エヴァートン戦振り返り by arseblog

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普段であれば私は試合に何か運命的な力が働く、のような考え方をあまりしないが、昨日のアーセナルのエヴァートン相手の2-0での勝利に対して、そのような感覚を多少感じずにいることは難しい。

ほんの少しの差で試合展開は違ったものになっていた可能性があった。

カラフィオーリがマクニールのシュートを素晴らしいブロックで止めなければ。同じくマクニールのシュートがポストのもう少し内側をたたいていたら。

また、試合を通して、ハヴァーツへのファウルに対してPKが与えられなかったことが、今季を振り返って『一つ判定が違う方向に転んでいれば』と思わせる瞬間になるのではないか、と感じられた。

この場面は本来PKとキーンへのレッドカードが出されるべきだったと誰もが思ったと思うが、VARはそうではないと判断し、このままアーセナルは勝ち点を落とすのではないかと思われた。

試合が変わったのは74分だった。

この時までにアーセナルは19本のシュートを打ってはいたものの、そこまでピックフォードを脅かす場面はなく、逆に、どちらかというとより危険なチャンスを作れていたのはエヴァートン側だった。

既にハヴァーツとマドゥエケに代わってギョケレシュとマルティネッリが登場していたが、アルテタはもう一人さらにアタッカーを投入する必要があると考えた。

この時監督はプレミアリーグ優勝経験もあるブラジル代表のジェズスも選べたが、そうではなく、12月31日にまだ16歳になったばかりの若者を選択した。

試合後アルテタが語ったところによると、彼はマックス・ダウマンを投入すべきだと直感したのだそうだ。スビメンディに代わって登場したダウマンはサイドに入り、代わりにサカが中に移った。

その後もアーセナルはゴールを追い求め続けたが、その瞬間は決して訪れないようにも見えた。

エゼのシュートは良いセーブに阻まれ、ダウマンにもチャンスがあったが、体重が後ろにかかりすぎ、彼はそれを上に外してしまった。時間はなくなりつつあった。

89分にラヤがボールを持った。彼はここまで重要なセーブも見せていたが、まるで足元にボールを持ったまま1時間は立ち尽くしているかのように見えた。普段私がTVに叫ぶことはあまりないがこの時ばかりは『とにかくボールを出せ!』と叫んでしまった。

最終的にそこからさらに数十年の時間がたったのち、ガブリエルとのリスキーなパス交換を経てエヴァートンのプレスを回避し、ガブリエルは素晴らしいボールをモスケラに届けた。

そこからボールをチームは前に進め、スローインを獲得した。一瞬エヴァートンが油断したように見え、そこからダウマンが最高のクロスをファーに届けた。

ピックフォードが飛び出し、何とかボールに触るもそれはボールをはじき出すには至らず、軌道の変わったボールがインカピエにあたり、完璧な形でギョケレシュの前にこぼれた。この瞬間までほぼ見せ場がなかったギョケレシュだが、彼は適切なタイミングで適切な場所にいたのだった。

これは彼の人生でも最も簡単なシュートの一つだったはずで、まさにチームのストライカーにふさわしい働きだった。

この時点でスコアは1-0になり、これでアーセナルの勝利には十分なはずだった。だが、サッカーというのはクレイジーなものだ。これがよく言われることである理由は、実際にそれが事実だからだ。

アディショナルタイムは6分。この時間のほとんどをうまくアーセナルはコントロールしたが、最後にそれを手放してしまった。インカピエが素晴らしいタックルを見せたが、その後のロングスローからエヴァートンのコーナーが生まれた。

すでに時計は6分を超えた。私の心臓がテクノのBPMで踊り始めた。これはまさに宇宙が『勝ったと思っただろう?でもこれを見てごらん?』と我々を笑うのに最適な瞬間に見えた。恐怖の瞬間が脳裏によぎった。

だが実際には、その後訪れたのはエミレーツスタジアムに移転後のアーセナル最良の瞬間の一つとなる出来事だった。

エヴァートンがコーナーキックを蹴りこんだが、ギョケレシュがそれをニアポストでクリアし、マルティネッリがそれを再びヘディングで弾いた。

最後の同点弾の望みにかけて、相手GKのピックフォードは前線まで上がってきており、マルティネッリを止められなかった時点で追うのをやめた。

そこにいたのはダウマンで、バウンドするボールをヘディングで地面にたたきつけ、さらに前に出ることに成功した。マイコレンコは一瞬ダウマンをラグビータックルで止めそうなそぶりも見せたが、もしかすると、やはりサッカー選手としての公正さを重んじる心が影響したのだろうが、少しためらってしまった。

そしてダウマンはそのままデューズベリー=ホールも細かな足技でかわし、次に起きることを悟った彼はそのまま地面に倒れこんだ。

そのままダウマンはボールを前まで運んでいき、マルティネッリはスピードを落とさず彼についていき、相手DFをブロックする役割も果たした。

そしてダウマンは16歳の若さで、アーセナルの史上最年少得点記録とプレミアリーグの史上最年少記録を更新することとなった。

スコアは2-0になり、これでアーセナルの勝利は揺るがぬものとなった。信じられないような偉業だった。

数分前の勝ち点を落とす予感に苦悶の声を上げていた私だったが、今度はディスコで踊りだしたいような気分だった。まるで90年代に戻ったかのように。周りのすべてが愛おしく感じられた。

なぜ我々は自分では全くコントロールできない出来事にここまで感情を左右するカギを預けてしまうのだろうか?

