【戦術コラム】リバプールに学ぶシティの4-2-4プレスへの対処法

分析Lewis Ambrose,海外記事

少し逆説的に聞こえるかもしれないが、ミケル・アルテタは、ここ20年で最も重要と言うこともできるシティ相手の一戦を前に、直近で同じ相手に0-4で敗れたチームから学ぶ必要があるかもしれない。

ペップ・グアルディオラはビッグゲームに臨む際、しばしば戦術的な修正やサプライズ起用を行う。

先月のカラバオ杯決勝でもそれは同様で、彼は前線4人に前からプレスをかけさせることはせず、水色の壁を形成し、アーセナルがそれを攻略できるか問う、という戦術を採用した。今季はマンツーマンディフェンスが何度も話題になっているが、グアルディオラが選んだのは真逆のアプローチだった。

そして、アーセナルはその解決策を持ち合わせていなかった。

プレミアリーグの優勝の行方は、今日のマンチェスター・シティ戦で決まる可能性が高い。

そして、シティは前回の試合前よりもさらに好調で勢いがある。彼らは直近3試合でアーセナル、リバプール、チェルシーをいずれも無失点で下している。

シティはこのすべての試合で守備時に4-2-4の形を採用した。

中でも最も点差が開いたのがリバプールで、FAカップ準々決勝でエティハドにて0-4で敗れたが、彼らの序盤の戦い方からアーセナルが学べる点はある。

実際の所、この日のリバプールは試合最初の30分間、非常に良い内容だった。

この時間帯にリバプールは6本のシュートを放ったが、その2週間前のウェンブリーでの試合では、アーセナルが同じシュート数を記録するのに70分かかった。

リバプールはこのパフォーマンスを維持できず、PKでの失点から崩れたが、シティの4-2-4での守備に対するボール前進の方法を見つけていた、という点は、2週間前のアーセナルとは異なった。

カラバオ杯決勝では、シティの前線4人はコンパクトに並んでボールを持つアーセナルのCBとGKをただ見守り、ライスとスビメンディへのパスコースを遮断していた。

この際、ライン間ではアーセナルの中盤には信じられないほどの非常に大きなスペースがあるが、そこはマークもプレスも行われない。なぜなら、そこにボールが入る危険性がほとんどなかったからだ。

さらにシティは速攻にも対応できるだけの人数を後方に残しており、ハーフライン付近での数的優位もあって、アーセナルがロングボールを選択しても対応できる状況だった。

この局面では、わずか4人のシティの前線によって、7人のアーセナルの選手が自陣に縛り付けられている。

後半開始時には、シティの前線と中盤の間のスペースはさらに広がっていたが、それでもアーセナルは自陣から抜け出す術を見つけられなかった。

この時ベルナルド・シウバとロドリはもう画面に映ってすらいない。

注目したいのは、アーセナルがついにロングボールを蹴ろうとした瞬間、彼らが非常に低く、ハーフラインに近い位置にいる点だ。

結果的にロドリがヘディングで競り勝ち、この時シウバは、彼にプレッシャーをかけられる可能性のあるアーセナルのどの選手よりも近い位置にいる。

アーセナルはセカンドボールに全く寄せられていなかった。

加えて、ロングボール対応の際にミスが起きてボールがこぼれたとしても、シティはその後方に3人を残しているため、アーセナルの2トップに対して数的優位を保っている。

状況はシティの完全なコントロール下にあり、アーセナルは何もできなかった。

サイドバックへの浮き球のパスは、シティのウイングとサイドバック2人から即座にプレッシャーを受け、サカやトロサールが中盤に落ちて数的優位を作ろうとしても、状況は改善されなかった。

この二人が中に入ってライスとスビメンディとともにボックス型を形成しても、シティはロングボールをカバーしながら中央で彼らを捕まえていたので特に脅威にならなかった。

では、シティの守備に対してリバプールはどのようなアプローチで対応したのだろうか?

