SwissRamble氏のアーセナルの財務状況分析まとめ

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サッカークラブの経営について語らせたら右に出るものはなし、のSwissRamble氏が細心のアーセナルに関するレポートをツイッターにアップしていましたので、訳しつつまとめてみました。

恐らくarsecastに登場したりもしていたので、アーセナルファンなのではないかと思いますが、だいぶファンにとっては憂鬱な内容となっており、氏自身もフラストレーションを隠せないようです。

現在発表されている中では最新の2017/18レポートではアーセナルは税引き前70Mの黒字を記録、これはプレミアリーグ史上5位の数字だった。だが、今季トッテナム(139M)とリバプール(125M)がそれをはるかに上回る数字をたたき出している。

しかし、これは選手売却から得た120Mもの売却益によるもので、実際にはそれを除けば42Mのオペレーション(選手売却を考慮しない場合)赤字となっており、前シーズンには52Mのオペレーション黒字だったことを考えると94Mも落ち込んだことになる。

17/18とは対照的に、18/19シーズンは主要な売却がなく(ペレス、キャンベル、アクポンのみ)恐らく今季の会計では大幅な赤字を計上する可能性が高そうだ。アーセナルが赤字に転落するのは、2002年以来15年以上ぶりのことである。

アーセナルは2018年に利益が減少したビッグ6唯一のクラブであり、2016年からの他のビッグ6クラブは毎年100M以上の規模で成長を続けており、アーセナルの38Mというのは非常に低い数字である。トッテナムとアーセナルとの差は2016年には141Mあったが、今や10Mまで縮まってしまった。

2010年にはアーセナルの収入はユナイテッドについて国内二位だったが、2018年には5位にまで転落している。トップのユナイテッドとの差は200Mまで開き、4位のチェルシーとも59Mの隔たりがある。8年間でリバプールを上回っていた状態から今では66Mの差と100M以上の増加分の差がある。

また、国外に目を向けると、ヨーロッパの経営規模トップ20クラブのうち、衝撃的なことに、アーセナルの売り上げは30M減少と20クラブ中最悪であり、年度ごとの成長で他のクラブに大きく差をつけられている。

以前イヴァン・ガジディスは『我々はバイエルン・ミュンヘンのようなクラブと互角に張り合えるクラブになるだろう』と自慢したが、2009年の時点でアーセナルは世界第5位、バイエルンとたったの23M差につけていたのに対して、2018年にはアーセナルは9位まで順位を落とし、その差は168Mにまで広がった。

CL出場権を得られていないことがアーセナルの収入に与える影響は大きく、EL決勝に進出したにもかかわらず、アーセナルは32Mしか手にすることが出来ない。これはリバプールやトッテナムが98Mと90Mをそれぞれ受け取っていることを考えると、毎年50M以上差が開いていくということになる。

この2年間でアーセナルは断トツでヨーロッパの大会からの収入が少なく、たったの74Mしかない。リバプールやシティ、トッテナムといったクラブはこの倍以上の額を手にしており、ピッチ上での成功がいかに経営に影響を与えるかという証だ。

そして、これは国内の成績にも当てはまる。CLほどの開きはないが、順位のせいでプレミアリーグの分配分も減少しており、この3年で最低の成長率を誇り、リバプールの62Mと比べて41Mしか受け取っていたない。

そして、頼みの綱の商業収入も、この3年で全く上昇していない。2015年から4M増加しただけだ。他のビッグ6は38-79Mほど増加しており、どんどん引き離されて行っているし、トッテナムにはほとんど追いつかれてしまった。。

もともとアーセナルの商業収入が少ないのは課題だったが、さらに事態は悪化している。ガジディスは商業のエキスパートという話だったが、それはどこへ行ったのだろうか?

