【アルテタの右腕】アルベルト・スタイフェンベルフとは?
サッカーの監督の仕事というのは時として孤独なものだ。これがどれほどプレッシャーのかかるものかは、ミケル・アルテタ自身が今季序盤に経験したことだろう。
こういった時には頼りになる相棒となれるコーチの存在が重要だが、アーセナルにもアルテタが招聘したコーチが何人か揃っている。
昨季の無観客の試合中に声を張り上げるところが特によく聞こえたのはカルロス・クエスタとミゲル・モリーナの若手二人で、スティーブ・ラウンドとイナキ・カナも指示を出していた。
その一方で、ベンチでより落ち着いた様子で座っていたのがアルベルト・スタイフェンブルフだ。彼は常に分析官たちからの情報を得るためにイヤホンを身に着けているのが話題になった。
だが、その落ち着き払った様子とは裏腹に、スタイフェンベルフも他のコーチたちと同じようにまた秘めたる情熱の持ち主だ。
昨季のバーンリー戦でグラニト・ジャカがミスを犯した際には座席に拳を叩きつける様子が見られたし、先日のレスター戦ではウーデゴールに直接指示を出していた。
彼とアルテタとの関係はアルテタがまだ現役だったころまでさかのぼることが出来る。
怪我で長期離脱となっていたアルテタはアーセン・ベンゲルの許可を得てウェールズのサッカー協会でUEFA Aライセンス取得のためのコースを受講していた。
このコースの担当講師で、ウェールズのコーチであったオシアン・ロバーツの紹介でアルテタとスタイフェンベルフが出会ったのだという。
この後も二人は連絡を取り続け、アルテタがアーセナルの監督に就任したのに伴って、ギグスやファンハールのアシスタントを務めていたスタイフェンベルフを自身の副官として招聘した。
フラストレーションがたまるような状況でアルテタがまず頼りにするのがこのスタイフェンベルフで、その様子はレスター戦でも見られた。
彼はビデオ分析を得意としており、チームの技術分析を専門としており、彼の綿密な指導がアーセナルの守備の改善に一役買ったと言われている。
9月にアルテタが最優秀監督賞を受賞した際にも、彼はコーチ陣への称賛を惜しまなかった。
素晴らしい気持ちだよ。チームが好調で試合に勝利しているということだからね。ただこの賞は私にとってより大きな意味を持つ。私と一緒に働いてくれるスタッフのおかげだ。彼らに非常に感謝している。彼らが毎日私に寄せてくれる信頼と情熱のおかげで、私は強さを保つことが出来るし、選手たちも我々のことを信じることが出来る。
アルテタがチームの立て直しに関して賞賛されるのは当然のことだが、その裏にいるコーチングスタッフの貢献も忘れられるべきではないだろう。
その中心にいるのがスタイフェンベルフで、彼がアルテタがアーセナルで戦術的な基盤を整える上で、一役買っているのだ。
source:
ディスカッション
コメント一覧
ぽじしょなるプレイと脱ぽじしょなるプレイ。簡単に行き来した功績は間違いなくこの人。アルテタの慧眼と言っていいと思う。よい部分を残し、進化というのはもたついているが、最終的に個々の倫理観。アルテタはその部分をしっかり押さえている。アーセナルにせよ英国にせよ、オランダのサッカーを何時かは学ばねばならなかったが、どうもトラブルになりやすく、ヨンカー氏もいなくなったし、監督で成功した人はいないしと、思っていたらこの人。顔つきも学者風になり軍師的な役割に腹を据える覚悟も出来た、と見える。