マヴロパノスの将来はアーセナルにあるか

分析海外記事

この世に絶対に避けられないことは3つある。死・税金・そして引き抜かれるアーセナルの若手だ。

これはアーセナルファンにとっては不運な現実というしかないのだが、またしてもこの夏、アーセナルはチーム作りの岐路に立たされることとなる。

マルティネッリ、サカ、ウィロック、ネルソンらの若手はアルテタがチームに留めたいと思えるだけの活躍は見せたはずだ。監督の考えを伝えやすい若手は彼にとって有用な選手たちとなるに違いない。

今季の終わりと共にハダスフィールドからアーセナルに戻ってくるエミール・スミス=ロウと並んで、この夏の将来が不透明な選手がもう一人いる。

それがマヴロパノスだ。

かつてはアーセナルの守備陣の将来を担うかもしれないと期待されていたが、この夏彼は自身のキャリアを左右する決断を下す必要がある。

今は彼はニュルンベルクにローンに出ており、良い活躍を見せている。加入して以降行われた11試合のうち10試合で先発出場しているのだ。

降格圏間際に沈むニュルンベルクにおいてマヴロパノスは守備の中心となり、90分当たり5.1回の空中戦勝利、3.4回のインターセプト、4.2回のクリアという素晴らしいスタッツを記録している。

これらに加えて、パス成功率も82.3%、90分当たり50.2本のパスに6.2本のロングボールと、22歳ながら既に万能な能力を備えていることを示している。

マヴロパノスにとってはこのローンはトップレベルでの出場機会を求めるうえでの希望の光となったが、それと同時に、アーセナルは難しい選択をする必要に迫られている。

もしルイスが契約延長し、パブロ・マリが完全移籍で加入するとすれば、アーセナルはチェンバースを除いてもなんと7人ものCBを抱えることになるのだ。

マヴロパノスとサリバが来季復帰することを考えると、監督はベテランたちを放出し若手に託すか、あるいは評判が良いうちに何人かを売却するべきかを考えなくてはならない。

その候補に含まれるのがマヴロパノスだ。

ルイスが契約延長するかは確定しておらず、ソクラティスとムスタフィの契約切れも近づき将来は宙に浮いている。

アルテタのもと若手を活用し、長期的な成功を目指すということであれば、当然ながら賢い方策は、ルイスと契約延長を行わず、ソクラティスを売却する、ということになる。

このルートであればマヴロパノスはサリバとコンビを組む候補の一人としてチームでチャンスが与えられるだろう。これは、コシェルニーとメルテザッカー以来の黄金コンビとなれる可能性を秘めている。

だが、実際の状況はもう少し複雑だ。

マヴロパノスがニュルンベルクのベストプレイヤーといえるほどの活躍を見せているのは事実ではあるが、それでもドイツ二部とプレミアリーグの差は大きい。

現実的には、チームに残るとすれば少なくとも今年はマヴロパノスは3番手あるいは4番手のCBの枠を目指して戦うことになるだろう。

アーセナルの決断次第だが、アーセナルがもしマリを獲得しルイスの契約延長をするのであれば、マヴロパノスはCBのローテーション入りをかけて、ムスタフィ、ソクラティス、サリバ、ホールディングと争わなければならなくなる。

現在の状況では、マヴロパノスは再びローンに出されるか、あるいは売却されてしまう可能性が高そうに見える。

昨年もドイツ方面から多くの興味が報じられていた。もし再びレンタルに出されるのであれば、アーセナルは2部ではなくブンデスリーガのチームを選ばなくてはならない。

アーセナルは買取オプションを契約に含めるかどうかに頭を悩ませることになりそうだ。あるいは、完全移籍+買い戻し条項という手もある。

だが恐らく決断を下さなければならないのはマヴロパノス本人で、22歳の彼はそろそろ定期的な出場機会を得なくてはならないと思っているだろう。

そして、それがアーセナルで訪れる可能性は今のところあまりない。

マヴロパノスが自身の将来を他クラブに見ている可能性は大いにあるし、その場合クラブ側に出来ることはあまり多くない。

となると、現実的には今の時点で売却してしまうのが、全員が幸せになれる道かもしれない。サリバはまだアーセナルでプレイしていないが素晴らしい才能を持つ若手だという触れ込みだし、他にも良いオプションはそろっている。

マヴロパノスがそれなりの値段で売れれば、アーセナルが最重要課題としている中盤の補強に予算を回すことも出来る。

残念だが、全ての有望な若手がアーセナルに留まるわけではなく、もし彼らのキャリアがアーセナルでないところで花開くのであれば、それも運命だったのかと思うしかないだろう。セルジュ・ニャブリを見ればよい。

アーセナルの今後のためには、この夏正しい選手をクラブに留める必要がある。その中にマヴロパノスが含まれているかどうかは時間がたたなければわからないだろう。

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Posted by gern3137