モウリーニョの監督就任はアーセン・ベンゲルと彼が残したものへの裏切りだ
あまりありえなさそうな話だが、またしても、ジョゼ・モウリーニョがウナイ・エメリの後任の候補として噂に挙がっている。
スペイン方面の報道によると、彼自身がアーセナル再建の仕事に興味を示しているというのだ。モウリーニョは2018年にユナイテッドに解雇されて以来、監督職には就かず、TV解説者としてのキャリアを送っている。
彼の故郷のクラブであるヴィットーリアがヨーロッパリーグでアーセナルと戦った際には、試合を観戦に訪れてさえいる。
しかし、実績こそ申し分ないものの、彼がエメリに満足していないファンにとっての解決策となるとは考えづらく、ガナーズの監督に就任する可能性は低いだろう。
確かに、モウリーニョであれば、一貫性のあるサッカーを展開してくれることは間違いないだろうが、それはアーセナルの価値観と相いれないものだ。
エメリですらプラグマティックな監督だと評価されるが、モウリーニョと比べれば可愛いものだ。彼の哲学はアーセン・ベンゲルがアーセナルに植え付けたものとは真逆で、エドゥ、サンジェイ、ヴェンテカシェムはベンゲルが残したものを守っていきたいと考えている。
ボールを持ち、魅力的で、流れるようなサッカーを展開し、MFとFWが輝けるプラットフォームを構築し、彼らがその日の見せ場を作る。それは、モウリーニョサッカーの対極ともいえる。
彼は相手に応じた戦術を講じ、リスクよりも慎重さをとる。インテルでは今のアーセナルと同じように、素晴らしい攻撃陣に恵まれていたが、サミュエル・エトーを後ろに下げて右サイドバックの守備を助けるために使ったりもした。
ユナイテッド時代のチームは選手が本来の実力を発揮できていないように見えることも多く、代名詞ともいえる守備ですら、そこまでうまくいっていなかった。
また、彼のユナイテッド時代の成績はアーセナルにとっての警告となるだろう。
22年をアーセナルで過ごしたアーセン・ベンゲルは、ファンそしてクラブで働く人々に向けて、『すべてのアーセナルを愛する人たちへ、クラブの価値観と信念を守っていってくれ。』という言葉を残した。
モウリーニョはこれらの全ての価値観を壊してしまうだろう。確かにエメリの監督としての力量が要求水準に達しているかはわからないが、それでもモウリーニョは超えてはならない一線とでもいうべきものだ。
彼は常にガナーズのライバルだったし、プレイスタイルの問題だけではなく、彼はいつも若手よりもベテランを好み、高額な選手の獲得を望む。彼はベンゲルのことを失敗のスペシャリストと呼んだ男で、個人的な確執もある。
モウリーニョはチェルシー、ユナイテッド、レアルマドリードで何百億円もの資金を費やし、最終的に選手からの信頼を失い、そしてピッチ上でもアイディアを枯らしてしまった。
そもそもこのようなお金は、まずアーセナルをCLに導いてからではないと与えられないだろう。
エドゥとサンジェイがアーセナルに抱いているビジョンは全く異なるもののように思える。モウリーニョはアーセナルのチーム、そしてThe Arsenalの価値観とは相いれないだろう。
(Source: https://www.football.london/arsenal-fc/transfer-news/jose-mourinho-next-arsenal-manager-17173468 )
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