まず第一に、ロングボールを避けたいのであれば、シティが中盤をわずか2人で守っているということを理解する必要がある。

その外側を使い、彼らをピッチ全体に押し広げるべきだ。

アーセナルは過去にもコンパクトな中盤に対して同様の攻略法を見せたことがあり、特に2022-23シーズンにはジャカがレスター、ノッティンガム・フォレスト、ブレントフォードの狭い中盤の外側で効果的なプレイを見せていた。

シティの中盤の外側でプレーし、彼らが中央からつり出された瞬間に前線の選手がその間で受けることで、相手全体を押し下げ、ボール前進ができるようになる。

マンチェスター・シティ自身が、同様の守備に対して同じ解決策を用いている。

2024年のFAカップ決勝でマンチェスター・ユナイテッドに敗れた際、彼らは同様に4-2-4での守備に苦しんでいた。この試合でケヴィン・デブライネのプレーエリアがいかに狭かったかを見てほしい。

だがその数か月後、翌シーズンの開幕戦でチェルシーが同様の形を採用した際には、シティはそれに対する準備ができていた。

デブライネは左サイドに張り、通常は内側に入るリコ・ルイスが右で幅を取り、チェルシーのダブルボランチを左右に広げた。

そして、アーセナルはリバプールの試合の進め方からも学ぶことがある。

スロットが起用したダブルボランチは、アーセナルほどシティの前線4人の後ろに位置することはなかった。
基本形は4-2-3-1だが、リバプールの配置はより工夫がみられた

カーティス・ジョーンズはシティのプレスのラインより低い、CB間に降りていて、相方のフラーフェンベルフは前に位置取りしてシティの中盤を引きつけ、サラーとヴィルツがその両脇の内側に入り込んでいる。

そして、ジョーンズはそのライン間を通すパスでヴィルツにボールを届けることに成功した。

ヴィルツがロドリの右側でスペースを得るための鍵となったのは、ストライカーのウーゴ・エキティケのポジショニングで、彼は左サイドに大きく流れ、右SBを釘付けにしていた。

裏へのランの可能性があるため、ヌニェスは動けず、ヴィルツに寄せられないのだ。

リバプールは一本の鋭いパスで状況を打開し、グアルディオラのシステムの隙を突いて一気に最終ラインへと迫った。

もちろん、ウェンブリーでのアーセナルの先発メンバーと同じ11人でも同じことができるはずだが、重要なのはその中での動きだ。4-2-4は中盤が狭く人数も少ないため、そこを突くべきだ。

また、この試合のリバプールは後方からのロングボールでもアーセナルより優れており、立ち上がりから積極的にこれを活用していた。

ケパはウェンブリーで34本のパス中16本でロングボールを選択したが、リバプールのママルダシュヴィリは試合最初の30分で14本中10本をロングボールで蹴っていた。

最も重要なのは、彼がそのロングボールをシティの右サイドに送り、外に流れたエキティケが相手の右SBに空中戦を挑んでいた点だ。

これは、アーセナルがニコ・オライリーのサイドを狙った場合よりも効果的だった。後半の空中戦でのオライリーの強さは、アーセナルファンなら誰もが覚えているだろう。

エキティケが外に流れたところにロングボールをサイドに送ることで、最初の競り合いで勝てずとも、その後即座にプレスをかける機会も作れていた。

同じことは、リバプールの選手をアーセナルに置き換えても可能なはずだ。

上の場面ではロングボールの落下地点周辺でリバプールが数的優位を作り、アバウトなボールをボール奪取や相手陣に押し込む機会に変えている。

仮にエキティケのトラップが乱れ、ボールがロドリに渡っても問題はなかった。

ロドリはすぐにプレッシャーを受けて後ろを向かされ、そこから先のすべてのパスコースに圧力をかけられる配置をリバプールは取っていたからだ。

もちろん、ただこれだけでアーセナルが勝利できる、というわけにはいかないだろう。リバプールの作戦は30分は機能していたが、結果は0-4の敗戦だった。

アーセナルはここからチャンスを作り、そしてそれを決める必要がある。加えて守備時にはハーランドを抑え、オライリーのボックス侵入にも備えなければならない。

しかしこの試合で勝ち点を得るには、アーセナルが主導権を握って相手の脅威となり、シティを押し込んで相手陣で試合を進めるような時間帯を作る必要があるのは間違いない。

ウェンブリーではそれがほとんどできず、その大きな要因がビルドアップの苦戦だった。

もしグアルディオラが3月と同じ戦い方を採用するのであれば、アーセナルはそれに備えられていなくてはならない。前回の試合から1か月間、改善点を分析する時間があったのだから。

仮に今日の試合で再びシティが4-2-4のプレスを採用しても、今回は想定外ではないし、アーセナルは同じアプローチに二度やられてしまうわけにはいかない。

source(当該サイトの許可を得て翻訳しています):

関連記事(広告含む)

Posted by gern3137