ノッティンガム・フォレスト戦振り返り by arseblog
週末に思わぬヒーローが生まれ、ノッティンガム・フォレストを5-0で下したアーセナルが再びリーグ首位に立った。
ブカヨ・サカがピッチを退かなくてはならなくなった時に、交代で登場する選手として白羽の矢が立ったのがリース・ネルソンだったのは少し驚きだった。
彼は昨季の開幕戦、ブレントフォードとの試合以来プレミアリーグで出場していなかったし、その一試合前の出場はなんと2020年の11月だ。
だが、結果的にアルテタの采配は大成功で、ネルソンは2ゴール1アシストの大活躍を見せた。
まず試合開始5分後にアーセナルはマルティネッリのゴールで先制に成功する。サカのクロスは素晴らしく、マルティネッリのランのタイミング、そして対戦相手の足が飛んでくるかもしれない状況でも頭から飛び込んでいく勇気は素晴らしかったし、ヘディングも性格だった。
だがそれ以降は少しサウサンプトン戦を思い起こさせるような展開で、アーセナルは試合を支配しながらも、それを得点にはいかせなかった。
ジェズスが一本ゴール外側にシュートを飛ばし、マルティネッリのシュートはゴールライン上でクリアされた。そして、ミスからリンガードに大チャンスも生まれてしまったが、これに対してはベン・ホワイトが素晴らしい守備を見せた。
だが、ここからアーセナルはPSV戦での敗北後、アルテタがコメントした通りのプレイを見せる。『リセット』だ。
後半開始すぐ、2点目は非常に縦に速い攻撃で、シンプルな速攻だった。ラムズデールがボールをパーティに渡し、完璧なパスを裏に走ったジャカへと通すと、ジェズス、ネルソンへと繋がった。
ネルソンが1本目のシュートを止められた際に、2度目のシュートのチャンスが訪れたのは若干ラッキーだったかもしれないが、だが彼はその2本目のチャンスを冷静に決めて見せた。
彼のアーセナルでのゴールはELモルデ戦以来、2年ぶりのことだった。
だが、喜ばしいサプライズはまだこれで終わりではなかった。
ほんの数分後には、ウーデゴールとジェズスが良い連携を相手ボックス内で見せ、ジェズスの良いクロスが走り込んだネルソンに届くと、素晴らしいタッチで2点目を挙げたのだ。その後、アーセナルの4点目、ノースロンドンダービーとほとんど同じ形でパーティがゴールを決めたボールもアシストした。
ネルソンがこのようなインパクトを残すだろうと予期していたファンは多くないだろうが、サッカーにはサプライズがつきものだ。100%断言できる、ということは存在しないのだ。
ネルソンがもプレシーズンで怪我をしていなければ、恐らく今頃はローンに出ていたことだろう。もしサカが対戦相手から多くのファウルを受けていなければ、ネルソンに出場機会は訪れていなかっただろう。そして、監督は代わりにビエイラ、あるいはマルキーニョスを出場させることも出来た。
だが、実際にはネルソンにチャンスが訪れ、そして彼はそのチャンスを両手でガッチリとつかみ取って見せたのだ。
試合後、ネルソンは
物凄く嬉しいよ。少し圧倒されてもいる。すごく自身になったね。前も言った通り、これからも毎日きちんとハードに練習して、もしまたチャンスがもらえればチームを助けるだけさ。
一羽のツバメが来たからといって夏になるわけではない、とはよく言ったものだが、仮にネルソンが近いうちにアーセナルから移籍するとしても、この一日は彼にとって忘れられないものとなったに違いない。
彼はヘイルエンドで称えられながらも、少しキャリアを送る上で迷いかけてしまっている選手でもあり、彼が才能に溢れた選手であるというメッセージを再び発信できたのは喜ばしいことだ。
その後、キャプテンのウーデゴールが素晴らしいスキルを見せ、パワフルなシュートで5点目を挙げた。試合のその後はガブリエル・ジェズスが得点できるかどうかが見所のような形となったが、恐らく彼は次のチェルシー戦に向けてゴールを取っておいているのだろう。
彼の得点以外の貢献を考えれば、そこまで大きな心配事ではないように思われる。
試合後、アルテタは以下のようにコメントした。
素晴らしかったね。これまでもずっと我々はチャンスを生み出せていたし、問題は枠にシュートを飛ばせないことだけだった。一週間かけてこれについては今日点を決めた選手たちの能力が違いとなった。
ビッグチームというのは敗戦から素早く立ち直らなければならないものだ。そして我々はまさしくそれを成し遂げた。木曜日の試合から時間がなく、練習も1.5回程度しか出来なかった。肉体・精神両面で次の試合にすぐ備えるのは難しいが、我々は慣れていかなくてはならないね。
10月にアーセナルは9試合を行い、7勝1分1敗という結果だった。プレミアリーグでは最大勝ち点15のうち13を勝ち取ったことになる。
10月には難しいアウェイ戦もあったことを考えると、これは素晴らしい成績だと言っていいだろう。好調のシーズン序盤を経て、アーセナルが10月の過密日程の中でどれだけやれるかが、今季のアーセナルを占うだろう、と言っていたファンもいた。確かに、アーセナルが3日に1回という日程をこなせるかどうかは不透明だった。
だが、アーセナルが示した答えは『イエス』だ。
PSVに先週敗れこそしたものの、どんなチームもたまには敗戦を喫するものだ。ヨーロッパの試合とプレミアいリーグの試合を交互に戦わなくてはならないようなスケジュールではなおさらに。
アーセナルは10月の試合で、今の順位は単なる幸運ではなく、実力でつかみ取ったものだということを示した。
もちろんまだ今季は先が長い。とはいえ、現状でアーセナルはリーグ首位に立っており、それは偶然ではないし、これを喜ぶべきだろう。
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