データを用いてアーセナルの控え左サイドバックを探そう 前編
アーセナルには新たな控え、あるいは競争相手に慣れる左サイドバックを探しているというのはよく知られた事実だ。ここまでのところ比較的信憑性があるクラブからの興味が報じられたのはハイバーニアンのジョシュ・ドイグとサウサンプトンのライアン・バートランドだ。
アーセナルの左サイドバックに求められるもの
アーセナルには強くて速いサイドバックが必要で、しかも攻撃力を備えたうえで中に入ってのプレイも出来なくてはならない。したがって、彼らはポジショニング面で優れていけなくてはならないし、ファイナルボールの質も高いレベルにあり、ボールの扱いも上手いという条件を満たす必要がある。
怪我がちであることを除けば、キーラン・ティアニーはこれを完ぺきに満たすサイドバックだ。
そして、彼の控えが明らかにティアニーと比べてグレードダウンしてしまうようでは困るし、プレイスタイルが全く異なるサイドバックも控えとして適していない。
これは言うは易し行うは難しというやつだが、世界中のリーグの選手をデータを持ちいて、ティアニーと似た傾向を持つ選手を探してみよう。
候補者を探すにあたっての要件
①24歳以下
②昨季30試合以上に出場
③デュエル勝率が55%以上
④タックル成功率が55%以上
⑤タックル、ドリブル、クロス、プレス関連のスタッツで良い数字を残している
②の条件で怪我がちな選手は自然と外れてくるはずだし、⑤で全体的にクオリティがそこまで高くない選手も外れるはずだ。そして③④で相手ウイングに簡単にやられるような選手ものぞけるに違いない。
候補として挙がった選手
オーウェン・ワインダル(AZ アルクマール)
ワインダルはフィジカルに秀でた左SBでオーバーラップすることもアンダーラップすることも出来る。彼がプレイする試合を観てみたが、彼は単独でサイドを制圧することが出来るので、普通のサイドバックよりも前目のポジションを取っていることが多いにもかかわらず、相手に突破されることはほとんどない。
彼はボックス外からのシュートも精度が高く、得点源にもなりうる。
懸念点は彼は控えを務めるにはクオリティが高すぎるかもしれないという点くらいだろうか。既にトップ6でファーストチョイスが務まる能力はあるようにも見える。
とはいえ、彼のようなクオリティの選手が左サイドバックの競争を活性化してくれれば、アーセナルの層の厚さは素晴らしいものになるのは間違いない。
マティアス・ビニャ(パルメイラス)
パルメイラス所属のビニャ獲得もアーセナルは考慮すべきだろう。攻撃的なチームでプレイしているが、この23歳のサイドバックはとても素早い選手というわけではない。しかし、彼はパルメイラスがプレッシャーに晒されたときに落ち着きをもたらす存在だ。
ファイナルサードではその突破力が輝くし、中に入ってのプレイが得意なので、アーセナルが4-3-3を起用するのであれば、左のMFとしてもプレイできるはずだ。
彼がいれば二コラ・ペペを左ウイングとして起用した際に、ティアニーと控えサイドバックのタイプの違いはそこまで気にならないはずだ。
時折集中力を切らすことがあるのが欠点で、それによりパルメイラスは不要な失点をすることがたまにあるが、ビニャ自身は選手個人としてそこまで悪くない。適正な価格であれば、アーセナルにとって良いティアニーの控えとなってくれるはずだ。
フェリペ・ジョナタン(サントス)
彼の獲得は私個人としてはそこまでお勧めではない。ドリブルの時にボールを強くけりだしすぎてしまうことがあるのと、外からの攻撃を好まず(彼はチームが攻撃する時にボックスのすぐ外で待っている)、フィジカル面でプレミアリーグに適応できるか不安がある。
また、ボールウォッチャーになってしまう事も多く、サントスの左サイドでを一人で担当しているにもかかわらず、幅をとるのがメインの仕事となっている。
彼はファイナルサードでのプレイは悪くなく、スピードあるウインガーへの対応も良い。しかし、ティアニーの控えという事を考えるとクオリティの差が大きすぎるため、アーセナルは他の選手を検討した方が良さそうだ。
(後編に続きます)
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