スミスロウの復帰とゼロトップ起用に関して
スミスロウがオックスフォード戦で遂にピッチに帰ってきたのは非常に喜ばしいものだった。 今のアーセナルは前線の層が薄くなっているし、スミスロウは昨季のアーセナルのチーム内得点王ランキング2位の選手だ。
今季のアーセナルの戦力を上げるうえで、スミスロウの復帰は代理人と話す必要もなければ、大金を支払う必要もない、適応やビザの心配もない補強のようなものだ。
アルテタは試合前に『エミールは攻撃的MF、ウイング、ストライカーとしてもさえもプレイできる。』とコメントしており、彼を前線ならどこでもプレイできるオプションとして見ているはずだ。
既にスミスロウのゼロトップ起用をアルテタは試しており、この際は成功だったとは言えないが、これはスミスロウ自身の適正というよりも、タイミングや周囲のメンバーの影響もあっただろう。
実際にスミスロウがゼロトップで先発したビジャレアル戦のメンバーは以下の通りだった
レノ
チェンバース ホールディング マリ ジャカ
パーティ セバージョス
サカ ウーデゴール ペペ
スミスロウ
今のチームはこの頃とは大きく異なり、恐らく本格的なオプションというよりも緊急的な策ではあるだろうが、アルテタはスミスロウがストライカーとしてプレイできるとある程度自信を持っているようだ。
いずれにせよ、スミスロウがもしこのポジションで起用された場合にうまく機能する可能性はビジャレアルよりもはるかに高いに違いない。
だが、やはりチームにとって最も大きいのが彼が左サイドでプレイできるという点だろう。スミスロウの適性を考えれば、今のグラニト・ジャカのポジションでプレイできる可能性もありそうだ。
そのために鍵となるのはフィットネスで、スミスロウは今回手術に至った怪我が10代のころから抱えていたものだったと明かした。
スミスロウによると、今回手術することになった怪我は、彼が18-19歳のころからずっと慢性的に抱えており、ライプツィヒでのローンの時も同じ怪我で離脱となったのだそうです。スミスロウは『ようやく治すことが出来て嬉しい』と語っています。 https://t.co/4HxdJPmpFk
— 山中拓磨(Takuma Yamanaka) (@gern3137) January 10, 2023
すなわち、今に至るまでスミスロウはずっとけがを抱えながらプレイを続けていたことになる。そこまで大きな影響を与えていなかった時期もあったかもしれないが、プレイが大きく制限された時期もあったはずだ。
このことを考えると、100%ではない状態でスミスロウがアーセナルの背番号10を勝ち取るだけのパフォーマンスを見せ、シーズン2桁得点を挙げたというのは特筆に値する出来事だ。
さらに、スミスロウがファーストチームに台頭した時期と今ではチーム事情も大きく異なる。当時はスミスロウの起用は監督の最後の賭けのような側面があったが、今のチームはスミスロウ不在でも絶好調であり、よりハードワーキングでディテールにこだわったプレイが求められるはずだ。
オックスフォード戦ではさすがに少しばかりの不慣れさも垣間見えたが、同時に以前よりフィジカル的には力強くなっているように見え、ピッチ上の動きは良かった。
彼がこのまま出場機会を増やしていってくれれば、2月のヨーロッパリーグが始まる頃には先発の準備が整っているはずだ。
スミスロウが才能にあふれているのは間違いないが、過去に何人かのアーセナルの選手たちが示した通り、才能だけでは十分ではない。彼らの活躍はフィジカル面のコンディションに大きく依存し、ケガによって本来の才能を発揮できなかった選手もいた。
手術が完全なる成功であり、今季後半戦スミスロウがアーセナルを手助けしてくれることに期待したい。
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ディスカッション
コメント一覧
復帰戦、短い時間にも1本決定機に絡む
やっぱりシュートまでが速いですよね
あの状態でゴールが生まれる最短時間でのプレー、しかも左足
サカガビが剣ムドリクが弓、ビエイラがハンマーならロウはダガー
音も無く忍びよりひと差しで仕留める
ハダースフィールドの監督が電話ボックスのスペースあれば仕事ができる、ターンのうまさ速さ
アルテタの言うスピードを戻すことが何より必須
たしかビジャレアルアウェイ開始早々ビハインド、プラン通りいかなかったかもしれない
でもアウェイでスペースを活かせる局面でのトップ起用はおもしろいですよね