アーセナルはガブリエル・ジェズスを放出すべきか?
The Athleticが、アーセナルはハヴァーツのパフォーマンスを受けて少し補強方針を見直しており、この夏オファー次第でガブリエル・ジェズスの放出も検討する可能性があると報じた。
Last season, Mikel Arteta said that Gabriel Jesus “changed our world”.
— gunnerblog (@gunnerblog) May 1, 2024
But Arsenal’s world may be changing again.
With Jesus struggling for form and fitness, #AFC are ready to listen to offers for the 27-year-old in the summer.@TheAthleticFC 🔴⚪️🇧🇷⬇️https://t.co/OSlAfYqhLk
もちろん、オファーが舞い込めば放出を拒否しない、というのは必ずしもその選手が評価されていないということを意味しないという点は留意する必要があるし、積極的に放出に動いている、というのとも違う。
さらに、クラブが放出を望んでいた選手であっても、そこまで放出がスムーズにいかなかったケースもあった。
だがジェズスの場合は比較的若く(まだ27歳になったばかりだ)、知名度もあり、実績豊富でクオリティも高い選手なので、ある程度の市場価値で評価されるはずだ。
そのため、もしそれを反映するような金額のオファーが届けば、クラブはそれを検討するつもりでいる、というのが実情だろう。
とはいえそれでも、ジェズスの放出が少しでも検討に値するトピックとなるという事実が以下にアーセナルが素早く前に進んでいるかを象徴している。
彼がマンチェスター・シティからアーセナルへと移籍してきた初シーズン、彼のシーズン前半のパフォーマンスはセンセーショナルだった。
・・・W杯で怪我をして帰ってくるまでの話だが。
彼はチームにダイナミズムと機動性をもたらし、ボールを収めて得点を挙げる(更に多く決められるはず、という意見もあるかもしれないが)こともできた。
彼の存在はアーセナルのプレースタイルに必要不可欠で、結果的にチームをタイトル争いへと導いたロケットスタートにおいてとても重要な役割を果たした。
だがそこで怪我が起き、手術が必要となった。彼は3月まで復帰することができなかった。
その後のプレミアリーグ12試合でジェズスは全試合に出場し、5得点を決めた。連戦連発というわけではないが、大きなけがから復帰したばかりの選手としては悪くない得点数だ。
だが、今季ジェズスは更に苦戦している。膝の処置の影響で開幕の2試合、秋冬の3試合、そして2月の3試合と合計で彼は今季8試合に欠場しているが、2月の離脱の直前の試合がジェズスが1ゴール1アシストを決めたノッティンガムフォレスト戦だった。
この試合でジェズスはかなり無理をしたようで、試合後にアルテタは以下のように話した。
彼は膝に問題を抱えており、皆が彼を守るため、プレイしないよう説得しようとしていた。だが彼はチームに貢献して勝利の助けになりたいんだ、と譲らなかった。このようなメンタリティは素晴らしいね。
ここからもわかる通り、彼は怪我と戦いながらプレイしており、今季は24試合(うち先発が17試合)4ゴール4アシストにとどまっている。
これは良い成績とは言えず、ファイナルサードでの判断はシャープとは言えない。
確かに、これだけ見れば(CLでの数字は8試合で4ゴール3アシストと遥かに良いが)、クラブが放出を検討するのも理解できることではある。
この姿勢はジェズスの怪我歴が大きく影響を与えているに違いない。
ただ、彼がチームに残ってくれるのであれば、それはそれでチームにとってはプラスとなるはずだ。彼のような選手が先発の座が保証されていないというのはチームのレベルの高さを示しているし、真にアーセナルがトップレベルのクラブとなるためには、ローテーション要員にも彼のようなハイレベルな選手を揃える必要があるだろう。
彼のユーティリティ性の高さはチームにとって非常に有益だ。ジェズスは必要があれば左右両サイドでプレイ出来るし、今季これらのポジションで良いプレイができることも示した。
