アンデルセンとプラートには移籍金を支払う価値がある
近年、サンプドリアは素晴らし育成クラブとしての評判を確立しつつある。このクラブは選手が成長するのに最適な安定した環境を作り出すように努め、その結果、的確なコーチングで選手の弱点を克服し、長所を伸ばすことで、トップレベルの成功を促すことが出来るようになった。
これには年齢は関係ないようで、なんとファビオ・クアリアレッリャを36歳にしてクリスティアーノ・ロナウドを破ってセリエAの得点王になる選手に成長させた。だが、それ以外にもサンプドリア出身の選手たちはイタリア中で活躍している。
現インテルのシュクリニアルは無名の二十歳からヨーロッパで最も将来を嘱望されるDFの一人に成長した。サパタもサンプドリアでイタリアでレギュラーを奪うすべを学び、アタランタをCLに導いた。その意味ではムリエルやコレア、パトリック・シックも同様で、そして、マウロ・イカルディもサンプドリアユースの出身だ。
サンプドリアの環境のすばらしさをルーカス・トレイラは良く知っているだろう。ノースロンドンへの移籍が決定した際に、サンプドリアサポーターへの感謝をつづる投稿の中で彼はこの二年でとても大きく成長できた、みんなは僕を歓迎して、信頼してくれた、とコメントしている。
どうやらアーセナルもそれを実感しているようで、サンプドリアからさらに二人を獲得する可能性があるという報道が出ている。
イタリアとイギリスの多くのメディアがアーセナルがヨアキム・アンデルセンとデニス・プラートに合計で48M€のオファーを出したと報じた。だが、ガゼッタ・デロ・スポルトのニコ・スキラによると、サンプドリアは55Mを要求しており、交渉は継続中なのだという。
アーセナルは昨季何度かサンプドリアにスカウトを派遣していたようで、恐らく彼らはプラートの活躍に感銘を受けたに違いない。彼はサンプドリアに三年在籍しており、ハードワークもこなせる知的なMFだ。
Embed from Getty Images彼は体格もよく、ボール保持を全く苦にしない。スペースを見つけるのもうまく、相手守備陣の弱みを見つけるために常に走り回っている。彼のパスは素晴らしく、チャンスを作り出すのも非常にうまい。
彼の得点(2)とアシスト数(3)がそれを反映しているように見えないのは、今季は本来のポジションよりも後ろでプレイすることを求められることが多かったからだ。
彼は相手選手をかわして振り払うことも出来るが、守備の義務を怠ることはない。オプタのデータによると、平均で、1試合当たり2.7の成功タックルと1.1のインターセプトを記録している。トレイラと同じように、彼はずっと走り続けることができる。
ただ、プラートの場合はその激しさが不用意なファウルにつながることもあり、この点が改善すべき課題だともいえる。
誰がプラートをここまでの選手に引き上げたのかにはあまり疑問の余地はなく、選手自身が『彼は世界でも最高の監督の一人で、特に若手にとっては最適だ。彼の戦術は素晴らしいし、若手が成長するのを助けてくれる。最初は困難だったし苦労することもあったのは認めなくてはならない。でも、今は調子は最高だよ。彼のサッカー観は僕の性格とよく合っていた』とサンプドリアのジャンパオロ監督を絶賛している。
そして、この12か月間で彼のもと最も大きく成長を遂げた選手の一人がアンデルセンだ。この193cmのCBは、シュクリニアルの代役として2017年の夏に獲得されたが、当初は平凡な選手にすぎず、このシーズンは6試合しか先発出場しなかった。だが、ほかの多くの選手と同じように彼はサンプドリアの指導のエキスパートたちから多くのものを得たようだ。
Embed from Getty Images今季は32試合に先発出場し、全ての点で大きく成長を遂げていることが見て取れた。恵まれたフィジカルを持ち、空中戦に強く、肉弾戦を挑んでくるストライカーとの戦いを楽しんでいるようだ。小柄で素早いストライカーについていくだけのスピードはないが、ポジション感覚が素晴らしく、この弱点をうまくカバーできている。
また、アンデルセンはボール保持時にも良いプレイを見せる。90分当たり平均で63.4本のパスを記録し、成功率は88.8%だった。ジャンパオロ体制のサンプドリアはバックラインからの組み立てを好み、アンデルセンは特にそれを苦にすることなくプレイできていた。
彼のように知的で、自信を持ち素早いパスを回せるという能力は今やトップレベルのCBに必要不可欠なものとなっており、彼のトゥウェンテといったクラブでの経験も役に立っているのだろう。
過去にずっと行ってきたように、サンプドリアは素晴らしい選手の育成を続けておりアンデルセンとプラートもその例外ではない。アーセナルもそのことに目聡く気づき、彼らを手に入れようとしているようだ。
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