【アーセナルのターゲット】ベンジャミン・シェシュコとは?

移籍

シーズンも終わり、6月に入り、ということでそろそろ来季に向けた移籍市場の話も本格的に盛り上がり始めていますが、今年の夏のアーセナルのトップターゲットの一人として目されているのが23-24シーズン、ライプツィヒで素晴らしい活躍を見せたシェシュコです。

多くのメディアがアーセナルが獲得を狙っているようだと報じており、また、今年はEUROが控えていることもあり、獲得するのであれば6月中にも決まる可能性があるそうです。

今回は、そのシェシュコがどのような選手なのかを紹介します。

シェシュコの基本プロフィール

所属クラブ: RBライプツィヒ
ポジション: FW(ストライカー)
年齢: 21
国籍: スロベニア
身長: 194cm
効き足: 右
Transfermarkt算出による市場価値: 50m€
(報道によると、6月末まで有効な65m€の契約解除条項が存在しているとのこと)

シェシュコのこれまでのキャリア

ギェケレシュやイサク、オシムヘンといった選手たちもアーセナルの獲得候補のFWとして名前が挙がっていますが、彼らとシェシュコが最も大きく異なるのはその年齢でしょう。

上に上がった三人はまだ比較的若いとはいえ、既に25歳前後で、まさにこれからキャリアのピークを迎えるであろう年齢ですが、シェシュコに関してはまだ数日前に21歳になったばかりと非常に若く、同時に欧州5大リーグでの経験が最も少ない選手でもあります。

シェシュコは人口数千人ほどのスロベニア中部の山間の町ラデチェに生まれ、13歳まではラデチェのクラブでプレイしていました。その後NKクルシュコへと移り、U-15の試合で23試合で59得点というとんでもない数字を挙げたのが首都リュブリャナ近くを拠点とするスロベニア一部リーグのドムジャレの目に留まり、移籍となりました

ただ、その後すぐ1年でレッドブル・ザルツブルクに16歳でさらに引き抜かれると、ローン先のオーストリア二部リーグで早速プロデビュー、20-21シーズンには21得点を挙げ、2部リーグ得点ランキング2位にも輝きました。

また、2021年にはスロベニアA代表でもデビュー、18歳と1日で、スロベニア代表の最年少デビュー記録を更新、現時点までで28試合11ゴールを挙げています。

そして、昨季同じレッドブルグループのライプツィヒへと約24m€の移籍金で移籍するとブンデスリーガでは31試合に出場、センターフォワードとして14得点を挙げました。このうちの半分はリーグ最後の7試合で7戦連続得点を挙げたものです、

シェシュコのプレースタイル

最も気になるのはシェシュコはどのような選手なのか?という点だと思いますが、まずはそのとっかかりとして、FBrefの23-24シーズンブンデスリーガのスタッツを見てみましょう。

とりあえず得点はする、ボール前進やチャンス創出への貢献はあまり大きくない一方で、クリアやブロックはかなり多め、という形となっています。

ただ、下の記事で詳しく解説されていますが、スタイル的には得点を狙う伝統的なストライカータイプだが、技術が低いわけではなく、必要があればパス交換なども特に苦にしているわけではないようなので、このあたりは戦術や意識次第でかなり変わってくるかもしれません。

基本的に最近アーセナルのFWのターゲットとして上がる選手はイサクやギェケレシュ、オシムヘンなど、185cmを超える長身タイプのストライカーが多く、これはかなり重要視しているポイントだと思われますが、中でもシェシュコは特に長身で、身長はハヴァーツとほぼ同じで、空中戦や、ロングボールを収めたり、という点においてはハヴァーツのワントップ起用時と同じような活躍が期待できそうです。

また、インテンシティの高さが代名詞ともいえるレッドブルグループで既に英才教育を受けており、去年はずっとライプツィヒでストライカーを務めていたというのもプレスなどを考えると頼もしいですね。

また、上の得点集動画を見る限り、ヘディングや利き足だけでなく、逆足の左足で、かなり難易度の高そうなゴールも決めており、それなりに逆足でのシュートも得意とするタイプであるように見えます。

懸念点

シェシュコに関する懸念点としては、まず第一に欧州五大リーグでのプレイ経験がまだ浅いことがあります。最近アーセナルは若いながらもプレミアリーグ経験豊富な選手にターゲットを絞ることで大きな成功を収めてきました。

一方そこまで経験豊富というわけではなかったタヴァレス、ロコンガ、ビエイラといった選手たちは軒並み苦戦しています。もちろんシェシュコはフィジカル面では特に問題なさそうなのと、既にブンデスリーガやCLで一年プレイ経験があるという点が大きく異なりますが、例えばイサクのような選手と比べるとプレミアリーグで即座に活躍できるかに関しては若干疑問は残ります。

また、それと関連して少し懸念なのが昨季のxGの数字です。シェシュコは去年シーズンを通してxG7.7に対して実得点は14とこれを大きく上回っています。

もちろん、非常に高い決定力を持っているためこのような数字となっている、という可能性もありますが、基本的には世界中を見渡してみてもxGを安定して大きく上回って得点を重ねられる選手というのは非常に限られており、どちらかというとxGをどれだけ上回るかよりも、どれだけxGを積み上げるかの方が長期的に見た得点力の指標としては正確であることが多いです。

もちろん、いずれにせよ1シーズンだけのデータしかなく、その1シーズンのデータで高い決定力を見せているのは事実ですが、オーストリアやドイツ時代と同じペースでプレミアリーグで得点を量産できるかどうかは何とも言えないところです。

まとめ

とはいえ、仮にプレミアリーグ1-2年目に少し得点数が落ち込んだとしても、今のアーセナルにはハヴァーツもいますし、サイドから得点できる選手も多いです。まだ21歳と今後の成長の余地を大きく残しており、65m€(55m£)という契約解除条項の額も安い、とまでは言えませんが、他のストライカーの候補よりは移籍金は安くなるはずです。

これらを鑑みて、シェシュコ獲得はアーセナルが試しても良い/それなりに成算のある獲得ではないか、と感じられます。

とはいえ、まだ明確にファーストチョイスのターゲットが定まり、交渉を開始した、というほどにまで話が進行しているわけでもないようなので、今後の進捗を見守りましょう。

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Posted by gern3137