ホームでのシティ戦では右のサカの控えを務め、0-0となったアウェイ戦では左サイドで非常に献身的なプレイを見せ、左サイドバックのキヴィオルを大きく助けた。
彼はアーセナルが今季CLで準々決勝まで進出できた大きな要員の一つであるはずだし、このような大舞台での経験豊富さは軽視されるべきではない。
そして、もう一つ考慮しなくてはならないのは、この夏、アーセナルの多くの選手の将来が不透明になっているという点だ。
ジェズスの立場の選手を入れ替えることがクラブにとって優先度が高いとは思えない。
エンケティア(アーセナルがFWを放出するのであれば、彼の方が先に候補になるだろう)、ネルソン、スミスロウ、ビエイラ、ラムズデール、トーマス・パーティといった選手たちの去就を決定する必要があるし、サンビ・ロコンガ、ティアニー、タヴァレスといったローンで抱えている選手たちもいる。
セドリックとエルネニーの退団が既定路線なのは言うまでもないだろう。
放出に関してアーセナルが行わなくてはならないことは山積みだが、実際にそこまで多くの選手を放出するのは容易ではない。
そういった意味で、チーム構築という意味ではジェズスの放出はかなり優先度は下がるだろう。
だが一方で、売却によって移籍金を得ることを念頭に置くのであれば、恐らくジェズスは上の誰よりもそれが期待できる選手でもある。
そして、今季の起用法を見るに、クラブはオレクサンドル・ジンチェンコの将来に関しても決断を下さなくてはならないように見える。
アーセナルが進歩を遂げるにあたって非常に重要だったジェズスとジンチェンコの二人に、獲得からたった二年後に退団の可能性があるというのはアルテタのチームの成長の早さを示していると同時に、部分的にはこの二人の特性にもよるものだろう。
両方の影響があるだろうが、それでも彼らが長期的に見てチームにもたらしたポジティブな影響は評価されるべきだ。
ただし、それでも我々はきちんとチームの現状を見て判断すべきだし、アーセナルには左サイドバックを"本職とする"選手の獲得の必要があるように思われる。
左サイドバックで起用できないのであれば、ジンチェンコを中盤にコンバートするのはどうか、という意見もあるが、これまでの所アルテタは全くそのつもりを見せておらず、もしかするとジンチェンコの将来はもしかするとジェズスの将来以上に不透明となっているかもしれない。
この夏のアーセナルの動きは非常に興味深いものになるだろう。
FWを獲得するのだろうか?だがどのようなタイプのFWを?中盤の補強が必要なのは間違いないが、これもまたどのようなタイプの選手を?
DFやGKの補強もあるかもしれないが、今の所候補者が誰なのかは全くわからない。
最終的にどのような着地になるかを見守るのは、面白い経験となるに違いない。
最後にジェズスに関してもう少しだけ話をすると、彼は先日コンディションを整え怪我を避ける(もしかするとさらに手術を行う必要がある可能性もある)ために、コパアメリカを辞退する必要があるかもしれない、と語った。
個人的にはジェズスはとても好きな選手だし、もし彼がコンディション面を改善できれば、彼にはまだまだ活躍の場があるように思う。彼の残留はチームにとって悪いニュースではないはずだ。
だがこれはある程度市場次第という側面もあり、今後どうなっていくかを見守りたい。
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コメント一覧
私はジェズスの未来よりマルティネッリの未来の方が気がかりだ。トロサール評とは真逆の「先発でも交代でも」活躍できない日々は、ハバーツのCF固定とどんな連関があるだろうか。
今は欧州セットが花盛りである。ブラジルセットあるいは南米セットが面白い様に量産した時代もあった。三苫興味の流し記事も散見されるが、よもや左が日本セットになる事は想像し難い。
直近の中盤は多くが理想としていたであろう3人で、落ち着くべき所に落ち着いた感がある。継続性があるかどうかは別として。そして、8番が依然としてライスなのかどうか、である。もしジェズスを出すなら、あまり有効の記憶がない8番ハバーツは無いだろうし、有効な8番をなんとしても手にしておく必要がアーセナルには出てくる。トーマスへの信頼、去就が注目される。
ジェズスの動向はCFの入れ替えに留まらない。誰もが結局総じてフィルミーノ以上、にはならなかったリバプールを横目に、アーセナルで来月から何かが始まるのだろう。