし、トッテナム戦では4-3-3だったが、ラカゼットが戻って守備をすることが多く、オーバメヤンとペペは上がって残っていることが多かった。
だが、これによりアーセナルの守備力が犠牲になったのは言うまでもないだろう。これが意味していることは、エメリがペペの守備への貢献を信頼していないか、あるいは、ペペのカウンターでの貢献が大きすぎ、守備に使うよりも前に残しておく方が良いと考えているかのどちらかだ。
結論
イウォビとムヒタリアンが去った今、アーセナルの左サイドはサイドのストライカーとして機能するオーバメヤン、あるいはネルソンやサカといった若手が務めるだろう。
エジルがチームを外れることが多くなりそうなこともあわせて考えると、ボールを運ぶ主要なアタッカーは今後もペペがつとめ続けることが予想される。ペペは既にそのドリブル力、創造力そして攻撃陣を率いるのに必要なメンタリティを備えていると示している。
彼が72Mという値札を正当化できるかどうか、また、エメリが彼の才能を引き出すのに最適な監督なのかはまだわからない。だが、ペペが今季のアーセナル、そしてアーセナルの将来にとって非常に有用な選手であることに疑いの余地はない。遅かれ早かれ、アーセナルファンがそのことを痛感する日が来るだろう。
(Source:
https://www.arsenalvisionpodcast.com/the-library/2019/9/30/nicolas-pp-early-review )
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