ブカヨ・サカは守られなくてはならない
週末のアストン・ヴィラ戦でブカヨ・サカが足に穴が開いてもおかしくないようなタックを受けた。TV中継でも流れる血が見て見て取れた。
FBrefのデータによれば、今季サカがプレミアリーグで受けるファウルは58回目で、これは2位のガブリエル(32)や3位のラカゼット(30)に大きく差をつけてアーセナル1多い。
これに関して特筆すべき点は、サカへのファウルは多いが、チーム全体としてアーセナルは受けるファウル数はリーグ16位とすくないことだ。ちなみに、被ファウルではなくアーセナル側のファウル数も17位と少ない(にもかかわらず、レッドカード数はトップなわけだが)。
試合後、サカ自身がハーフタイムに主審とどのような会話を交わしたのかについてコメントした。
不満を言っていたわけではないけれど、これは僕のスタイルなんだと彼に知って欲しかった。相手選手には1対1をしかけるし、時々わざと僕のことを蹴ろうとしてくる選手からはもう少し守られる必要がある。審判に伝えたかったのはこれだけだよ。
これはとてもよい行いだと言えるし、試合後にミケル・アルテタも会見で『我々は選手の声にもっと耳を傾けるべきだ』とコメントした。
ただし、アルテタはもう少し強い口調でこれに関して語っても良かったのではないかとも思える。
20歳の若者が毎週相手チームの選手から蹴り飛ばされ続け、なかなかファウルやイエローカードをとってもらえない、という状況なのだから。
McArthur deadass just volleyed Saka and var didn’t even check pic.twitter.com/bIj0lSVtrw
— ⁷💙🏴 (@7Mcfcmax) October 18, 2021
上のマッカーサーの場面もそうだが、それ以外にも、ワトフォード戦でダニー・ローズにイエローカードすら出なかったのも不可解だった。そして、サカはバーンリー戦ではサカは7度ファウルを受けたが、審判の間ではバーンリーはフィジカルなチームだという認識であるため彼らが罰を受けることはない。最後に彼らがレッドカードを出されたのは何年も前だ。
そして、このような状況下でスティーブン・ジェラードのような元選手が以下のようなコメントをするのは全く助けにならない。
サカは良い選手で、素晴らしい才能の持ち主だ。だが、サッカーでタックルやフィジカルさについて不満を言うべきではないな。それがサッカーというものさ。私は今尻に何本かねじが入っていて、キャリアで16回手術を受けた。今は普通にジムに行くのも難しい。これがイングランドでサッカーをして生きていくということなんだよ。サカも早くこれを学ぶことだろう。
ねじが体に入り、16回の手術を受けたことを勲章か何かのようにひけらかすとは全くばかげたことだ。
サッカーは確かにフィジカルの要素が重要なものだが、なぜ彼らは『全ての選手が同じように耐え忍ぶべきだ』ではなくて『どうすれば、自分が苦しんだのと同じ思いを他の選手にさせずに済むだろうか?』のように考えることが出来ないのだろうか?英国フットボール界の古い体質だと言うほかない。
その後、ジェラードは以下のように続けた。
サカは我々が荒すぎると言ったって?だがそれならアーセナルはどうなんだ?彼らはファウルはゼロだったか?
タックルは試合の一部なんだ。私の認識違いでなければ、サッカーはコンタクトスポーツだ。タックルも、フィジカルさも、アグレッシブさもルール上許されている。
だが、そもそもサカはアストン・ヴィラが荒いなどと一言も言っていない。彼は一度も相手チームに言及したり責めたりはしていない。
記者会見では記者からわざと棘のある質問が飛んでくることがあるため、ジェラードの返答ももしかするとこれに対してのものなのかもしれない。だが、それでも彼の返答は的外れだと言わざるを得ない。
タックルはルール上許されている。だがファウルは違反だ。だからこそイエローカード、レッドカード、そしてフリーキックが存在しているのだ。
そして、私が思うにアーセナルファンはこれらの出来事に対して他のチームのファンよりも少々敏感で、それも理解できることだ。
特に2000年代のプレミアリーグでは『ピッチ上で踊るようなプレイを見せる生意気なアーセナルを叩き潰してやれ、英国流を見せてやれ』といったような空気が流れていた。アーセナルはやわなチームで、フィジカルさが嫌いだ、といった論調は多くのメディアであったし、これに馬鹿げた古臭い考え方を持った引退後の選手たちのコメントが状況を悪化させていた。
これは、本当に悲惨なアブ・ディアビ、エドゥアルド、アーロン・ラムジーの怪我と直接的に関係している。その結果、アーセナルの選手以外では見たことのないような酷い怪我が3度起きることとなってしまったのだ。
彼らは全員非常に有望な選手だったが、この怪我により、そのシーズンどころかキャリア全体が影響を受けてしまった。
ねじや手術に関して言えば、ディアビはジェラードよりも多く経験しているに違いない。だが、彼はジェラードがとった『弱音を吐くな、弱虫め』的な態度は絶対にとらないだろう。ディアビであれば選手をもっと保護すべきだというに違いない。
アーセナルファンがサカが受ける扱いに関して心配するのには理由があるのだ。我々は眼前で選手のキャリアが壊されるのを何度も見てきたのだから。
もし対戦相手のファンや監督がアーセナルファンが選手をルール違反のタックルから守るべきだという意見に対して苛立つのであれば、それはボクサーがベルトより下をパンチしてはいけないと言われて苛立つようなものだ。
とにかく、そこまで自信は持てないが、今回のサカのコメントが少しは流れを変えるのに役立つ結果となってくれることを願おう。
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