コシェルニーのプレシーズン帯同拒否がアーセナルに与える影響

分析James Mcnicholas

CL出場権を逃したアーセナルにとってこの夏が厳しいものになるのは予想できた。だが、まさかコシェルニーがアーセナルの頭痛のタネになると予想できた人はいないのではないだろうか。アーセナルはアメリカでプレシーズン真っただ中だが、そこにコシェルニーの姿はない。

酷いドタバタ劇を見せているアーセナルにとってはぴったりの出来事とさえいえるかもしれない。要求額の半額で選手にオファーを出したり、放出候補は全く放出できず、トッテナムと選手獲得で競合し、敗れそうになる。

だが、これらの出来事も、今回の事件と比べれば色褪せてみえる。アーセナルは長年リーダーが欠けていると批判されてきた。そして、そのリーダーがなんとアーセナルを見捨てたのだ。

コシェルニーに公平な見方をすれば、この事件がここまでの衝撃を引き起こしたのは、まったくもって彼の性格に似合わない振る舞いだからに他ならない。彼はここまで常に、勤勉で忠誠心のある振る舞いを見せてきた。

近年のアーセナルでは数少ない、アーセナルからステップアップしてメガクラブで活躍することのできる可能性もあったDFの一人だが、彼は選手としてのピーク時に移籍を志願することはなかった。だが、この夏彼は何が何でもフランスに帰還するつもりのようだ。

クラブと選手側の話から、事情を判断するのは難しい。BBCのオーンスティンによれば、コシェルニーはアーセナルと2020年以降もクラブに残る交渉をしていたのだという。だが、アーセナルがCL出場権を逃した時点でこの交渉は破談となった。

ボルドーやレンヌといったクラブが彼に三年契約をオファーしており、コシェルニー自身も母国でのキャリアに乗り気のようだ。まだ彼は契約を一年残しているが、ここまでアーセナルに尽くしてきたことでクラブが契約解除に応じてくれるだろうと考えていたのかもしれない。

確かに、かつてのアーセナルであればそれは実現していたかもしれない。ベンゲルとガジディスであれば、コシェルニーの望みを受け入れていたと想像するのは難しくない。そして、後日コシェルニーのプロフェッショナルな姿勢とクラブへの忠誠への報酬だとでも発表することだろう。

だが、アーセナルは変わった。今のアーセナルは哲学よりもプラグマティズムに支配されており、より選手に対して厳しい姿勢で接するようになている。サンジェイは、ラムジーとウェルベックのようにフリーでクラブを去る選手はもう出さないとしていたし、クラブはこの件に関して前例を作りたくないようだ。

もちろん、それはそれなりに合理的な判断でもある。アーセナルはどのような観点から見ても、コシェルニーをフリーで放出する余裕はない。

金銭的に見れば、アーセナルは一円でも稼げるお金は稼ぐ必要がある。アーセナルが要求しているとされる10Mというのは現実的ではないにせよ、未だにチーム最高のDFに対していくらかの移籍金は得ても良いだろう。

そしてこれは、二番目の理由に繋がる。アーセナルには、サッカー的な観点から見てもコシェルニーを失う余裕がないのだ。

だが、問題は恐らくアーセナルはコシェルニーの放出を免れないだろうということだ。クラブが公式声明を発表したことで、コシェルニーはもうアーセナルに居られない立場になってしまった。少なくとも、絶対にキャプテンを続けることは無理だ。

今季CBでアーセナルに獲得が噂されているのはサリバの獲得のみで、彼は2020年までクラブに加わらない。恐らくクラブの目論見としては、コシェルニーに頼りつつ今年の一年を乗り切るつもりだったのだろう。だが、選手にはその気はないようだ。

これがどのような結果を生むかというと、アーセナルに残った手段はシュコドラン・ムスタフィに頼るしかない。もし買い手がいればアーセナルが放出していたであろう選手だ。本来は守備陣を改善しなければならない夏だったのに、もしかすると、シーズン開幕を去年よりさらにひどい状態で迎えなくてはならない可能性すらある。

アーセナルのフロントは、大きなプレッシャーにさらされている。もし今回のコシェルニーの事件にどう対処するかには大きな注目が集まっている。確かにアーセナルファンはかつての優しすぎるアーセナルを批判したこともあったが、厳しい姿勢をとった結果、チームの成績が悲惨なことになるのであれば本末転倒だ。

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Posted by gern3137