アーセナルのスカッドをおさらいしつつ補強ポイントを冷静に考えてみよう 前編
夏の移籍市場序盤には、アーセナルの最優先補強ターゲットはストライカーと中盤、そしてそれぞれに明確な第一候補、ジェズスとティーレマンスがリストアップされている、とされていた。
だがそこから時は流れ、突然ファビオ・ビエイラがやってきたり、右ウイングのラフィーニャ獲得に動いたと思えば、その実現は難しくなったり、そして左SB/CB/CMFのリサンドロ・マルティネス獲得競争をマンチェスターユナイテッド相手に演じたりと、当初報じられていたよりも様々なポジションを巡って派手な立ち回りをクラブは見せている。
一方で、ティーレマンス獲得への動きは、報道を見る限り、アーセナル側が保留している様子などもあり、現状クラブがどのポジションの補強を最優先に動いているのかは少々不明瞭となりつつある。
このあたりで一度、移籍が濃厚の選手なども考慮したうえで現有戦力の状況を整理し、アーセナルの補強ポイントを考察してみようと思う。
プレミアリーグとヨーロッパリーグを並行して戦う上でどれだけの選手層が必要なのか、というのは答えがない問いではあるが、基本的に、11人それぞれのポジションにプレミアリーグで先発させても安心できるくらいのクオリティの選手が2人くらい揃っている、スカッドの状態を目標とすることにしてみよう。
GK
正GK: ラムズデール
第二GK: ターナー
第三GK: (恐らく)カール・ハイン
レノの夏の移籍のは可能性は非常に高いだろうが、アーセナルは既に控えGKを獲得している。
ターナーは素晴らしいシュートストッパーという触れ込みではあるものの、レノの実績と比べると、カップ戦要員としてはともかく、ラムズデールにもし怪我があったりしたときのことを考えると若干不安ではある。ただ、近年のアーセナルにオスピナやチェフ、マルティネスやレノといった非常にハイレベルな控えGKが揃っていたのはむしろ幸運で、本来プレミアリーグで全く出番のない可能性もある控えGKに質の高い選手を用意するのは難しいものだ。
ターナーは若干未知数ではあるが、ラムズデールによほどのことがない限り、今すぐにアーセナルがGKの補強に動くことはなさそうだ。
DF
右サイドバック: 冨安・セドリック (ホワイト)
右CB: ホワイト・サリバ・ホールディング
左CB: ガブリエル (サリバ) (ホールディング) (冨安)
左サイドバック: ティアニー・タヴァレス (冨安)
この移籍市場において興味深いエリアが守備陣だろう。
既にローンで離れていたマリを除けば昨季から放出はなさそうで、まだ100%確定ではないかもしれないが、ウィリアム・サリバもローンから復帰しここに加わることが濃厚となっており、むしろ層は厚くなる予定だと言っていい。ただ、アーセナルはかなりの熱量でアヤックスのリサンドロ・マルティネス獲得に向けて動いているようで、補強ポイントの一つだと見ているようだ。
マルティネスはキャリアを通してCBでプレイすることが多かった選手だが、左サイドバックや守備的MFとしてのプレイ経験もあり、アルテタは彼を左サイドバックとして見ているようだという報道もある。そしてそれに伴ってタヴァレスのローンでの放出も噂が出ていた。
もしサリバもホールディングもクラブに留まるのであれば、ガブリエル、ホワイト、サリバ、ホールディングに加えて冨安も控えるCBは十分な層の厚さに思えるが、やはり懸念は左サイドバック、ティアニーの怪我歴だろう。
ファーストチョイスのティアニーはこれまでのキャリアを見る限り、シーズンフル稼働を期待するのは難しいし、昨季控えを務めたタヴァレスはファイナルサードでの貢献は見込める一方で、昨季アルテタから全幅の信頼を得ていたとは言い難いのは明らかだった。加えて、アルテタは左CBに左利きの選手を起用するのにかなりこだわりがあるようなので、それもあって、両方がこなせるマルティネスの獲得に動いているということだろうか。
現在アーセナルはマンチェスター・ユナイテッドとマルティネスの獲得競争を繰り広げているようだが、ユナイテッドにはマルティネスの恩師テンハーグがおり、そこまで分の良い争いではなさそうだ。
もしアーセナルがマルティネスを獲得できなかった場合、新たな左サイドバック獲得に動くのか、それとも左利きCBの獲得に動くのか、はたまた左CMFの獲得に動くのか、それとも彼と同じようなユーティリティ性を備えたバックアップ候補がいるのか、今後の動きは非常に興味深い所だ。
最初に述べた各ポジションにプレミアリーグ先発を安心して任せられるだけの選手を二人揃える、というのを理想と仮定すると、確かに現状では、(サリバが左CBを問題なくこなせる、という前提での話だが)左サイドバックだけは多少心許ない、と言えるだろうか。
ディスカッション
コメント一覧
ベジェリンは本人が1年残留してから来夏にベティスに移籍したいのではないかと
いう見方もありますがどうなんでしょうね。
その場合でも半年ローンなどの可能性はぜろではありませんが
ハイライトを見る限りではありますが、
中盤底の控えも考慮して個人的にはラフィーニャよりもマルティネスに全力で行っていただきたいです。