アルテタアーセナルは前進しているか?
私は普段、一つの試合に焦点を当ててコラムを書くことが多い。大体の場合、何について書くかの仮説を立てた状態で2,3倍速でもう一度試合を再生する。
もう一度見返すことで分析に役立つというのもあるが、アーセナルファンとして、リアルタイムに試合を見ているときに分析をしたくないからだ。
結局のところ、サッカーというのは試合を見てそれぞれが何を感じ取るかというのが全てなわけだが、土曜日の試合はまたしてもフラストレーションのたまるものだった。
今季アーセナルはプレミアリーグ27試合で11勝しかできておらず、改善の兆しは見えているが直近の7試合で2勝しかできていない。
しかし、クリスマス以降こういった試合はいくつかあるのだが、やはり今回のバーンリー相手の試合も今季序盤の残念な試合とは異なって感じられた。
フラストレーションはたまったが、心がくじけるようなものではなかった。むしろ、この試合は私の最終的にはアーセナルは大丈夫だろうという確信をより強めた。
チェルシー戦の前には我々は、そろそろアーセナルが降格争いに参戦するかもしれないという事実を受け入れなくてはならないだろうか?などといった会話を交わしていたのだ。
順位表がそう示していただけではなく、それは特にアンラッキーなものだとも思えなかった。アーセナルの実力通りの順位だった。
我々はアストン・ヴィラ、トッテナム、ウルブズ、エヴァートンに敗れ、今季のプレミアリーグで今後何か得られるものがあるとは思えなかった。
7戦無勝でクリスマスを迎え、この時15位だったアーセナルのスタッツもこの順位が概ね妥当であるということを示していた。
確かにアーセナルはゴール前では少しアンラッキーだったかもしれないが、そもそも試合早々にリードを許し、追う展開になると、相手チームは追加点を決めようとするのはやめ、アーセナルの攻撃相手であれば守り切れると踏んでいたので、アーセナルのxGは試合の実際の展開よりも大きく出る傾向にあった。
もちろんアルテタが解任に近づいていた、というわけではないだろうが、この時点でファンの信頼は揺らぎつつあった。
だがここでチェルシー戦を迎えることとなった。3バックの撤廃、トップ下にスミスロウ、ウイングバックではなくウイングでのサカの起用。
そして、この試合でアーセナルは内容でも上回り、勝利を収めた。
この好調はずっと続き、アーセナルが得点できずに敗北する回数は減った。だが、自分たちのミス(ルイス、ジャカ、セバージョス)あるいは不運な判定(ウルブズ戦のルイスやバーンリー)でポイントを落とすことにはなった。
確かにこれらはフラストレーションがたまるが、大きな意味があると思う。
実際の勝利に繋がってはいないにしても、アーセナルは勝利をおさめられても犯しなくないようなパフォーマンスを再び見せられているのだ。
そして、これはもう数か月続いており、一時的なものではないことも証明されている。クリスマス以来、シンプルに言えばアーセナルは良くなったのだ。
別にアーセナルが以前と比べてラッキーになった、というわけでもない。
昨季や今季の序盤と比べてアーセナルは前目の位置でプレイできる時間が増えている。プレスの頻度が上がったわけではないが、より高い位置でプレスをかけるようになっているし、守備のソリッドさは保ちつつシュート数は増えている。
基本的なスタッツを分析して1試合ごとの数字を出してみると、そのすべてが上向いているのがわかる。
今季はスケジュールが過密すぎるせいで、各チームともにプレスを維持するのに苦戦しており、奇妙なランキングとなっているが、それでもアーセナルの数字が改善されているのがわかる。
もちろん、まだまだ改善点は多い。この2か月のアーセナルに満足しているからと行って、アーセナルの現在の立ち位置に満足しているというわけではない。単に、その前と比べて改善されてきているのに葉満足している、というだけだ。
改善に満足するということは別にこれ以上改善の余地がないと考える、ということではないし、アルテタ自身もまだまだ仕事は多いと認めている。
もちろんこれはまさにその通りで、アーセナルはバーンリー相手に試合を決めきれず、同点弾をプレゼントしてその後単調な攻撃で残り10分になるまで相手ゴールに迫れないようではだめだ。
だが、今季の序盤はバーンリー戦のように、得点を目指して終盤に畳みかけるような試合展開は見られなかった。
だが今回の試合ではそれが出来たし、ここから得点が生まれていてもおかしくはなかった(PK以外にも、ペペのシュートをピータースがブロックしたのはアンラッキーだったとしか言いようがない)
バーンリー戦のようなパフォーマンスは今季序盤にはアーセナルにはできなかったものの一つで、今後今季の山場を打負けるアルテタと選手たちだが、アーセナルの進む方向は悪くないように思える。
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