ジェズスの時間だ
先日のノースロンドンダービーで明らかになったのは、ガブリエル・ジェズスは非常に完成度の高い選手である、ということだ。
もちろん彼はサイドでのプレイ経験も豊富なのだが、アーセナルは可能な限り彼をセンターフォワードの位置で起用し続けるべきであるように思う。
PSVがプレミアリーグの対戦相手と比べると非常にオープンな布陣を敷いており、それが今季最高のアーセナルの攻撃のパフォーマンスを引き出したというのはあるだろうが、それにはジェズスがトップとして起用していたことも大きくものを言ったはずだ。
もちろんサッカーの常として、後からいろいろというのは簡単なわけで、監督がトッテナム戦でエンケティアを中央で起用するという決断を下した背景は理解できる。彼はジェズスよりも今季多く試合に出ていて試合勘の問題はないため、インテンシティの高い試合に対応できるだろう、というのは自然な考えだ。
ただ、いかに試合に継続して出場していても、それが次の試合でのパフォーマンスにつながらなければ意味はなく、トッテナム戦では輝けなかったし、ヴィカリオへのタックルはイエローカードで済んだのはラッキーで、退場となっていてもおかしくなかった。
次のプレミアリーグの試合ではアルテタはジェズスを中央で起用すべきだろう。
その場合左サイドのマルティネッリとトロサールが離脱中というのが頭痛の種ではあるが、スミスロウもネルソンもオプションとしているし、ビエイラも起用することはできなくはないだろう。
もしネルソンをずっとウイングの4番手に置き続け、ほとんど先発させないのであれば、彼と長期の契約延長に踏み切った決断は不可解なものだし、契約延長を行ったからには、ある程度戦力としてカウントしていると考えるのが自然だ。
もちろん、そこにはベンチにオプションを置いておきたいという思惑も絡んでいるかもしれない。エンケティアは途中出場時の成績があまりよくなく、一方でネルソンは途中出場での貢献も得意だ。
だが、それを考慮したうえでも、ジェズスを中央で起用し、左サイドにはだれか他の選手を置く、という形がアーセナルにとって最も効果的なのではないだろうか。仮にそれが左サイドに普段は3番手4番手の選手を起用することを意味していたとしても、ジェズスの貢献で補えるはずだ。
もちろん、そもそもストライカーのポジションに関してはそもそもさらに補強が必要なのではないか、という議論もあるだろうが、1月はまだまだ先だし、それまでには多くの試合がある。いったんその議論はわきに置いておく必要があるだろう。
BBCのマッチオブザデイが提示していたスタッツによると、今季ここまでのプレミアリーグ6試合でアーセナルのビッグチャンス創出数、ビッグチャンスからの得点数、xGなどはすべてリーグ8位~12位程度にとどまっている。
今季プレミアリーグでジェズスは114分しかプレイできておらず、しかもストライカーとしてプレイした時間はさらに短い。彼を中央でプレイさせることで、これらの数字はより改善していくのではないだろうか。
ジェズスのプレイスタイルを考えれば、彼自身のプレイだけでなく、その後ろのウーデゴールやハヴァーツの数字も改善することが見込めるだろう。
現状ハヴァーツには多くのタスクが課されており、かつアーセナルが彼の強みを生かせるようなサッカーをできているとは言えない。ハヴァーツにとってもジェズスとの相性がよさそうだ。
少なくとも検討の余地はあるだろう。
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