それは、サッカーというのが特別なものだからだ。それはほかのほとんどのものにはできないやり方であなたを落ち込ませることもできるが、昨日のようなことが起きれば、そういった傷跡も少しの間忘れることができるし、言葉にできない何かを与えてくれることもある。

そして、上にも書いた通り、これは非常に多くのランダムな要因に左右される。もしPKが認められ、数的不利になったエヴァートン相手に結果的に2-0で勝利することになっていれば、もちろんそれはそれでよい結果だっただろう。

だが、代わりに訪れたのはより栄光に満ちた瞬間だった。もしチームの優勝やタイトルレースの行方を決定づける瞬間、のようなものがこのシーズンにあるのであれば、この試合を外して考えることはできないだろう。

この後にプレイしたマンチェスター・シティもプレッシャーを感じずにはいられなかったはずだ。89分までエヴァートンがよくやってくれた、と考えていたかもしれないが、その次の瞬間には試合結果は全く異なるものとなり、その後ウエストハム相手にプレイしなくてはならず、そして元アーセナルのマヴロパノスのヘディングでのゴールで勝ち点3を落とすことにもなった。

こんにちは宇宙さん、私の親愛なる旧友よ。

今日のような日にきちんと整った記事を書くのは難しいので多少のことは許してほしいが、もう一度、ダウマンに関して少し書かせてほしい。歓喜の中で選手のプレイは過大評価されがちではあるが、私が常に言ってきたのは、偉大な選手というのは難しいプレイを非常に容易に見せることができる、ということだ。

バウンドするボールをコントロールしてぴたりと足元に収め、その後2人のプレミアリーガーをかわし、70ヤードドリブルでボールを運んでゴールにボールを流し込む、というのは本来そこまで簡単なことではない。だが、ダウマンはまるでそれをやすやすとやってのけたように見えた。

訪れたビッグチャンスに6万人の観衆は叫び、TVの前で見ていた数百万人も同じリアクションだっただろう。だが、それでもダウマンはまるで公園で友人とボールを蹴っているだけさ、とでも言わんばかりの優雅さだった。

アーセナルのより年長の選手たちのリアクションにも注目してほしい。彼らはダウマンが得点を決めることは間違いないと信頼しており、すでに微笑み笑い始めていた。

このような瞬間は素晴らしいもので、ファンの記憶の中に長く残るべきだ。

だが、これを可能にした彼のクオリティ、そしてそれを16歳という若さで備えていたという事実を忘れるべきでない。試合後監督もこれは尋常なことではないとコメントし、我々ファンもダウマンへの期待を高めすぎないようにする必要はあるが、今日に関してはただ何度もリプレイを再生し、再び訪れる感情を味わえばよいだろう。

その後のセレブレーションも素晴らしく、チームが不調の中でもポジティブな様子を崩さなかったアルテタは宙にこぶしを突き上げ、ピッチの選手、ベンチの選手、ユースの選手、スタッフたちがダウマンを囲み、彼はコーナーフラッグを蹴り飛ばし手ファンのもとに駆け寄った。

リース・ネルソンのボーンマス戦でのゴールと似た雰囲気もあったが、タイトル争いという文脈では、今回の得点のほうがさらに大きなものに感じられた。シティの試合が終わった後ではなおさらだ。

これがチームの雰囲気に与える影響について聞かれたアルテタは以下のように語った。

この数か月間は素晴らしかった。まだすべてのコンペティションでプレイできているし、すべての試合を結晶のようにプレイできている。パフォーマンスは比較的良い時もそこまでよくない時もあるが、絶え間ない勝利への執念は常にそこにあり、これはチームが備えた最良のクオリティの一つだ。

マックスに関しては、皆に毎日の彼の練習の様子を見てほしいよ。練習で彼が見せるプレイをね。それも彼は世界最高のDF人に対してそれをやってのけてしまうんだ。だから、彼が誰が相手だとしてもそれができる。もちろんまだ16歳で、それを実際の観客の前で、そしてタイトル争いの行方が勝った試合で、期待も大きい中で行えるのか、という疑念はあるかもしれないが、彼はそれに影響されるような様子を全く見せない。そして今日彼は我々全員にとって本当に素晴らしい瞬間を生み出してくれたね。

やはり最も重要なのは、この試合がアーセナルのリーグ優勝争いにおいて非常に重要な結果をもたらしたという点だ。まだ仕事は残っているが、アーセナルのプレミアリーグの次の試合は4/11までない。

今日の試合に関しては無限に描き続けることができそうだが、もう何十回かハイライトを見直したいのでこのあたりで失礼しよう。

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Posted by gern3137