ティアニーの代役に最も適しているのはサカである
キーラン・ティアニーはアーセナルにとって『絶対に外せない』カテゴリーに分類される選手の一人だ。今季を通しこのリストはそれなりに出入りがあり、実績がある選手もこのリストからは外れたりしたが、ティアニーは常にこのような存在だった。
そして、アーセナルにはティアニーの代役と言える選手がいない。コラシナツは1月にローンでシャルケへと移籍してしまった。もちろんこの二人のクオリティの差は歴然だが、それでも一応コラシナツは左サイドバックだ。
では最近は誰が代役を務めているかというとセドリックで、確かに彼は悪くない。だが、悪くはないものの特によいわけでもない。
国際試合の過密日程をこなした直後に出場していたリバプール戦ですら、明らかにアーセナルはティアニーが出場していた前半の方が良かった。
もちろんこれはセドリックに何か非があるというわけではないが、ティアニーを欠いたことにより、リバプールとの差はさらに広がってしまった。
この二人はそもそもプレイスタイルが全く違うというのもあり、これこそが私がティアニーが離脱するのであれば、ブカヨ・サカを左サイドバックとして起用することを真剣に検討するべきだと考える理由だ。
私が思うに、一番ティアニーにタイプが近いのがサカで、現在のサイドバックというポジションの重要性を考えるに、このポジションのバランスを出来るだけ崩さないようにするのが重要だ。
もちろん、右ウイングとしてのサカがあまりにも素晴らしいので、彼をそこから動かすべきではないという意見もわかる。
それは理解しているが、だが我々には少なくとも前線は(彼らが完ぺきだとは言えないにせよ)いくつかのオプションがある。
良い日のペペと気の抜けた日のペペの差は凄まじいが、今季彼はほとんど継続してチャンスを与えられていない。良いプレイを見せても次の試合で外されてしまうような時もあった。
このような状態ではリズムや自信を掴むのも難しいに違いない。ペペは今まで見せた以上のことが出来るはずだ。
そして、右サイドならウィリアンもいる。彼は私のお気に入りの選手からは程遠い。確かにチームのアシストランキングトップだが、彼はアーセナルで平凡なプレイしか見せられていないのは事実だ。
しかし、彼にフェアになってみると、確かにウィリアンが最も調子を落としていたのはアーセナルが絶不調だった11-12月だし、そもそも彼はキャリアを通してほとんど右ウイングでプレイしていたのに、左や中央で起用されることも多かった。チェルシーとブラジル代表で最も輝いたのは右サイドでだったにもかかわらずだ。
さらにこの二人に関して言うと、ペペとウィリアンが評判を落としていた時には、基本的に彼らは右サイドバック以外に連携できる選手がいなかった。アーセナルには上手くスペースに入ってくれるような中央の選手がいなかったからだ。
だが、今のアーセナルにはウーデゴールがおり、これはペペとウィリアンにとってもプラスに働くだろう。
したがって、確かにサカを右ウイングから外すことで失うものもあるが、彼とペペ/ウィリアンとの差はティアニー/セドリックほどではないように感じる。
そして、以前はサカは左サイドでも問題なく活躍していたという事も思い出す必要がある。
彼がデビューしたシーズン、主に彼はウイングバックとしてプレイしながら11アシストを記録しているのだ。今のアーセナルは、左サイドバックにファイナルサードに走りこむことを要求するし、それなのであれば、サカがそこからハイクオリティなボールを供給することも出来るだろう。
今季でさえも、サカが試合中に緊急で左サイドバックを務めた際にチャンスを創出できることは示している。
つまり、左サイドバックとして起用するからといってサカの攻撃力が全く生かせないというわけではないということだ。
単純にエリアが少々異なるだけで、確かに得点という意味ではウイング時ほどは望めないかもしれないが、チャンス創出の機会は多くあるはずで、これがティアニーを欠くことによって失うものを埋めてくれるだろう。
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