もちろん、19/20シーズンからアディダスやエミレーツ航空との新しいスポンサー契約が始まり、ルワンダとの契約もあわせて50Mほど増加するが、問題は、ほかのクラブも立ち止まってはくれないという点である。同じようにライバルたちの契約も条件が良くなっていくだろう。

エミレーツスタジアムへの移転でアーセナルのマッチデー収入は100Mまで上昇したが、これはずっと同じくらいの数字が続いている(もちろんこれは試合のチケット代が上がっていないということなので良いニュースでもある。)

だが、ライバルたちもスタジアム移転と増設によりマッチデー収入の上昇を計画しており、特にリバプールやトッテナムとの差は徐々に縮まってきている。

また、アーセナルは選手売却で資産を生み出すのも下手で、この5年間での165Mという数字はチェルシーの337<。トッテナムの265M、リバプールの260Mと比べると満足できるものではない。シティとユナイテッドと比べればまだましだが、彼らとは根本的にビジネスモデルが違うのであまり参考にはならないだろう。

実は、以前のアーセナルは(2009-13の期間中)選手売却により最も多額の資金をねん出したチームだった。だが、この点では最近はかつての面影はなくなってしまった。

そして、それと同時期にアーセナルの移籍市場での支出は跳ね上がる。だがそれでも、232Mというのはシティとユナイテッドと比べると半分以下の数字にとどまっている。少し遅すぎ、少し少なすぎたというべきだろう。

総合値でみるとチェルシーやリバプール、トッテナムよりも選手への支出は多いが、これは主に選手売却が上手くいっていないことに起因しており、実際に費やした金額をみると、360Mとリバプールの447Mやチェルシーの546Mと比べてもはるかに低い数字だ。

確かにアーセナルはようやくお金を使いだしたが、あまり上手に使うことが出来ていない。もちろん選手の評価というのは主観的にならざるを得ないが、2013年から数えて500M(750億円)使っていることを考えると、費やした金額のわりにそれだけの価値のある選手が獲得できていないというのは多くのファンが感じていることだろう。

スタジアムの移転に伴う不動産開発からアーセナルはそれなりの利益を得ていたが、これも額が減ってきている、去年は7Mと以前までの30Mにはあるかに届かない額だった。

また、確かにアーセナルが223Mという給与総額に苦戦しているのは事実だが、ライバルたちと比べるとまだまだ足りないというのは明らかだ。アーセナルの2015年以来の給与増加額31Mより少なかったのは28Mのチェルシーだけで、他のクラブはその3倍くらいの勢いで給与を増加させている。

良い比較の対象となるのがリバプールで、2015年まではアーセナルの方が給与総額が高かったが、今では40M以上の差をつけられている。今給与総額がアーセナルより低いのはトッテナムだけだが、トッテナムは給与総額異常から想定されるのをはるかに上回る成績を達成している。

もちろん、チェフ、ラムジー、ウェルベック、リヒトシュタイナー、オスピナといった選手たちの退団を受けて給与総額は下がるだろうが、活躍に見合っていない高給を受け取っている選手(エジル、ムヒタリアン、ムスタフィ)の問題にアーセナルは苦戦している。

さらに、このようにアーセナルがすべての点で収益が減少し、CL出場権をがしたという状態でもCEOのガジディスは満額の2.7M(約4億円)報酬を受け取り続けていた。これがどれくらいの額かというと、リバプールのCEOの法主の倍以上だ。 結果として、10年でガジディスは特に何もせず総額22Mを受け取ったこととなる。

さらに、アーセナルにとっては非常にまれなことだったが、2018年にはアーセン・ベンゲルと彼と共に去ったコーチングスタッフへの違約金として17Mへの臨時の支出があった。

2010年代前半にアーセナルが持っていた金銭的な優位性は完全に消えてしまった。2012年には、プレミアリーグの他の全クラブのキャッシュの合計(181M)と同じくらいのキャッシュ(154M)を保持していないも関わらず、TVの契約金が跳ね上がったことでプレミアリーグ全体のキャッシュは686Mとなり、たいしてアーセナルは231Mと優位ではなくなってしまった。

2011年にガジディスは意図的にキャッシュをためてきたと発言したが近年の移籍金と£の価値の低下により、これは全く持って意味の分からない作戦となり、酷い失敗となってしまった。

(Source: @SwissRamble)

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